寝室

 

 

天界の秘義5694

 

『室』と『寝室』により人間の内部を理解したからである。それで『部屋に来る、または入ること』は自己の中にいることを意味し、従って外に現れないように自己の中にいることを意味したのであり、『部屋に入ること』が表意的なものであったため、それで聖言にそれが再三記されているのである、例えばイザヤ書には―

 

 わが民よ、行ってあなたの寝室に入り、後の戸を閉じよ、怒りがすぎるまでしばらくの間いわば身をかくせよ(イザヤ26・20)。

 

『寝室に入ること』はここでは文字通りそのようなことをすることを意味しないで、自己をかくしておいて、自己の中にいることを意味していることは極めて明白である。

 

 

天界の秘義5694[2]

 

 エゼキエル書には―

 

 かれはわたしに言われた、人の子よ、あなたはイスラエルの家の長老たちが暗がりの中で、各々己が像[映像]の部屋の中で為すことを見ましたか、なぜならかれらはエホバはわたしたちを見ないと言っているからである(エゼキエル8・12)。

 

 ここで『暗がりの中で、各々その像の部屋の中で為すこと』は、かれら自身の内部で、思いの中で、を意味している。かれらの思いと情愛との内部はその予言者には部屋により表象されて、『像の部屋』と呼ばれたのである。

 

 

天界の秘義5694[4]

 

ルカ伝には―

 

 何であれあなたらが暗がりで言ったことはすべて明るい中で聞かれ、寝室で耳元に言ったことは屋根の上で布告されるであろう(ルカ12・3)。

 

 ここでもまた『寝室』は人間の内部を、すなわち、かれが考えたことを、目的としたことを、為そうと努力したことを意味している。マタイ伝には―

 

 あなたは祈るときは、寝室に入りなさい、戸を閉じたとき、秘かに祈りなさい(マタイ6・6)。

 

『寝室に入って祈ること』は、外面ではなく、を意味している、なぜならこれは表象的に言われたからである。

 

 

 

天界の秘義7353

 

『家』の意義は人間の心であり(3538、4973、5023番を参照)、『寝室』の意義は心の内部である。