ブログ記事 ハートで感じる英文法

 
ハートで感じる英文法  (2005/11/24)
「ハートで感じる英文法」は、今年の7月から9月まで、
NHK教育テレビで放送していた番組だった。
初回の放送をたまたま見たのがきっかけて、
それ以降の放送もずっと見ていた。

学校で丸暗記させられた英文法をネイティブ・スピーカーが
抱いている感覚で捕らえなおそうという内容だった。
目からうろこが落ちるような話がいっぱいあった。
たとえば、

  ・過去形と完了形
    ・過去形の感覚は「遠くを見つめる」
    ・完了形の感覚は「迫ってくる」
    ・例えば、She was my wife と She has been my wife とでは、
     前者はもう遠く過ぎてしまった過去の事実という感じなのに対して、
     後者は現在にいたるまで、その事実が迫っている感じなのだという。
     つまり、前者はもう妻ではないが、後者は今でも妻である。
    ・完了形は「完了」と表現されているが、過去に発生した事象が、
     現在に影響されていて、その影響されている現在について述べている
     表現だということである。だから、I have seen movie last night
     では過去に時間を表す、last night は使ってはいけない。

  ・現在形と進行形
    ・進行形の感覚は「躍動感」
    ・私が今までに持っていた進行形のイメージは逆だった。
     現在形が動作を表し、進行形が状態を表すというイメージだった。
     だから、状態を表す be 動詞などは、進行形にできないと思っていた。
     実は進行形のほうが、動いているイメージなのである。
    ・例えば、You are selfish と You are being selfish はどちらが
     きつい表現かというと、前者のほうがきつい。
     前者はその人そのものがわがままだというように人格を否定してい
     るのに対して、後者は今わがままなことをしているという、一時的
     なものとして表現しているからである。

  ・仮定法と丁寧表現
    ・仮定法や丁寧表現に would などの過去形が使われているのは、
     過去形の持つ「遠くを見つめる」イメージが、
     仮定法の非現実感や、丁寧表現の一歩引いた感じに合うからだ。

ハートで感じる英文法 第1回  (2005/11/27)
「ハートで感じる英文法」は全12回放送された。
これから、各回ごとのまとめと感想を書いていこうと思う。

第1回は前置詞について

前置詞は1つの語が多くの意味を持つものがある。
そして、それぞれの意味が無関係に見える。
従来の学習法はそれらの意味をすべて丸暗記していた。
この番組では、まずその語の持つ基本イメージがあり、
他のいろいろな意味はそれから派生したものだと説明している。
私も以前から、なぜ1つの前置詞が別々のかけ離れた
複数の意味を持つのか疑問に思っていた。
しかし、今回の放送でそのなぞが解けたような気がした。
学校の学習参考書では、ここまで踏み込んで説明したものは
なかったと思う。

たとえば、onの基本イメージは「上に乗っている」である。
そこから派生して「上に乗っている」ものは「接触」している
ことから、「接触」という意味を持つ。
  There is a calender on the wall.
  カレンダーが壁にかかっている。

「上に乗っている」ものは下にあるものを圧迫しているから、
「圧力」という意味が生まれる。
  He turned towards me.
  He turned on me.
どちらも、「私の方に振り向いた」という意味になるが、
下の方が威圧感がある。意訳すると「にらみつけた」となる感じ。

onに「圧力」という意味があることは知らなかったので勉強になった。

toとforについて
to は目的地に到達しているイメージ。
for はその方向に向かっているだけで、到達しているかどうかはわからない。
  I went to London. はロンドンに到達している。
  I left for London. はロンドンに向かっているが到達してるか分からない。

ハートで感じる英文法 第2回  (2005/11/28)
第2回はTheについて

theの基本イメージは「一つに決まる」だ。
theの用法にはいろいろなものがあるように思える。
  ・先の文脈に現れた人、物
  ・その場にあるもの
  ・唯一のもの(the sun, the worldなど)
  ・first,last,onyの前

それらは「1つに決まる」のにさまざまなケースがあるからだ。
  前の文脈に現れたから「1つに決まる」ケース、
  その場にはそれが1つしかないから「1つに決まる」ケース
  もともと1つしかないから「1つに決まる」ケースなどである。

その場にあっても、同じものが複数ある場合は、
一つに決まらないから、theを付けられないケースもある。
その部屋に窓が複数ある場合、Please open the windowとは言えない。
ただ、Please open the windowsと複数形になっている場合は、
全ての窓を開けて下さいという意味になる。
この場合、グループとして一つというくくりになる。

onlyの前でtheが付くのは、必然的にonlyによって一つに決まるからだ。
でも次の場合はtheを使わない。
  She is an only child.
  彼女は一人っ子だ。
彼女は世の中に多くいる一人っ子のうちのひとりだから。

「1つに決まる」というイメージは
「他にはない」という意味を派生する。
  Love is a reason to get married
  愛は結婚する理由の1つだ。
  Love is the reason to get married
  愛は結婚する唯一の理由だ。
愛の他には理由は無いということだ。

私は、このようなtheの使い方を初めて知った。

ハートで感じる英文法 第3回  (2005/11/29)
第3回はthatについて

thatには次のような意味がある。
  ・指示詞(あれ、あの)
  ・文節を導く接続詞(~すること)
  ・関係代名詞(~する~)
これらは一見、無関係に見える。

thatの基本イメージは「指し示す」
このことから、指示詞の「あれ」「あの」という意味になる。

「指し示す」から派生して「導く」という意味が生じる。
これが、接続詞、関係代名詞の意味になる。
  I think that Shakespeare was not a real person.
thatは後続の文節を丁寧に導いている。
その雰囲気を訳すと、
  私は思うんです、何をかと言うと、
  シェークスピアは実在の人ではなかったということ。
この「何をかと言うと」がthatの丁寧に導いている感じを表している。

