出陣

 

 

マリア・ヴァルトルタ「手記」/天使館/P80

 

‘43年8月20日。

イエズスは言われる。

「ここ数年来、とくに第二番目の千年紀を締めくくろうとしている今世紀の初め以来起っていることをじっくり観察するなら、七つの封印が開かれたと考えずにはいられないだろう。わたしが、わたしの選んだ人々の隊列を集め、彼らと出陣するため、わたしの天使たちと力を合わせて、人類に深淵の扉を開こうと画策する神秘的な勢力に戦いを挑むため、わたしの言葉をたずさえ、あなたたちのあいだに戻ってくるに当って今ほど気持ちが高ぶったことはかつてない。

 戦争、飢饉、疫病、殺戮兵器―これらはわたしの最愛の者によって言及された獰猛な獣よりもたちが悪い―地震、天におけるしるし、地球の内臓の噴出、愛のうながしを受けた小さな霊魂たちを神秘的な道に向わせる奇跡的な呼び出し、わたしに忠実な者たちに対する迫害、霊魂の気高さと肉体の卑しさ、わたしの怒りとわたしの正義の時があなたたちに迫っていることを知らせるしるしに欠けるものは何ひとつない。

 あなたたちが体験している恐怖を前にして、あなたたちは『時が来た。これ以上恐ろしいことが起ることはありえない!』と叫ぶ。そしてあなたたちは大きな叫び声をあげて、あなたたちを解放する終わりを呼び求める。罪を犯した人々は、いつものように、自らを蔑み呪いながら終わりを呼び求め、悪が善に勝利するのをこれ以上見たくない善良な人々は終わりを呼び求めている。

 わたしの選んだ人々に平和!もう少しして、わたしは来るだろう。人間の創造と、神の子の生贄を釈明するために必要な犠牲の総量にはまだ達していない。わたしの大群の配列はまだ終わっていないし、しるしの天使たちは栄光を受けるために選ばれるに値した人々すべての額にまだ栄光の刻印を捺していない。

 

 

グリニョン・ド・モンフォール/聖母マリアへのまことの信心/山下訳/114

 

わたしは、こんなことを予測しているのです。すなわち、この小さな本と、それを書くため聖霊がお使いになった人(=著者)を、悪魔的な歯でかみ砕き、八ッ裂きにしようと、多くの敵どもが、怒り狂う野じゅうのように、襲いかかってくるでしょう。すくなくともかれらは、この本を出版させないために、どこかの倉庫の片すみに、やみと沈黙とホコリの中に埋没させるでしょう。そればかりでなく、この本を読んで、まことの信心を実行する人々に対してさえも、迫害の手をのべるでしょう。かまうもんですか。いや、それで結構。こうした展望は、わたしを大いにはげまし、大成功まちがいなし、との希望さえ与えてくれるのです。つまり、まもなく急テンポでやってくる宇宙ぐるみの超非常事態に際会して、イエズスとマリアの大軍団が、しかも忠勇無双の男女両兵士の大軍団が、世界のずい処に旗あげをし、世俗に対して、悪魔に対して、腐敗した人間性に対して、血みどろの戦いをいどみ、最後には勝利をおさめるのです。“読者は、よく読み取るように”(マタイ24・15)“それができる者は、それを受け入れなさい”(マタイ19・12)