1.善と真理との情愛

2.神的愛

 

 

 

1.善と真理との情愛

 

天界の秘義6432

 

「胸の祝福をもって」。これは、善と真理との情愛をもって、を意味していることは、『胸』の意義から明白であり、それは善と真理との情愛である。『胸』が善と真理との情愛を意味しているのは、胸が生殖器官と交流し、そのことによってまた婚姻愛の領域に属し(その領域については前の5050−5062番を参照)、婚姻愛は善と真理との結婚である天界的結婚に相応しているためである、なぜなら婚姻愛はこの結婚から下降しているからである(2618、2728、2729、2803、3132、4434、4835、6179番)、ここから『胸』により善と真理との情愛が意味されているのである。そのことはまた幼児は胸により養われているという事実から明白であり、この情愛を通して『胸』は婚姻愛と子供に対する愛との連結を意味しているのである。

 

 

天界の秘義6432[2]

 

 この情愛もまたイザヤ書の『胸』により意味されている―

 

 あなたは諸々の国民の乳を吸い、王たちの胸を吸わなくてはならない。真鍮には金を、鉄には銀をわたしはもってこよう(60・16、17)。

 

『王たちの胸を吸うこと』は真理から発した善を意味している、なぜなら『王』により真理が意味されるからである(1672、2015、2069、3009、3670、4575、4581、4966、5044、5068、6148番を参照)。そこの『諸々の国民の乳』により、また『諸々の王の胸』により霊的な秘められたものが意味されていることは明らかである、なぜなら、もしそうでないと、それらは無意味な言葉になってしまうからである。善と真理とが意味されていることはそれに続いて言われていることから明らかである、すなわち、『真鍮には金を、鉄には銀をわたしはもってこよう』。『真鍮』は自然的な善であり(425、1551番)、『金』は天的な善であり(113、151、1552、5658番)、『鉄』は自然的な真理であり(425,426番)、『銀』は霊的な真理である(1551、2954、5658、6112番)。

 

 

天界の秘義6432[8]

 

 ルカ伝には―

 

 ある一人の女が人々の中からその声を上げて、イエスについて言った、あなたを生んだ胎とあなたが吸った胸とは何と祝福されていることでしょう。が、イエスは言われた、否、むしろ、神の聖言を聞いて、それを守る者は何と祝福されていることでしょう(11・27、28)。

 

 主の答えから『祝福された胎』により、また『胸』により意味されていることが明らかである、すなわち、神の聖言を聞いて、それを守る人たちが意味されており、かくて神の聖言を聞く者たちの持っている真理の情愛と、それを守り、または実行する者たちの持っている善の情愛が意味されているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.神的愛

 

黙示録解説46

 

『乳首』または『胸』により神的愛が意味されている。