短気

 

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P156

 

接吻は子に対する母の愛の外的しるしだが、子が伝染病にかかれば母は接吻を控えるだろう。それでも、苦しむわが子に対する母の愛は、少なくなるどころかますます燃え上がる。子は、母の愛と気遣いをいつも以上に必要としているからだ。同じように、神は、罪という伝染病にかかった人々を見捨てているようにみえても、彼らに向けられる神の愛は、子に対する母の愛よりも限りがない。神の忍耐もまた限りがない。人はちっぽけなヤカンのように、ごくささいなことにもすぐに湯気を立てるが、神はそうではない。神がそんなに短気だったら、この世はとっくの昔に灰と化していただろう。