聖なるもの

 

 

 

マリア・ワルトルタ/手記/P37

 

 わたしに結ばれていなさい。わたしのうちには正義と平和と愛がある。ほかの教説を探し求めてはならない。福音を生きなさい。そうすればあなたたちは幸せになるだろう。わたしによって生き、わたしのうちに生きなさい。あなたたちは肉体的な大きなよろこびは味わわないだろう。わたしはそんなよろこびは与えない。真のよろこびを与える。それは単なる肉のよろこびであるだけでなく、わたしが授け、承認し、共有するのを拒まなかった霊魂のよろこび、誠実で祝福された、聖なるよろこびである。

 

家族、子供たち、清廉な裕福、穏やかに栄える祖国と、兄弟たちとの国々との好ましい調和。こういったものをわたしは聖なるものと呼び、祝福する。それらによってあなたたちは健康をも享受する。なぜなら誠実に生きられる家庭生活は肉体に健康を与えるからだ。それらによってあなたたちは心の平静を得る。なぜなら誠実に行われた取引や職業は良心の安らぎを与えるからだ。それらによってあなたたちは祖国と国々の平和と繁栄を得る。なぜなら同胞や隣国の人々と好ましい調和のうちに生きることによって、あなたたちは怨恨と戦争を避けるからだ。

 

 

マリア・ヴァルトルタ「手記」抜粋/天使館/P107

 

 あなたたちが平和によって、パンと仕事を与える和を重んじる仕事によって手に入れたまっとうな幸福を享受していたのは、つい昨日のことではなかったか? あなたたち、今、恐ろしい時を生きている者たちよ、まだ人数が欠けたり崩壊していない家族のよろこび、父親が仕切る食卓の周りに集う子供たちのよろこび、新婚のベッドすなわち妻に寄り添う夫のよろこびを味わい、師として、また友達として、小さな子供たちの頭の上に顔を覗かせ、父親の喜びを味わっていたのはつい昨日のことではなかったか? そして今は? すべてはどうなってしまったのか? 遥かに遠い浜辺に向かって飛び去る鳥のように、あの時は矢のように過ぎ去ってしまった。昨日のことだったのに・・・今振り返ってみると、その強烈な激しさで恐怖が倍加する日々が、昨日とあなたたちのあいだに立ちはだかっている。あなたたちは追憶のなかに逃げこむが瓦礫の山と墓場の広がりが、今ある現実と共に、思い出の優しさを台無しにしてしまう。