このthatは省略可能と言われている。
どんな時に省略可能かというと、丁寧に導くような気持になれない時、
例えば、感情的になっている時とか。
  I think (that) he really hates me.
  彼は私が嫌いなのだと思う。

学校で学んだ時は、省略可能というだけで、
どんな時にそうするのかは聞いた覚えが無い。

ハートで感じる英文法 第4回  (2005/12/04)
第4回は現在完了について

現在完了の基本イメージは「迫ってくる」
現在に向かって過去の出来事が迫ってくる感覚。
一方、過去形は過去の出来事を遠くに見つめる感覚。

例えば、
We were partners for 5 years. と
We've been partners for 5 years. とでは、
前者はもう遠く過ぎてしまった過去の事実という感じなのに対して、
後者は現在にいたるまで、その事実が迫っている感じだ。
つまり、前者はもうパートナーではないが、後者は今でもパートナーである。

完了形は「完了」と表現されているが、実際はその逆で、
過去に発生した事象が今現在にも影響を与えているという表現だ。
そして、その影響されている現在について述べている。
あくまでも現在の状態を述べているので、
I have seen movie last night のように、
過去の時間を表す、last night は使うことはできない。

学校英語では、現在完了の用法には、
「完了」「経験」「継続」「結果」があると教える。
しかし、なぜこれらに現在完了を用いなければならないのかは教えない。
これらの用法を使うときは、現在完了を使うと、機械的に教わるだけだ。

これらの用法は基本イメージが生み出すケースに過ぎない。
・完了のケース
  It's just stopped raining.
  ちょうど雨がやんだ。
  だから、今は雨が降っていないのだという状態を言いたい。
・経験のケース
  I've had crocodile tails.
  ワニのしっぽを食べたことがある。
  だから、今はなんでも食べられるという状態を言いたい。
・継続のケース
  We have been partners for 5 years.
  私たちは5年間、パートナーだ。
  過去に始まったことが、現在まで続いているということを言いたい。

ハートで感じる英文法 第5回  (2005/12/05)
第5回は進行形について

進行形の基本イメージは「躍動感」

Why are you driving so fast?
なぜそんなにスピードだしてんの?
I always drive fast
いつもスピードだしてるよ。

進行形は今、活動・行為が行われている真っ最中という躍動感。
それに対して、通常の現在形は単に習慣を述べている。

日本語の「~している」につられて、機械的に進行形にしてはいけない。

I have a new car. (私は新車を持っている)
これをI'm havingとしてはいけない。
haveはもともと状態を表すものなので、そのままで「持っている」という
意味を持っている。

He is dying. は「彼は死んでいる」でなく、「彼は死にかけている」
今、生から死に移行中という意味である。
「死んでいる」なら He is dead. と言う。

The car is stopping. は「止まっている」ではなく「止まりかけている」。

一瞬で終わる行為が進行形になった場合は、何度も繰り返し行われている
ことを示す。
He is coughing. 彼はセキをし続けている。

be, have, love などの状態を表す動詞は進行形になりにくい。
またsee, hear などの積極的に行為を行なう感触のない動詞も進行形になりにくい。
I was seeing は使わない。  I was looking at を使う。
I was hearing は使わない。 I was listening to を使う。
ただし、これらの動詞でも、意味上積極的な行為が感じられるときは、
進行形にすることがありえる。
He is loving every minute of it. 彼は一緒にいる時間を楽しんでいる。

私が今までに持っていた進行形のイメージは逆だった。
現在形が動作を表し、進行形が状態を表すというイメージだった。
だから、状態を表す be 動詞などは、進行形にできないと思っていた。
実は進行形のほうが、動いているイメージなのである。

例えば、You are selfish と You are being selfish はどちらが
きつい表現かというと、前者のほうがきつい。
前者はその人そのものがわがままだというように人格を否定してい
るのに対して、後者は今わがままなことをしているという、一時的
なものとして表現しているからである。

ハートで感じる英文法 第6回  (2005/12/06)
第6回は進行形以外の-ingについて

-ingの基本イメージは進行形と同様「躍動感」

-ing形もto不定詞も「~すること」を表す。
この2つの違いは、「躍動感」が有るか無いかの違いがある。

To run  is forbidden here.
Running is forbidden here.
両方とも「ここで走ることは禁じられている」という意味だが、
前者は張り紙に書かれている文書の感じ。
後者は今走っている人がいて、注意している感じ。

enjoyという動詞の目的語には-ing形を用い、to不定詞を用いない。
We enjoyed driving. ドライブを楽しんだ。
これはenjoyという意味に積極的な感覚があるので、
躍動感をもつ-ing形と結びつき安いからである。
ネイティブスピーカーは決して、「enjoyにはto不定詞を用いない」という
規則で覚えているわけではない。

-ing形とto不定詞の使い分けは今回初めって知ったことである。

ハートで感じる英文法 第7回  (2005/12/07)
第7回は未来表現について

will と be going to は未来を表すときに使われると習った。
しかし、英語には、未来形はない。
これらの語句のもつイメージによって、未来が表現されてるに過ぎない。

will の基本イメージは「精神力」
be going to の基本イメージは「流れの中にいる」

will は「予測」「意志」を表すと言われる。
これは、精神力で予測したり、意志決定したりするから。
未来のことはまだ分からないので「予測」したり、
これからしようとすることは「意志」がいる。
だから「予測」や「意志」のwillは未来表現でよく用いられる。
しかし、未来でなくても「予測」や「意志」であれば、
will が用いられる。
  They will be miles away by now.
  今ごろ彼らははるか彼方だろう。

be going to は「意図」「原因」を表すと言われる。
これは、「流れの中にいる」すなわち
「そのことに向かってことがもう起こっている」と言う
ことから来る。
  I'm going to the new store.
  私はその新しい店へ行くつもりだ。

will と be going to の違い。
will は 今、決心したという感覚があり、
be going to は前から決心しており、
今はそれに向かって行動している最中だという感覚である。

