「否定の否定」法則
これは物事の発展がA→B、B→A’という形式になっているという法則です。
Aが否定されBになり、Bが否定されA’になることからこの名前が付いてます。
たとえば、花はやがて枯れて種が残り、その種が成長してまた花を咲かせます。
(花→種、種→花)=(A→B、B→A’)
花がまた花になるのなら、一旦、種になるのはどういう意味があるのでしょうか。
種になる前の花と、種からでた花は同じように見えて、違っているところがあります。
数が増えています。
物事の発展過程が、このように、進むべき方向に対して、一時期、逆に進む形をとる
のです。
次のようなことの説明に用いられます。
・金銭→商品、商品→金銭
資本家が自分の持っている金銭を増やすには、そのままではだめなので、
金銭を何らかの方法(製造、仕入れ)で、商品に変え、その商品を売って
金銭に変えることによって、金銭を増やします。
金銭を増やすために、投資という行為によって、一時期、減ってしまいます。
・非階級社会→階級社会、階級社会→非階級社会
人間の社会は元々、階級の無い社会でした。(原始共産制社会)
それが、生産効率が高まる過程において、余剰生産物が生じるために、
一時的に、階級社会ができまし。(封建制社会、資本主義社会)
しかし、生産効率が完全に高まった状態では、再び階級の無い社会に
なります。(高度な共産制社会)
参照:でんし共産制社会
・弁証法的否定
・古いものは否定されると同時に保存されます。
例)・ニュートン力学はアインシュタイン相対論によって否定されたが、
速度の遅いときにはニュートン力学は成り立つ。
・ユークリッド幾何学はリーマン幾何学によって否定されたが、
空間曲率がゼロのときにはユークリッド幾何学は成り立つ。
・否定は発展の契機であり、かつ条件でもあります。
・第1の否定(量から質への転換 −> 対立物の発生)
あるもの(事物や観念)が最初は自分自身に即してありますが
(即自、正、テーゼ)、やがてそれが必然的に自分自身にとって他者となり、
自分自身に対してあるようになります(対自、反、アンチテーゼ)。
例)生産力が上がると(量の変化)利益を多く生むようになります。
しかし、あまった利益を貯蓄しようとすると、経済が停滞します。
資本主義の元ではあまった利益は常に投資しなくてはなりません。
(貯蓄と投資の対立)
・第2の否定(対立物の統一)
しかし、このものは他者となりながらも依然として自分自身ですから、
いったん自分がそうなった他者というあり方を、新たな形を生み出して
(止揚、アウフヘーベン)、再び自分自身のもとにもどります
(即且対自、合、ジンテーゼ)。
例)金融によって、貯蓄が投資に変換されます。
(貯蓄と投資の統一)
弁証法
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