黙示録第15

 

黙示録15・1−2

わたしはまた、天にもう一つの大きな驚くべきしるしを見た。七人の天使が最後の七つの災いを携えていた。これらの災いで、神の怒りがその極みに達するのである。

わたしはまた、火が混じったガラスの海のようなものを見た。更に、獣に勝ち、その像に勝ち、またその名の数字に勝った者たちを見た。彼らは神の竪琴を手にして、このガラスの海の岸に立っていた。彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とをうたった。

 

 

黙示録15・3−4

「全能者である神、主よ、

あなたの業は偉大で、

驚くべきもの。諸国の民の王よ、

あなたの道は正しく、また、真実なもの。

主よ、だれがあなたの名を畏れず、

たたえずにおられましょうか。

聖なる方は、あなただけ。

すべての国民が、来て、

あなたの前にひれ伏すでしょう。

あなたの正しい裁きが、

明らかになったからです。」

 

 

黙示録15・5−8

この後、わたしが見ていると、天にある証しの幕屋の神殿が開かれた。 そして、この神殿から、七つの災いを携えた七人の天使が出て来た。天使たちは、輝く清い亜麻布の衣を着て、胸に金の帯を締めていた。そして、四つの生き物の中の一つが、世々限りなく生きておられる神の怒りが盛られた七つの金の鉢を、この七人の天使に渡した。 この神殿は、神の栄光とその力とから立ち上る煙で満たされ、七人の天使の七つの災いが終わるまでは、だれも神殿の中に入ることができなかった。

 

 

啓示による黙示録解説下P67

霊的意義

全章の内容

 教会の最後の状態を暴露し、彼らの陥っている(諸々の)悪と誤謬とを明らかにするための準備(1、5−8節)。主を告白して、その教えに従って生きた者たちは彼らから分離された(2−4節)。

 

 

各節の内容

 

黙示録15.1

『私は天に、他の一つの、偉いなる、驚くべき印を見た』は、主が地上の教会の状態について、それが愛と信仰との方面でいかようになっているかについて啓示されたことを意味している(656番)。 『七つの最後の禍いを持つ七人の天使』は、教会内の(幾多の)悪と誤謬とが、その教会の最後の状態の中であるがままに、遍く主により暴露された、を意味している(657番)。 『その中に神の怒りが全うされるからである』は、教会の荒廃とかくてその終り〔終末〕とを意味している(658番)。

 

 

黙示録15・2

『私は火の混じったガラスの海のようなものを見た』は、宗教を持ち、そこから礼拝を持ってはいたが、しかし生命の善は持っていなかった者らが集められたところの、霊界の最端の境界を意味する(659番)。 『その獣に、その獣の像に、その獣の印に、またその獣の名の数にも勝利した者たち』は、信仰のみとその教義とを斥け、かくてその誤謬を承認しないし、それに浸透されもせず、また聖言を誤謬化しもしなかった者たちを意味している(660番)。 『神の立琴を持って、ガラスの海のそばに立ち』は、境界内の基督教天界とそこにいた者たちのもとにある仁慈の信仰とを意味する(661番)。

 

 

黙示録15・3

『彼らは僕モーセの歌と小羊の歌とを歌っていた』は、仁慈から発し、かくて十戒である律法の教えに従った生活〔生命〕から発し、主の人間的なものの神性に対する信仰から発した告白〔讃美〕を意味する(662番)。 『言う、ああ、主なる全能の神よ、大いにして驚くべきかな〔奇しきかな〕あなたの御業は』は、世界と天界と教会の凡ゆる物は主により神的愛から神的知恵により創造され、作られたことを意味する(663番)。 『ああ聖徒たちの王よ、公正にして真なるかな、あなたの道は』は、主は天界と教会における神的善そのものと神的真理そのものであられるため、主から発出する物は凡て公正で真であることを意味する(664番)。

 

 

黙示録15・4

『ああ、主よ、たれがあなたを恐れ、崇めないでしょう』は、主のみを愛し、礼拝しなくてはならないことを意味する(665番)。 『あなたのみが聖いからです』は、主は聖言であられ、真理であられ、明るくされる方であることを意味している(666番)。 『そのため凡ゆる国民は来て、あなたの前で崇めるでしょう』は、愛と仁慈との善の中にいる者たちは凡て主のみを神として承認することを意味している(667番)。 『あなたの審判が明らかにされたためです』は、聖言の諸真理がこのことを明らかに証言している、を意味する(668番)。

 

 

黙示録15・5

『これらの事柄の後で、私は見た、見よ、天にある証の幕屋の神殿が開かれた』は、主が聖言の中に、また十戒である律法の中にその聖さの中におられるところの、天界の最も内なる部分が見られたことを意味する(669番)。

 

 

黙示録15・6

『その七つの禍いを持ったその七人の天使がその神殿から出て来た』は、教会の(幾多の)悪と誤謬とが暴露され、かくして悪い者らが善い者たちから分離されるために、天界の最内部から教会へ注がれる流入のために主が備えられることを意味している(670番)。 『清い、輝いたリンネルを着、胸に金の帯をしめて』は、これは聖言の清い、純粋な諸真理と諸善とから発したことを意味している(671番)。

 

 

黙示録15・7

『その四つの動物の一つはその七つの金のびんを与えた』は、聖言の文字の意義から取られて、教会の悪と誤謬とを暴露する、かの諸真理と諸善を意味する(672番)。 『代々生きられる神の怒りに満ちた』は、聖言の清い、純粋な諸真理と諸善とにより明らかになり、また暴露されもする悪と誤謬とを意味している(673番)。

 

 

黙示録15・8

『神殿は神の栄光から、またその力から発する煙で満ちた』は、天界の最も内なる部分は主の霊的な、天的な神的真理で満ちた、を意味する(674番のイ)、 『たれ一人その七人の天使の七つの禍いが全うされるまでは〔終わらない中は〕その神殿へ入ることは出来なかった』は、そこではそれ以上のものには堪えることが出来なかった程度にも達し、しかもこれは荒廃の後でその教会の終りが見られるまでも続いた、を意味している。