I'll hit you.
I'm going to hit you.
この場合、後者の方が今にも殴られるという感じになる。
前者は、「君を殴ろうと思っている」という感じで、
後者は、「君を殴ってやる」という感じ。

今まで、will と be going to の違いがはっきり分からなかったが、
今回ので、はっきり分かったような気がする。

ハートで感じる英文法 第8回  (2005/12/08)
第8回は助動詞について
助動詞は話し手の主観を伝える。

must の基本イメージは「圧力」
may の基本イメージは「どちらでもよい」
can の基本イメージは「隠された力」

must には、「~しなければならない」(義務)「~に違いない」(推定)の
違った意味があるように見えるが、どちらも圧力のイメージから生じる意味である。
まだ、行なってないことに対しての、行なうようにとの圧力が義務となり、
まだ、知らないことに対しての、そう思うようにとの圧力が推定になる。

must と have to の違い
どちらとも「~しなければならない」という意味をもつが、
must は話し手の気持ちを表し、
have to は客観的な必要性から来る。
  You must not apologise.
  あやまってはいけない。
  You do not have to apologise.
  あやまる必要はない。

may には、「~してもよい」(許可)「~かもしれない」(可能性)も
基本イメージの「どちらでもよい」からくる。
まだ、これから行なうこと対して、「どちらでもよい」だと「~してもよい」となり、
まだ、知らないことに対して、「どちらでもよい」だと「~かもしれない」となる。
可能性は50%というところ。

can は「隠された力」から「~できる」(可能性)「~してよい」(許可)の
意味が生じる。またこのことから「~になることがある」(潜在的可能性)の
意味も持つ。
  It can get cold at night here.
  ここは夜は寒くなることがある。
  To smoke can damage your health.
  喫煙は健康を損なうことがある。

can の可能性と may の可能性の違い
  It can get cold at night here.
  It may get cold at night here.
前者はこの土地には寒くするなにかを持っていることを言っているのに対して、
後者はこの土地では寒くなるかどうか分からないという感じをもっている。

ハートで感じる英文法 第9回  (2005/12/09)
第9回は控えめな表現について

would, could, might など助動詞の過去形は、過去のことでなく
現在のことに使われると控えめな表現になる。
それは過去形が持つ「遠くに見つめる」感覚が、
控えめな表現の「距離をとった」感覚に合うからだ。

will は「~だろう」、would は「~かもしれない」
can は「~できる」、could は「~できるかも」
may は「~かもしれない(50%)」、
might は「~かもしれない(30%)」

would you ~?(~していただけますか?)(意志)
could you ~?(~していただけますか?)(能力)
などの丁寧表現も同じく「距離をとった」感覚から来る。

I hope we can have dinner together.
I hoped we could have dinner together.
初めてのデートに誘うときどちらを使うかネイティブ・スピーカーに尋ねた。
直接的だから、前者がいいという人と、
相手が断りやすいので、後者がいいと言う人がいた。
過去形=丁寧と機械的に覚えるのでなく、
過去形の持つ距離感が丁寧さをかもし出している。

助動詞の過去形が控えめや丁寧の表現になる理由は誰からも説明されて
来なかった。今回の内容は最大の「目からうろこ」な出来事だった。

ハートで感じる英文法 第10回  (2005/12/10)
第10回は仮定法について

仮定法は現実ではないことに対して、その裏返しの表現として使われる。
  If I were a bird, I would fly to you.
  もし私が鳥ならば、あなたのところ飛んで行けるのに。
  (現実はあなたのところに行けない。)

仮定法でも過去形が、現在のことを表現している。
これは、前回と同様に過去形の「遠くを見つめる」感覚が、
仮定法の「現実離れ」した感覚と合っているからだ。

If I find a million dollars, I will keep it.
If I found a million dollars, I would keep it.
この文章のどっちがより自然かをネイティブ・スピーカーに尋ねたら、
全員が後者を選んだ。百万ドル拾うのはあり得ないことだからだ。

仮定法は日本語にはない表現方法なので、良くわからなかったが、
今回の説明で掴めたと思う。

ハートで感じる英文法 第11回  (2005/12/11)
第11回は動詞について

look, see, watch の違いについて。
look は「目を向ける」という動作。
see は「目に入ってくる」向こうから入ってくるいう感覚。
watch は「じっと見つめる」集中力・注意力が感じられる。

listen, hear の違いについて。
look と see のような違い。
listen は「耳を傾ける」とうい動作。
hear は「耳に入ってくる」向こうから入ってくるいう感覚。

speak, talk, tell, say の違いについて。
speak は単に「口から言葉を出す」。
talk は「双方向」の会話。
tell は「メッセージ」人に伝えること。
say は「言葉を言う」言葉に焦点がある。

see の多彩な意味は基本イメージから発生する。
会う:「会っている」ときは「目に入っている」
理解する:「目を通して」「頭に受け入れる」
経験する:「自分の中に受け入れる」
確認する:「見て」「確認・判断する」

