相応の持つ力
1.相応の持つ力
2.相応により認める
3.人間は相応を知るとき、彼はその心の思考の方面で天使たちと交わることが出来、かくしてその霊的な、または内なる人の方面で彼らに連結することができる
1.相応の持つ力
天界の秘義4800
極めて僅かな者しか以下のことを信じることはできないのである、すなわち、それに人間における凡ゆるものが相応している霊たちと天使たちとの社会が在り、社会が多くなるに従って、また一つの社会の中に住む者が多くなるに従って、その相応はさらに良くなり、またさらに強くもなっているのである、なぜなら心の一致した多数の者の中には力があるからである。
天界の秘義8615[3]
相応には力そのものがあり、相応に従って地上で行われることは天界でも用を果たしているのである、それは相応は神的なものから発しているためである。愛の善と信仰の善の中にいる者たちは相応の中におり、神的なものは彼らに属している凡ゆるものを為されるのである、なぜなら神的なものから愛の善と信仰の善とが発生するからである。聖言に記されている奇蹟はすべて相応により行われたのである。聖言はその中にある事項がことごとくその最も微細な点までも天界に存在する物に相応するように記されているのである。従って聖言には神的な力があり、それは天界を地に連結させているのである、なぜなら聖言が地上で読まれるとき、天界の天使たちはその内意に含まれている聖いものに感動するからである。このことは聖言の幾多の表現の凡ての相応により行われている。
2.相応により認める
天界の秘義4760
さらにこれは人間各々の知的能力に応じている。高い、すなわち、内的な洞察を持っていない者らが記憶知に諮るなら、かれらはその記憶知の中に真理が確認されるのを認めはしないで、そのためその記憶知により否定的なものの中へ拉し去られてしまうが、しかし、高い、すなわち、内的な視覚を持っている者たちは幾多の確証するものを認めるのであり、たとえ他の方法で認めないにしても、それでも相応により認めるのである。
3.人間は相応を知るとき、彼はその心の思考の方面で天使たちと交わることが出来、かくしてその霊的な、または内なる人の方面で彼らに連結することができる
相応の知識と、その用とについて今若干述べておかなくてはならない。天界である霊界は相応[した物]によって自然界に連結しており、かくて相応[した物]によって人間は天界と連なる(コミュニケイト)ことが出来ることは前に述べた。なぜなら天界の天使たちは、人間のように、自然的な物からは考えないからである。従って、人間は相応を知るとき、彼はその心の思考の方面で天使たちと交わることが出来、かくしてその霊的な、または内なる人の方面で彼らに連結することができるのである。天界が人間と連結するために、聖言は全く相応[した物]により記され、聖言の中の一切の物は相応しているのである。かくてもし人間が相応した物を知るならば、彼は聖言の霊的意義を知り、そこから文字の意義では何一つ認められないアルカナ[秘義]を知ることが出来るであろう。なぜなら聖言には文字的な意義と霊的な意義とがあるから。文字的な意義は世に在るような物から成っているが、しかし霊的な意義は天界に在るような物から成っており、そして天界は世と相応[した物]により連結しているため、凡ゆる物が、一つの点にいたるまでも、それに相応したものを持っている聖言が与えられたのである。