コミュニケーションの歴史とインターネット
時期 | 伝達手段 | 伝達媒体 | 発信者対受信者 |
人類発生当初 | 声 | 対話 | 多対多 |
紀元前3000年 | 文字 | 手紙 | 1対1 |
1440年 | 活字 | 出版、新聞 | 1対多 |
1835年 | 電気(アナログ) | 電信 | 1対1 |
1876年 | 電話 | 1対1 |
1920年 | ラジオ放送 | 1対多 |
1939年 | テレビ放送 | 1対多 |
1940年 | 電子(デジタル) | コンピュータ | - |
1994年 | インターネット商用化 | 多対多 |
1対多のコミュニケーションメディアをマスメディアといっています。マスメ
ディアは情報発信者が限られています。大きな資本を持つものしか、情報発信
者になれません。資本を持たないものは、マスメディアに依頼して発信しなけ
ればなりません。しかし、その情報がいくら優れた情報でも、それに対する大
きな需要がなければ、マスメディアは取り扱ってくれないのです。インターネ
ットは誰もが発信者になれるメディアです。マスメディアに対してエニーメデ
ィアと呼ぶことができます。埋もれた優れた情報がインターネットによって社
会に出て来ることができました。
インターネットは歴史もまだ浅いのでマスメディアほど普及していません。音
声や動画を送受信する技術はありますが、回線速度の遅さが原因で実用的では
ありません。今は文字と静止画が主体のメディアです。マスメディアに比較す
ると、出版、新聞のレベルです。しかし、回線速度がアップすることによって
ラジオやテレビなみの音声や動画が扱えるメディアに成長するでしょう。そし
て、現在、どの家庭にもラジオ、テレビがあるように、将来、どの家庭にもイ
ンターネット端末がある時代が来るでしょう。
多対多のコミュニケーションは声による対話以降進展はありませんでした。そ
れがインターネットの登場で飛躍的に進展しました。インターネットといえば
パソコンお宅たちの趣味程度の捉え方しかされていませんが、これは社会を大
きく変えていく力があるのです。多対多のコミュニケーションは1対1や1対
多のコミュニケーションより大きい影響を及ぼします。
古代ギリシャが哲学や数学、文学で大きな成果を見せたのは、ギリシャ人が都
市を作ったからです。狭い場所で、多くの人が頻繁に情報のやり取りをするこ
とで、格段の速さで、社会が進歩するのです。古代ギリシャは限られた都市国
家の範囲内でしたが、インターネットは地球規模でこれが起こるのです。イン
ターネットは今までにない大変革を起こすことでしょう。
今後、インターネットを制するものが、情報を制し、情報を制するものが、社
会を制するのです。武力や財力が制してきた社会から情報が制する社会に変わ
るのです。情報力は武力や財力よりも強い力になります。
今までの社会は巨大な生産者が社会を牛耳っていました。そして、彼らが、流
通機構や消費者をコントロールしてきたのです。これから起こることは違いま
す。インターネットによって、小さな生産者が消費者と直接、商取引をするこ
とが可能になりました。また、生産力が消費力を上回ってきたために、ものが
売れなくなってきていますが、このような状況では、消費者のニーズをいち早
く確実に把握する企業のみが生き残れるのです。
でんし共産制社会
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