似た意味の言葉の違い、良くわかった。

ハートで感じる英文法 第12回  (2005/12/12)
第12回は文の形について

so that の文について
  I was so excited that I could not sleep.
  とても興奮して、眠れなかった。
so も very も「すごく」という意味を持つが、
上の文の so を very にすることはできない。
so には、尾をひく感覚があるが、very には、それが無い。
so には、その程度が後で説明されるという感覚がある。
その説明が that 以降に語られる。

there の文について
  There is pen on the desk.
  テーブルにペンがある。
「~がある」と言いたい場合、全てにthere is ~ が使えるわけではない。
there is が使えるのは初めて登場するものだけ。
there is には、初めて話題に引張りこむという感覚がある。
the boy などのように限定する言葉がついたものや、
固有名詞、he などの代名詞には there は使えない。
この場合、there を使わずに、
Mt. Fuji is in Sizuoka. というように言えば良い。

SVOOの文について
この文は共通して、「誰々に何々してあげる」という共通するイメージを持つ。
give : 「誰々に何々をあげる」
buy : 「誰々に何々を買ってあげる」
tell : 「誰々に何々を教えてあげる」
show : 「誰々に何々を見せてあげる」
make : 「誰々に何々を作ってあげる」

機械的に日本語訳にしていては、感じとることができない感覚がある。
so that や there is の文の形にはそのようなものがあることが
初めてわかった。

ハートで感じる英文法 冬休みSP 第1回  (2005/12/27)
英語に丸暗記はいらない・イメージだ。

追録の中のマクベイさんと大西さんの話で、
フランス語やスペイン語を話す人でも、
英語の前置詞を教えるのに苦労すると言っていた。
フランス語やスペイン語などのヨーロッパ語は前置詞のある言語なので、
ほとんど共通なのかと思っていたが、前置詞の意味範囲は各言語で、
かなり、違うようだ。これは驚きだった。
私はフランス語もスペイン語も知らないから、これはよくわからない。
私の知っているエスペラントでは、前置詞の意味範囲は、英語と似ている
部分が多いので、意外だった。

追録では、aboutについて、説明していた。
aboutの基本イメージは「周りにある」である。
数値に使うと、その周りにあるということから「約~」という意味になる。
また○○の周辺知識ということから、「○○について」という意味になる。

ハートで感じる英文法 冬休みSP 第2回  (2005/12/27)
目からウロコ・感覚で英文法がわかる。

追録部分で、マクベイさんが、「わしゃわしゃ」と大西さんをからかっていた。
大西さんは40才過ぎて「わしゃわしゃ」言うのは恥ずかしいと言っていたが、
誰がさせていたのか。
-ing形の躍動感を「わしゃわしゃ」という表現されても、
私は「わしゃわしゃ」を普段使っていないので、ぴんと来ない。
「わしゃわしゃ」って方言?

追録、今日の前置詞は、at と inについて。
at は場所の狭い範囲、in は場所の広い範囲を表すと、従来教わってきた。
しかし、「目じりにゴミがついてる」という場合、in corner of your eye と言うし、
「渋谷で乗り換える」というときは、at Shibuya と言う。
目じりより、渋谷の方が場所的に広い。
ネイティブ・スピーカーのイメージは、in は「中に包まれている」感じで、
at は「点」である。
地図上で見ると乗り換え場所の渋谷は「点」のイメージだから、at を使う。
目じりの中にゴミが入っているから「中に包まれている」イメージの in を使う。

イメージを大事にしないとね。

ハートで感じる英文法 冬休みSP 第3回  (2005/12/28)
和訳を超えろ・英語はイメージでつかめ。

イメージを持ち安くするために、大西さんは生徒にゼスチャーをさせている。
will の「精神力」は、おなかに力を入れて「うっ」。
must の「圧力」は、圧力を感じて、ぐっと前に押し出される。
can の「秘めた力」は、物の能力を見通す目つき。
may の「分からない」は、左手出して、「こうなのか」、右手出して、「こうなのか」そして「分からない」
体で覚える英文法だ。

マクベイさんが「あいこちゃんは、君の教え方に感動していたね」と言っていた。
たしかに、まるで、深夜のテレビ通販の番組みたいだが、
テレビ通販の感動はわざとらしさが見え見えなのに対して、
あいこちゃんは素直に感動しているのが良い。
生徒の2人のコメントもこの番組の面白いところである。

追録の今日の前置詞は between と among 。
between は2つの間、among は3つ以上の間と憶えている人が多いはず。
実は私もその一人。
betweenは3つ以上の場合でも使えるときがある。
その一つ一つが明確に区別できる場合である。
一方、among はそれぞれが明確に区別できない(しなくてよい)ときに使う。

ハートで感じる英文法 冬休みSP 第4回  (2005/12/29)
英語の見方が変わる!体感する英語教室。

仮定法は文法の中でも、特に難しい事項として扱われるが、
実際には、日常よく使われる表現。子供も使っている。

追録の今日の前置詞は by。
by の基本イメージは「近く」。
by the way は「ところで」と訳され、話の流れを変えるときに使うが、
この by も近くという意味。
話の流れ(the way)から少しはずれたところに話を持っていくことから。

ハートで感じる英文法 会話編 第1回  (2006/01/06)
to 不定詞について

前回のシリーズのキーワードは「基本イメージ」だったが、
今回のシリーズのキーワードは「呼吸」だ。

to 不定詞の呼吸は「足りない」「埋める」だ。

a) He must be brave to be a fire fighter.
  彼が消防士だとは、勇気があるに違いがない。
b) He trained hard to be a fire fighter.
  彼が消防士になるために、激しく訓練した。
c) He is proud to be a fire fighter.
  彼が消防士であることに誇りを感じている。
d) He grew up to be a fire fighter.
  彼は成長して、消防士になった。

