美味しいもの

 

天界の秘義3512

 

「わたしのために美味しいものを作ってください」。これhそこから発してくる楽しさから生まれる望ましいものと歓ばしいものを意味していることは、『美味しいもの』の意義から明白であり、それは楽しいものであり(3502番)、かくてその楽しいものの楽しさから、すなわち、真理から生まれる望ましいものと歓ばしいものである、なぜなら前に引用した番号の中に言ったように、真理は人間の自然的なものの中へ、自然的なものに一致した楽しいものにより導入され、そのようにして導入されない真理は固着しないし、かくて相応により合理的なものに連結しないからである。さらに、真理は他の凡ての記憶知のように、その真理を導入する楽しい歓ばしいものに順応して自然的な人にぞくしている記憶の中にその位置を割り当てられるのであり、そのことはこれらの楽しい歓ばしいものが帰ってくると、それらのものにより導入されたものもまた帰ってくるという事実から明白であり、また他方、これらのものが思い出されると、それと同時に、それらのものが接合されている歓ばしい楽しいものもよびさまされるという事実からも明白である。

 

 

天界の秘義3589

 

「かれもまた美味しいものを作って、かれの父のもとへ持ってきた」。これは神的な合理的なものにとって好ましい、歓ばしいものを意味していることは以下から明白である、すなわち、『美味しいもの』の意義は善にぞくしている歓ばしいものと真理にぞくしている楽しいものであり(3502、3536番)、善にぞくしている歓ばしいものは好ましいものであり、真理にぞくしている楽しいものは歓ばしいものである、なぜなら善に対する情愛は欲する[好む]情愛であり、そのときは真理に対する情愛は歓ぶ情愛であるからである。