天界の秘義2832

 

「かれの角より」。これは、信仰の諸真理については力をつくして、を意味していることは『角』の意義から明白である。『角』は聖言の多くの所に記されていて、そこでは善から発した真理の力を意味しており、その対立した意義では悪から発した誤謬の力を意味しており、ここではその意義は『雄羊』により意味されている霊的な者たちは真理についてはその力をつくして自然的な記憶知の中にからまれ、もつれており、そこからかれらは真理を認識する力を奪われているということである。なぜならたれでも信仰の諸真理である事柄について、自然的な記憶知の批判を求めて、その精神と心とがその中に固く密着すればする程、益々その者は真理の光を失い、光とともに、真理の生命を失ってしまうからである。

 

 

天界の秘義2832[5]

 

 エレミア記には―

 

 主は激しい怒りをもってイスラエルの角をことごとく絶ち切られた、かれは、その右手を引きもどされた(哀歌2・3)。

 

『イスラエルの角をことごとく断ち切る』ことは、力を持っている真理を剥奪することを意味し、それがまた『敵の前から右手を引きもどす』ことである。エゼキエル書には―

 

 かの日わたしは角をイスラエルの家のために生えさせ、彼らの真中にあって、あなたの口を開かせよう(エゼキエル29・21)。

 

『角をイスラエルの家のために生えさせる』ことは『イスラエル』である霊的教会の真理を増し加えることを意味し、『口を開くこと』はその真理を告白することを意味している。