上の4つの文は、一見、to 不定詞に別々の意味があるように思える。
従来の文法書でも a は判断の根拠 b は目的 c は感情の原因
d は結果を示すと教えている。
しかし、to 不定詞は、これだけの意味を持っているのではなく、
ただ足りないところを埋めているだけ。

a では、「彼が勇気があるに違いがない」だけでは、
「なぜ勇気があるのか」という足りない感じがある。
それを to 不定詞が「消防士だから」と埋めているだけ。
b では、「何のためにトレーニングしてるのか」という
足りない気持から「消防士になるために」、
c では、「どういうことで誇りに思っているのか」という
足りない気持から「消防士なので」、
d では、「成長してどうなったのか」という
足りない気持から「消防士になった」になる。

多くの用法を覚えるということはもう不用。
ただ、なにが足りないかを感じることが大切。
それによって、それぞれの文でのto 不定詞が埋めている意味が
おのずとわかってくる。

会話はスピードが大切、いちいち用法を思い出しているひまは無い。
「呼吸」で文法を理解しないと追いつかない。

実は今回の話は、私もうすうす感付いていた。
to 不定詞は「~なので」とか、分詞構文は「~しながら」とか
説明されているが、使っている現地の人はそんなこと意識せずに
ただ、2つの状況をならべているだけなのではないかと。
私が感じていて上手く説明できずにいたことを
はっきり言葉にしてもらえて嬉しかった。

たとえば、日本語でも、「走って逃げた」「映画を見て泣いた」というとき、
この言葉を使っている側はただ状況を並べているだけだ。
しかし、意識してみると、「走って」は「逃げた」の手段を表しているし、
「見て」は「泣いた」の原因を表している。
だからといって、この「て」には「手段」の用法や「原因」の用法があると、
意識して使っているわけではない。

英語のネイティブ・スピーカーも不定詞やthat節、分詞構文には、
用法を意識せず、ただ状況を並べて使っているだけなのだ。

ハートで感じる英文法 会話編 第2回  (2006/01/13)
if について

if の基本イメージは「二択」

if は「もし~なら」という意味と「~かどうか」という意味を持つが、
これはどちらも「二択」の感覚から来る。
このイメージを覚えていれば、わざわざ2つの意味を覚えなくて良い。

if の会話上における呼吸は「交渉」。

交渉で if が用いられる例。

If you can't give me a better price, I'll look elsewhere.
もしまけられないなら、他の店へ行こうかな。

will を用いるのは交渉の標準形。

現在形を使うと圧力が強くなる。

If you can't give me a better price, I look elsewhere.

ネイティブ・スピーカーによると、あまり使わない形で、
怒っている感じがする、きつい形とのこと。

主観を交えると圧力が弱まる。

If you can't give me a better price, I'm afraid I'll have to look elsewhere.

今回の感想をいうと文法というよりは、会話のテクニックという感じだった。
大西さん「みっちゃんじゃなくて、ミッション」これ前回も聞いた。

ハートで感じる英文法 会話編 第3回  (2006/01/20)
知覚構文について
(いわゆるSVOCの文)

知覚構文の呼吸はピポット(PIVOT)。

ピボットとは、バスケット・ボールのテクニックで、
片足を軸にして、半回転するというもの。

I saw him chatting up that waitress.
彼があのウエイトレスをナンパしているのを見た。

ピボットをイメージすると、
まず、saw と him の上に足を置き、「彼を見た。」
次に、him の足を軸に回転して、もう一方の足をchatting に置き、
him と chatting で、「彼はナンパしている。」となる。
このように2つのかたまりがある。
この2かたまりが1つの文になっているのがピポット文だ。
知覚構文はピポット文の一種である。

I smell something burning.
なにかが燃えているにおいがする。

I felt something crawling up my leg.
なにかが私の足を登ってくるのを感じた。

I heard her singing a beautiful song.
彼女が美しい歌を歌っているのを聞いた。

ピポット文は五感動詞以外にも使える。

I found two students cheating.
二人の生徒がカンニングをしているのを見つけた。

また、目的語の後が不定詞や現在分詞でなくても使える。

I saw Tom angry.
トムが怒っているのを見た。

I saw Tom at school.
トムが学校にいるのを見た。

I painted the wall red.
壁を赤く塗った。

つまり、知覚構文というのは、ピポット文の中で、
動詞が五感を表すもので、目的語の後がTOの無い不定詞を
とるものをいうだけで、特に区別して覚える必要のないもの。
知覚構文という言葉は忘れてくださいとのこと。

今回はまた「体で覚える英文法」だった。
ピボットの身動きを意識して、ピボット文を使う。
体の動きとともに覚えると忘れにくいだろう。
それにしても、大西さんは、なぜ「みっちゃん」にこだわるのか。

ハートで感じる英文法 会話編 第4回  (2006/01/27)
「倒置」について

「倒置」の呼吸は「感情の高まり」

疑問文も倒置の文の一種。
Can you speak English?

倒置の文とは be 動詞や助動詞を文の前に持って来る形。
Am  I glad to see you!
会えてよかった~!

感情が高ぶったときに使うので、次の文では不自然になる。
Am I going to brush my teeth!
歯をみがくぞ~!

否定の語を強調するために先頭に持っていったときも倒置が起こる。
これは、そういう規則があるのでなく、
否定を強調したいという感情の高まりから起こること。

Never have I been so humiliated in my life!
こんな恥ずかしい経験は生まれて初めて!

