主は、その道の初めにわたしを造られた

箴言8・22

 

 

箴言8・22−31

 

主は、その道の初めにわたしを造られた。

いにしえの御業になお、先立って。

永遠の昔、わたしは祝別されていた。

太初、大地に先立って。

わたしは生み出されていた

深淵も水のみなぎる源も、まだ存在しないとき。

山々の基も据えられてはおらず、丘もなかったが

わたしは生み出されていた。

大地も野も、地上の最初の塵も

まだ造られていなかった。

わたしはそこにいた

主が天をその位置に備え

深淵の面に輪を描いて境界とされたとき

主が上から雲に力をもたせ

深淵の源に勢いを与えられたとき

この原始の海に境界を定め

水が岸を越えないようにし

大地の基を定められたとき。

御もとにあって、わたしは巧みな者となり

日々、主を楽しませる者となって

絶えず主の御前で楽を奏し

主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し

人の子らと共に楽しむ。

 

 

聖母マリア/上/天使館/P32

 

「『・・・マリアについて話しておきたいのであなたたちをここに呼びました。あなたたちの多くは、“母”のマリアを知っており、ある人たちは“妻”マリアを知っています。だが、“童貞”マリアを知る者は誰もいません。あなたたちの心が強いられた離別の中で願望し、また使徒職の労苦を休めに来たこの花盛りの庭で、私はあなたたちに母についてもっとよく知ってほしいのです。使徒たち、弟子たち、親戚の皆さん、私は皆が私の母について話すのを聞きましたし、あなたたちの受ける印象や思い出や意見を聞きました。とても感嘆に溢れてはいますが、まだきわめて人間的なこのすべてを私は超自然的な知己へと一変させるでしょう。なぜなら私の母はもっともそれに値する人々の目に、彼女がどういう御方なのかを示すよう、私よりも先に変容されるべきだからです。あなたたちは一人の女性を見ています。その成聖によって他の女性たちとは違う一人の女性に思われますが、実際は、姉妹であるすべての女性のそれのように、肉に包まれた霊魂として見ています。でも、今私は、私の母の霊魂を皆に露にしたいのです。母の霊魂の真の永遠の美を』」(V)。

 

そう言われてから、イエズスは御母の方を振り返られます。

 

「『母さん、ここにいらっしゃい。恥ずかしがらないで。神の優しいハトよ、おびえないでください。あなたの息子は神の御言葉(みことば)ですから、あなたについて、あなたの神秘、あなたのもろもろの不思議と、ああ、神の崇高なる謎について、話すことができるのです。さあ、ここに、家の近くの、あなたの聖なる部屋の近くの、花盛りの木の心地よい陰に座りましょう。これでいい!この波打つカーテンを上げましょう。成聖と楽園の波がこの清らかな部屋から出て、あなたと私たち皆を満たすために・・・そう、私をもまた満たすように。ああ、完璧なる童貞、あなたの香りをつけ、世の悪臭に耐えられるように、あなたの無垢の瞳を満たした無垢を見ることができるために・・・マルグツィアム、ヨハネ、ステファノはここに、そしてあなたたち女性の弟子たち、女性の中でももっとも純潔な方の純潔な住まいの開かれた戸口のすぐ前に座りなさい、そして、わが友人たちは、その後ろに座りなさい。そして、愛しい母さん、あなたはここ、私のわきに。

 さっき私は“母の霊魂の永遠の美”と言いましたね。私は御言葉ですから、言葉を間違わずに使えます。私は、“不滅の”とは言わず、“永遠の”と言いました。私は目的なくそう言ったのではありません。不滅(不死)とは生まれた後に死なないものについて言います。したがって、義人の霊魂は天国で不滅であり、罪人の霊魂は地獄で不滅です。なぜなら霊魂は、一度創造されたなら最後、恩寵は失っても死ぬことはないからです。しかし、霊魂は生命を持っていますし、神がそれをお考えになった瞬間から存在し、[霊魂は神の思惟のなかに存在しています]。それをお創りになるのは神の思惟です。私の母の霊魂は永遠の昔から神によって考えられました。したがって、そこに神が喜びと慰めを得るためにあらゆる完全さを注がれたその霊魂は、その美しさにおいて[神の思惟のなかで]永遠なのです。

 あなたを予見していたゆえにあなたの預言者と言ってもいい私たちの祖先、ソロモンの書には書かれています。『神はその御業の初めに、私を造られた。創造に先立って、まさに太初から、悠久のいにしえから、私は堅固に据えられていた、始まりから、大地が存在する以前から・・・』[箴言8・22−31]。

 そうです、母さん、計り知れない方、崇高な方、純潔無垢の方、創造されずに存在する方である神はあなたを宿し、いとも甘美な荷物としてあなたを伴い、彼のうちで動き回るあなたを感じて歓喜し、彼に微笑みかけるあなたの微笑みで森羅万象をお創りになったのです!世にあなたを与えるために苦しんで産んだあなた、童貞であるために至高の<純潔>なる方から生まれたいとも優美な霊魂、“森羅万象の完成”、“楽園の光”、神はあなたをごらんになって原罪を赦すことがお出来になった神の助言者。なぜならあなた、あなたはお一人、ただ一人で、愛することを知らない全人類を一括するほど愛することを知っているからです。あなたのうちに神の赦しがある!あなたのうちに神の治癒薬があり、人間が神に負わせた傷の上で、あなたは永遠なる御者を愛撫します!あなたのうちに世の救いがあるのです、ああ、受肉された愛なる神の、また、容認された贖罪主の御母よ!おお!わが母の霊魂よ!神の愛と溶け合った私は、わがうちにあなたを見ていました、おお、わが母の霊魂よ!・・・そして、あなたの輝き、あなたの祈り、自分があなたのうちに宿ったと考えることは、悲しみと残酷な体験―すなわち、完全さの極みである神にとって、堕落した世界がどのようなものかを体験すること―という運命を担った私を、常にたえまなく慰めてくれました。ありがとう、母さん!私が[天から]やって来たとき、すでにあなたの慰撫で満たされていました、私はあなたお一人を、あなたの香り、あなたの歌、あなたの愛だけを感じつつ天から降って来たのです・・・喜び、わが喜びよ!

 

 

 

聖母マリア/上/天使館/P63

 

イエズスは[霊視者]に話される。「さあ、祖先[ソロモン]の書にある[聖母マリアの]数々の栄光を読みなさい。<神は、その御業の初めに私を有しておられた。最初から、創造の御業に先立って。とことわに私はしっかりと据えられていた。太初、大地が造られる前から。