最も美しい説教

 

 

 

マリア・ヴァルトルタ/天使館/第4巻中/P170

 

 おそらく、いやむしろ確実に、あなたたちを迎え入れず、追っ払い、あるいは愚弄したり、あるいは石を投げて追い回し、厄介な預言者としてあなたたちの言葉を聞こうともしない町や家に出くわすでしょう。またここであなたたちはかつてないほど人生の習慣として、和を重んじ、柔和謙遜である必要性を痛感するでしょう。なぜかといえば、そうでないなら怒りは優位に立ち、あなたたちが改宗させようとしている人たちを憤慨させ、不信を増し、罪を犯すでしょう。それに反してあなたたちが愚弄され、石を投げられ、追い払われ、侮辱を甘受するなら、あなたたちはあの最も美しい説教、すなわち真の徳の沈黙の説教をもって人びとを改心させるでしょう。あなたたちがきょうの旅の途上で出会う敵たちに、いつの日か巡り会う時が来るでしょう。そして彼らはあなたたちに言うでしょう、『わたしたちはあなたたちを探していました。というのもあなたたちの行動の一つ一つは、あなたたちが告げている真理をわたしたちに納得させたからです。わたしたちを赦し、弟子としてわたしたちを受け入れてください。わたしたちはあなたたちのことを知らなかったからです。でも今はあなたたちを聖なる人たちだと知っています。だからもし聖なる人たちなら一人の聖者の使者でなければなりませんし、わたしたちは今、彼を信じているのです』と。だが、あなたたちが受け入れられなかった町、あるいは家から出る時には足のちりも払い落としなさい。まことにあなたたちに言いますが、審判の日は、ソドムやゴモラの地のほうが、その町よりも軽い責め苦で済まされるでしょう。