So do I ! (私もー!)も倒置の文

疑問文で倒置が起こるのは、人に尋ねる気持ちが
一種の感情の高まりであるからだという。

この倒置は決して特殊な形ではなく、日常の会話でよく使われるらしい。

今回の感想。
倒置は学校の文法の時間ではあまり習った覚えが無い。
もともと学校教育の英語は英米の文献を読み解くことを重要視してきた。
それは、日本の文明を発展させるには、欧米の文明から技術を取り入れる
必要があったからだ。
だから、日常会話で用いられても、技術文献に用いられない表現については、
教えないということである。

今回も「みっちゃん」登場。
大西さんは「みっちゃん」を毎週やるらしい。

ハートで感じる英文法 会話編 第5回  (2006/02/03)
否定(not)について

notの呼吸は「後ろを打ち消す」。

You didn't touch it deliberately.
これは、not 以降のtouch it deliberatelyを打ち消しているので、
「意識して触った」ということではないということで、
「わざと触ったわけではない」となる。
つまり、わざとではないけど、触ったことになる。

I deleberately didn't touch it.
これは、not 以降のtouch it を打ち消しているので、
「触らない」ということを意識したということで、
「意識してさわらなかった」となる。
つまり、触っていない。

It's always not right.
これは「正しくない」ことが「いつも」なので、
「いつも正しくない」

It's not always right.
これは「いつも正しい」ということが「ない」ので、
「いつも正しいとは限らない」

強調する語の前に not を置くと「~とは限らない」という意味になる。
こう言うのを学校英文法では、「部分否定」と習った。

not always いつも~とは限らない。
not all すべてが~とは限らない。
not necessarily 必ずしも~とは限らない。
など。

しかし、not は「後ろを打ち消す」ということさえ覚えておけば、
「部分否定」という言葉は知らなくて良い。

I really don't like your new girl friend.
I don't really like your new girl friend.

上は「あなたの新しいガールフレンドを本当に好きでない」という意味になり、
かなり、強烈な言い方である。
下は「あなたの新しいガールフレンドを本当に好きというほどではない」
という意味になり、マイルドな言い方になる。
I don't like your new girl friend. というより、
don't の後ろに really をいれた方が柔らかくなる。

強い意味の語の前に not を付けるとマイルドな表現になる。
大西さんは、これを「おとな英語」と読んでいた。
つまり、相手を思いやるマイルドな言い方である。

ハートで感じる英文法 会話編 第6回  (2006/02/10)
時制の一致について

時制の一致は「報告する」とき起こる。
動詞+that~  の文の形がそのパターン。
これは英語特有の癖なのだそうだ。
日本語では起こらない。
エスペラントでも起こらない。
(自分は日本語と英語とエスペラントしか知らないが・・・)

時制の一致の呼吸は「報告が過去なら、内容も過去」

He said that he was single.
彼は独身だと言った。

時制の一致をわざとさせない例もある。

My Dad said he was going to lend me money.
My Dad said he is  going to lend me money.
父さんがお金を貸してくれると言った。

上の方が普通の文。単なる報告。
下の方は時制の一致をさせない特別な形。
「貸してくれる」ということを強調した言い方。
急に貸してくれることになったとか、興奮が伝わる文。
つまり、現在の事実として話題の前面に押し出している。
これは遠近法の違い。上の方は遠くに見ている。

一般的な真理や事実は時制の一致をしないと学校でならったが、
この違いも上記のような遠近法の感覚による。

The book said malaria came  from mosquitoes.
The book said malaria comes from mosquitoes.
その本には、マラリアは蚊が媒介すると書いてあった。

「マラリアは蚊が媒介する」は一般的な事実だが、
上の方もよく用いられる。
下の方は、「マラリアは蚊が媒介する」というのをその本で
初めて知って、その内容を伝えたいというようなとき。
つまり、一般的な真理をいいたいときは、
その内容を強調したいので、
自然と時制の一致をしない表現がよく用いられるのである。

一般的な真理であろうがなかろうが、話し手の遠近の感性が、
文の時制に反映されるということ。

今回の感想)
文法は表現を制限するものでなく、表現の幅を広げるもので
なくてはならない。
学校英文法は、あれはできない、こうするときはこうしないと
いけない、というような、交通ルールを教えるようなやり方をする。
一方、大西さんの教え方は、この形はこういう気持ちを表現でき
るとか、こう言うことをいいたいときは、こう言えば良いという
表現の方法を教える方法である。
こうで無くてはいけない。

今回は過去の時点で過去の報告をする場合については触れられなかった。
過去完了を使う例である。これを大西さんがどう説明するのか、
見たかったのだが。

ハートで感じる英文法 会話編 第7回  (2006/02/17)
ときの感覚について

ときの感覚の呼吸は「つもりでいい」

You'll be glad you bought it.
買ってよかったと思うよ。

今から買うので、買うのは未来なのに、なぜ過去形を使うのか。
これは、買った後のときに気持が飛んでいるので、
その時点では買ったのは過去になるから。
未来の時点が今のようなつもりになっている。

学校で習う文法規則では、
「時や条件を表す副詞節では、未来の内容を willや be going to
ではなく現在形を使う」というのがある。

If I'll free, I'll drop by and see you later.
時間があったら、君のところに立ち寄るよ。

Call me as soon as you get the new.
そのニュースを聞いたらすぐ教えてね。

これも、その時にいる感覚になっているから、現在形になる。
こんな面倒な文法規則を覚えなくてよい。

だから、will や be going to を使いたい状況になれば、
使っても良い。

If you will drink so much,
of cource you'll have health problems.
そんなに飲もうとするのなら、
もちろん、健康に害があるだろう。

飲みたいという意志が強調されている。

話に臨場感を持たせるために、過去のことでも、現在形を用いる
ことがある。その場にいるつもりになっているから。

I was shopping when this guy comes up to me,
grabs my bag and runs off!
買物をしてたんだけど、男が近づいてきて、
かばんをひったくって逃げていったの!

