月の霊たち

 

天界の秘義9232

 

 或る霊たちが頭上に現れ、そこから雷のような声が聞こえた。なぜなら彼らの声は丁度電光がきらめいた後で雲間から聞こえてくる雷のような大きな轟音を立てたからである。私はそれがこうした音でその声を立てることを学んだ非常におびただしい霊であると考えた。私と共にいた単純な霊たちが彼らを笑ったため、私は非常に驚いた。彼らが彼らを笑った理由は間もなく明らかになったが、それは雷の音を立てた霊たちは多数の者ではなくて、少数の者であり、また子供のように小人であり、更に前にもこうした音で恐れさせはしたものの、何ら危害を加えることが出来ないということであった。

 

 

天界の秘義9232

 

 私が彼らの性格を知るようにと、若干の者がその雷の音を立てている高い所から下へ送られてきたが、奇妙なことには、一人が他の一人をその背に負ってきて、その二人がそうした格好で私に近づいてきたのである。彼らの顔は美しくなくはないように見えたが、しかし他の霊たちの顔よりは長かった。彼らの背丈は七才の少年くらいであったが、身体はもっと頑丈であった。彼らは小人であった。彼らは月から来ていると天使たちから告げられた。

 

 

天界の秘義9234

 

 他の者に負われてきた者は、下へ下ろされるとすぐに私のもとへ来て、私の肘の下の左側に身を向けた。その位置から彼は口を開いて、自分たちは声を立てるときは、そのように雷の音を立てて、それにより自分たちに害を加えようとする霊どもを恐れさせ、その中には逃げ出す者もおり、こうして自分らは好きな所へ安全に行くことが出来る、と言った。彼らがそうした音を立てることを私に確実に知らせようとして、彼は私の許を去って、他の幾人かの者のもとへ行ったが、しかしすっかり見えなくなるほど遠くへは行かないで、そこから同じような雷の音を立ててみせたのである。さらに彼らは、その声をげっぷのように下腹から出して、こうした大きな雷のような音を立てる方法も私に示した。

 

天界の秘義9235

 こうしたことは以下の事実から起っていることが認められた。すなわち、月に住んでいる者たちは他の地球に住んでいる者たちのように肺臓から語りはしないで、下腹から語っており、それでそこにためられている空気から語っているが、それは月は他の地球の大気のような大気には囲まれていないという理由によっているのである。

 

 

真の基督教188(4)

主は天界の中の、また天界の驚嘆すべき事物を見る事を私に許し給うた故、私の見たものを告げることは、私に負わされた義務である。