天界に向かって開かれる

 

 

天界の秘義10227

 

 主に凡てを帰している者たちは他の者よりも賢明であるが、それは知恵を構成している真理と善との凡ゆるものは天界から、すなわち、天界の主から流入しているためである。主に凡ゆるものを帰することにより人間の内部は天界に向かって開かれるのである、なぜなら真理と善とは一つとして人間自身からは発していないことがそのことにより承認され、このことが承認されるに比例して、自己への愛が去り、自己への愛とともに誤謬と悪から発した暗闇も去ってしまうからである。またそれに比例してその人間は無垢へ、主に対する愛と信仰へ入り、そこから神的なものとの連結が生まれ、神的なものとの連結から流入と照示[明るくされること]とが生まれてくるのである。この凡てから或る者は賢明になり、また或る者はそれほど賢明でなくなることが何処から生まれてくるかが明白であり、また富んだ者はさらに多く捧げてはならないし、貧しい者もさらに少なく捧げてはならない理由も明白である―すなわち、凡ての者は同じく賢明になる能力を持っているのであり、実に賢明になる等しい能力を持っているのではないが、何れも賢明になることが出来るため、賢明になる能力を持っていることにおいては似ているのである。