今回の感想)
「目玉おやじ」のような「ときおやじ」を使った説明。
今回の目玉アイテムだ。
最近、大西さんは「みっちゃん」を語らなくなった。
さびしいかぎりである。

ハートで感じる英文法 会話編 第8回  (2006/02/24)
some と any について

学校では、some も any も「いくつか」「何か」という意味で、
some は肯定文で使われ、any は疑問文や否定文で使われると
学んできた。

しかし、次の文では、some と any で全く意味が違っている。
I don't like some of your friends.
あなたの友達の何人かは好きじゃない。
I don't like any  of your friends.
あなたの友達の誰も好きじゃない。



some の基本イメージは「ぼやーっとある」。
somwone だれか、something なにか、somewhere どこか。

some の呼吸の1つ目は「相手にすすめる」

Would you like some cake?
ケーキはいかが?

この some まだ特定のものは無いが、何かしらの用意ができる
ことをあらわす。

some の呼吸の2つ目は「言いたくない・ぼかしたい」

Some guy gave me the ring.
だれかが指輪をくれたのよ。

誰がくれたのか分かっているが、これを聞いてる人が、とても
おしゃべりなので、誰かを教えたくないようなとき。

some の呼吸の3つ目は「興味が無い」

She's working for some company down in Nagoya
彼女は名古屋のどこかの会社で働いてるよ。

どこの会社で働いているか決まってはいるが、
興味がないので知らない場合。



any の基本イメージは「選択の自由」。
anyone 誰でも、anything 何でも、anywhere どこでも。

some の呼吸は選択の可能性を「ひらく」。

Do you have any vegetables?
なにか野菜持ってる?

どんな野菜でもいいから持ってるかということ。

I don't have any money.
お金が全くない。

どんな量のお金もないということ。



車で通りかかると、雨の中で年配の女性が立ち尽くしている。
そのとき、下の2つの文のどちらを使うのがよいだろうか。

Do you want some help?
Do you want any help?
お助けしましょうか?

上の文の方が良いとのこと。
上の文は、何を助けてよいのが分かってて、助ける用意がある
ようなときに使われる。
下の文は、何を手伝えばよいのか分からないというニュアンス
があるので、あまり助ける気がないような感じが出てくる。



今回の感想)
some は不特定、any は非限定と憶えていたが、
特定しないのと限定しないのって結局どう違うのって
思ったりする。
この2つは文によって非常に意味に差がでたり、
でなかったりして面白い単語でもある。
上記の「お助けしましょうか」のニュアンスの違いは、
言われて初めて気がついた。

ハートで感じる英文法 会話編 第9回  (2006/03/03)
可算・不可算について

可算・不可算の呼吸。
「クッキリ」を感じたなら名詞を可算で使い、
「クッキリ」を感じないなら不可算で使う。

car, person, pets は可算
money, happiness, love は不可算

お金はクッキリした形があるのに、不可算なのは、
「あの人はたくさんお金を持っている」というときの
「お金」はクッキリがイメージできないから。
目の前にある一つ一つのコインや紙幣について、
言っているのなら、可算になる。

タイヤは普通は可算だが、タイヤ工場が火災になって、
タイヤがどろどろに溶けている場合はどうなのか。

There were tires(可算)/ There was tire(不可算)
flowing along the ground like molten lava.
タイヤが溶岩のよう地面を流れていた。

ネイティブ・スピーカーは不可算の tire の方を選ぶ。

There were too many apples in the salad.(可算)
There was too much apple in the salad.(不可算)
このサラダにリンゴが多すぎる。

前の文だとリンゴが丸ごとたくさん入っている感じ。
後の文だとすりおろしたり、スライスして入っている感じ。

目に見えないものでも、クッキリを感じたなら可算になる。

I'm not making noise.(不可算)
騒がしくしてないよ。
I'm practicing noises.(可算)
音を鳴らす練習をしてる。

前の文は単なる雑多な音のイメージ。
後の文は個々の鳴らしているクッキリした音を意識している。

We need to take action.(不可算)
私達は行動を起こすべきだ。
He proved his love through his actions.(可算)
彼は自分の行動を通して愛を証明した。

後の文は具体的な個々の行動を意識している。

I saw a car.(可算)
車を見た。
I went there by car.(不可算)
車でそこに行った。

by car は手段を言っているのであって、具体的などの車という
ものは意識していないので、不可算になる。

今回の感想)
今回の説明で、同じ単語でも場面によって、可算になったり、
不可算になったりすることが良く理解できた。
可算、不可算は日本語にはない文法事項だ。
だから、つい、冠詞 a を付け忘れたり、複数形にし忘れたりする。
以前ある本で読んだ話だが、著者の女性が、
アメリカの子供と会話をすると、彼らはよく彼女の話に出てくる
物について、その数や、だれの物かを聞いてきたそうだ。
つまり、彼らは、会話の中に数えられるはずの名詞が
a も -s も my も the も付けずに、裸で出てくると、
とても不安になるらしい。
長年、英語翻訳をやっている人がつい失敗するくらいだから、
私なんかは、まだまだだなと思った。

ハートで感じる英文法 会話編 第10回  (2006/03/10)
疑問詞・関係詞について

疑問詞・関係詞はwh語と言われる。
who, what, which, whose, when, where, why, how

同じ単語が疑問詞にも関係詞にも使われるのはなぜか。

wh 語の呼吸は、ギャップ(情報の穴)を感じること。

Who do you love △ ?
あなたは誰が好きなの。
Who △ loves you?
誰があなたを好きなの。

ギャップ(△の部分)を感じると、そこが聞かれているとわかる。
wh語はギャップの中に入る語の種類を指定しているだけ。
疑問文の本質はギャップがあること。

This is the man who Nancy loves him.

