下着
天界の秘義4677
・自然的なものの真理(3301)
・主から発した神的真理
下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。そこで、「これは裂かないで、誰のものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。(ヨハネ19・23,24)
「肌着」により神的な真理が意味されていて、その真理は只一つのものであって、善から発しているため、それはその肌着が縫い目がなく、上からくまなく織られていたということにより表象されたからである。
神的善から発している神的真理はただ一つのものであるため、十二人の弟子たちは王国の福音を宣べ伝えるために遣わされた時は、二枚の肌着を持ってはならないと命じられたのである。(ルカ9・2,3、マルコ6・8,9、マタイ10・9,10)。
・預言者は毛の肌着を着た。
なぜなら預言者により主が教義の真理の方面で表象されたもうたからであり、また教義の真理は自然的なまたは外なる人のものであるため、預言者は毛の肌着を着たのである。なぜなら「毛」は自然的なものを意味しているからである。
天界の秘義9942[11]
この凡てから今やマタイ伝の『下着[肌着]』により意味されていることを認めることが出来よう―
イエスは言われた、いささかも誓ってはなりません、天によっても、地によっても、エルサレムによっても、頭によっても[誓ってはなりません]。あなたたちは、そうです、そうです、そうではない、そうではない、と話しなさい。何であれそれを越えるものは悪から出ています。
もしたれかがあなたを律法[法律]に引きずって行き、律法[法律]に訴え、あなたの下着を取り去ろうとするなら、その者にあなたの上着をもまた与えなさい(5・34−37、40)。
主の天的な王国における天使たちの状態のいかようなものであるかを知らない者は主のこの御言葉に含まれていることを到底知ることは出来ない、なぜならここに取り扱われている主題は主の天的な王国の中にいて、真理をことごとく心に印刻されている者たちにおける善と真理との状態であるからである。なぜなら彼らは主に対する愛の善から真理をことごとく知っており、霊的な王国で行われているように、真理については決して議論はしないのであり、それで真理が話されているときは、ただそうです、そうです、そうではない、そうではないとしか言わないのであり、そこでは信仰を口にさえもしないからである。(その状態については9277番に引用した所を参照されたい)。それでこのことから『いささかも誓ってはなりません』という命令により意味されていることが明白である、なぜなら『誓うこと』により真理を確認することが意味されており(3375,9166番)、その確認は霊的な王国では合理的なものにより、また聖言から発している記憶知により行われるからである。
『法律[律法]へ引きずって行き、下着を取り去ろうとすること』により、真理について討論し、それが真でないと説きつけようとすることが意味されており、『下着』は天的なものから発した真理を意味しているのである、なぜなら天的な者は各々の者のもとにその者の真理をあまり論じることなしに残しておくからである。