瀝青
天界の秘義1299
「彼らはしっくいの代りに瀝青を得た」。
これはかれらが善に代って欲念の悪を持ったことを意味していることは、聖言における『瀝青』と『しっくい』の意義から明白である。ここにとり扱われている主題はバベルの塔の建設であるため建築に用いられるような物が記されており、ここでは瀝青が用いられているが、それはそれが硫黄の性質を持っていて、可燃性のものであるためであり、聖言ではこのような物により欲念が意味されており、とくに自己への愛にぞくしたものが意味されている。ここでは、『瀝青』は欲念の悪のみでなく、そこから派生した誤謬を意味しており、これらもまたそれをもって塔が建てられた悪であり、そのことについては後に述べよう。このようなことが意味されていることはイザヤ書に明白である―
エホバの復しゅうの日、奔流は瀝青に変り、その塵は硫黄に変り、その地は燃える瀝青となるであろう(34・8、9)。
『瀝青』と『硫黄』とは欲念の誤謬と悪を意味している。他の所でも同様である。
天界の秘義1861[4]
イザヤ書には―
地は燃える瀝青となって、夜も昼も消えないであろう、その煙は永遠に立ちのぼるであろう(34・9、10)。
『燃える瀝青』は凄まじい欲念を、『煙』は誤謬を意味している。