この文をネイティブ・スピーカーに見せると、
him がよけいだと感じる。

This is the man who Nancy loves △.
ナンシーが愛している男の人です。
This is the girl who △ loves John.
ジョンを愛している女の子です。

wh語があるとそのあとの文にはギャップあることがわかる。
そのギャップをうめるのがwh語の前にある語である。

関係詞も疑問詞と同じく、本質はギャップがあること。
だからwh語がない次の文も成り立つ。

This is the man Nancy loves.

wh語はギャップの中に入る語の種類を指定しているだけ。
だから、疑問詞も関係詞も同じ単語が使われる。

今日の感想)

大西さんの今日のアイテムはカラオケ・マイク。
これで、Eの抜けたABCの歌を熱唱。
毎回どんなアイテムが出るかたのしみ。

ギャップを瞬時に感じるのは、簡単な文ではいいが、
従属文を含むような文ではなかなかすぐにはわからない。

This is the ring which everyone said Rich stole.
これはリッチが盗んだと皆が言った指輪だ。

書かれたもので見ると探しやすいが、
音だけだと、どうしてもしばらく考えてしまう。
訓練が必要だ。

疑問の言葉が、疑問以外で使われるのは、日本語でもあること。
例えば、「誰も知らない」「誰かがしました」など。
「知っている人」や、「した人」が特定できないので、
その情報の穴を埋めるため「誰」という言葉が使われている。

ハートで感じる英文法 会話編 第11回  (2006/03/17)
使役構文について

使役構文は、次のものだと習ってきた。
  make 目的語 動詞の原形
  have 目的語 動詞の原形
  XXに~させる。

使役構文なんて覚えなくても、それぞれの動詞のイメージが
分かっていれば、この文を自然に出すことができる。



使役構文の呼吸は、ピポット(PIVOT)。
(会話編 第3回 知覚構文 参照)

I painted the wall red.
壁を赤くする。

I make you happy.
君を幸せにする。

これらは第3回で学んだピポットの文。



make の基本イメージは「力を加えてコネコネ」。

上記では「幸せにする」と訳したが、
make に「する」という意味があるわけでなく、
幸せな状態を作り出すということから上記の意味になる。

Mark makes friends with anyone.
マークは誰とでも友達になる。
(友達関係を作り出す)

What do you make of him.
あなたは彼のことをどう思う。
(彼からどのような意見を作り出すか)

I made them clean the toilets.
彼らにトイレを掃除させた。
(彼がトイレを掃除するという状況を作り出した。)

このように、ピボット文と全く同じ仕組みで
使役構文が作れる。



have の基本イメージは「自分のところにある」
「持っている」という積極的な動作ではない。
単なる位置関係を表している。

Let's have lunch together tomorrow
明日一緒に昼食を取りましょう。

eat と比べると、動きを感じない、止まったイメージ。

I'll have my secretary fax it to you.
秘書にファックスで送らせるよ。

ファックスをするのは秘書の仕事なので、
make のような力を加えるイメージではないので、
have が使われる。



お客さんを迎えに行く場合、
ネイティブ・スピーカーはどちらを選ぶか。

I'll make my driver pick you up.
I'll have my driver pick you up.
運転手を迎えにいかせます。

前の文は強引な感じ。
運転手の当たり前の仕事なので、
後の文がふさわしい。



今回の感想)
今回のアイテムは、make の説明で粘土をコネコネ。
なんかすごい顔ができあがった。

make と have の違いがよく分った。
make は物だけでなく、状況を作り出す場合にも使え、
幅広い用途を持っている。それが使役の文になっている。

ハートで感じる英文法 会話編 第12回  (2006/03/24)
up と down について

up と down を使った熟語が多くあるが、
それぞれを丸暗記していたはず。

up と down の呼吸は上と下。
あたりまえのことだけど、このことを把握するだけで、
熟語を丸暗記しなくて済む。

I'll make up for my mistake.
  失敗の埋め合わせをする。
  (穴を埋めて上に持ち上げるイメージ)

I'm fed up with this terrible weather.
  こんな天気うんざりだ。
  (fedはエサをやるの過去分詞。エサを与えられすぎて、
  のどまで上がってきてうんざりというイメージ)

The band showed up 2 hours late.
  そのバンドは2時間おくれて現れた。
  (下からむくむくと現れたイメージ)

The oral test is where most students fall down.
  口頭試験はほとんどの生徒が失敗するところだ。
  (ころんで下に倒れるイメージ)

It's time to get down to work.
  本気で仕事を始める時間だ。
  (下を向いて仕事に集中するイメージ)

物理的な上下のイメージから発展して、
良い・悪いという意味を持つ。

  make up 化粧する
  (化粧すると容姿が良くなる。)

  look up to 尊敬する
  (優れた人だから見上げる。)

  look down on 軽蔑する
  (劣った人だから見下す。)

さらに、精神の高揚・沈滞という意味にもなる。

  cheer up 励ます

  feel down 落ち込む

また、意識の無い状態・ある状態。

  wake up 目覚める

up で無くても、上を示す語は精神の高揚を表す。
次の3つの文は同じ意味

  When I heard the news
  I was over the moon.
     on cloud nine.
     on top of the world.
  そのニュースを聞いてすごく嬉しかった。

このように、up down という「単語」ではなく、
上・下という「方向」に豊富な意味が結びつく。

英語は感性で動いている。英語の感性は私たちの中にある。
それを出すだけで、充分な英語を話すことができる。

今日の感想)
up down が持つ、「上・下」という基本イメージから派生する、
比ゆ的なイメージの広がりを感じることが英語を理解する方法だな。
毎回、楽しみにしていたこの番組も今回で最終回だった。
最終回は、クリスさんとジャスミンちゃんの関係もハッピーエンド。
なんかの形でまた再開されるといいな。


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