啓示による黙示録解説839

 

私は霊たちの世界を凝視していると、赤馬と黒馬に乗った一つの軍隊を見た。それらの馬に乗った者らは猿のように見え、顔と胸とをその馬の腰と尾の方へ向け、その頭の後部と背中とをその馬の首と頭の方へ向け、手綱はその乗り手の首の周りにかかっていた。彼らは叫んだ、『白馬に乗っている者らと戦おう』。彼らは手綱を両手で引いて、馬を戦いから引き戻したが、しかもこうしたことを絶えず繰返していた。そのとき二人の天使が天界から降りてきて、私に近寄り、言った、『何を見られます。』で、私はこの滑稽な騎手の仲間を見たことを告げて、それは何であり、また彼らはたれであるか、と訊ねた。天使たちは答えた、『彼らはアルマゲドン(黙示録16・16)と呼ばれる所から来ています、そこに彼らは、新しいエルサレムと呼ばれている主の新しい教会に属している者たちと戦おうとして、数千人の数に達するまでも共に集まったのです。彼らはその所で教会と宗教とについて話しましたが、彼らのもとには、霊的な真理は何一つなかったため、教会は何一つなかったのです、また霊的な善も何一つなかったため、宗教も何一つなかったのです。彼らはそこでその二つの主題について口と唇で話しましたが、それはただそのことによって主権を得ようとの理由からでした。彼らはその青年時代に信仰のみと神の三一性とキリストの二元性とを確認することを学びましたが、教会でさらに卓越した地位に昇進すると、そうした事柄を暫くの間は記憶に止めていましたが、それからは神と天界についてはもはや考えなくなって、自分自身と世について考え、かくて永遠の幸福と至福とについて考えないで、一時的な卓越と富裕とについて考え始めるにつれて、その青年時代に得た教義的なものを、天界と連なって、そこから天界の光の中に在る合理的な心の内部から、世と連なって、そこから世の光の中にのみ在る合理的な心の外部へと斥けてしまい、ついにはそれらを感覚的な自然的なものの中へも突き落としてしまい、かくて教会の教義的なものは彼らのもとでは単に口先の事柄となってしまって、もはや理性から発した思考の事柄ではなくなり、まして愛から発した情愛の事柄ではなくなってしまいました。彼らは自分自身をこうしたものにしてしまったため、教会に属した純粋な真理を一つとして容認しませんし、また宗教に属した純粋な善も一つとして容認しません。

 

 

啓示による黙示録解説839

 

アルマゲドンの人らは、聖言からこうした事柄を、またさらに多くの事柄を聞くと、時折私たちの話を中断して、主がその自己を空しくされた状態の中で父と話されたような事柄を引き合いに出そうとしました。しかしそのとき、聖言に反駁することが彼らに許されなかったため、彼らの舌はその上あごにくっついてしまいました。でもその舌のもつれがついにとけますと、彼らは叫びました、「あなたは私らの教会の教義に反したことを言われた、私らの教会の教義は、父なる神に直接近づいて、父を信じなくてはならないということである。あなたはそれで私らの信仰を冒涜する罪を犯した。それでここから出て行きなさい。出て行かないなら、追い出してやる。」彼らは威嚇で心が燃え上がって、私らを追い出そうとしました。しかし私たちはそのとき与えられた力により、彼らを盲目にしてしまいました、それで、彼らは私たちが見えないので、荒れ果てた野原へ突入して行きました。馬に乗った猿のようにあなたに見えた者らは、少年たちから窓越しに像や偶像のように見られて、その前に他の者が跪いていた者らと同じような者であったのです。