待ち続ける主

1.マリア・ワルトルタ

2.ヴァッスーラ

 

 

1.マリア・ワルトルタ

 

マリア・ワルトルタ/イエズス―たそがれの日々/P175

 

そうです。私は善人過ぎるほど善人です、だれに対しても。それに値しない者に対しても。だがおまえの言う老人は、それに値する誠実な正直者です。といっても徹夜したのは、彼のためではなく、他の者のためでした。火打ち金と火種は湿っぽかったが、偶然、何かで濡れたからではなく、私の涙のせいでした。(中略)

 

私は彼らを待っていたのではない。“おまえを待っていました”昨夜ずっと、一晩中寝なかったのは、おまえのためだった、私は屋上に上り、星に私の苦しみを、暁に私の涙を見せた。病人の老人ではなく、不埒な若者、師を避ける弟子、天よりも掃きだめを、真理より偽りを選ぶ使徒が、私を一晩中ここに立たせました。そしてもう、おまえの足音が聞こえなくなったとき、また、おまえを待つためにここに下りた。盗人のように、暗い台所をうろうろしていた、おまえから一つだけのことばを待っていました。・・・私がおまえから一つだけのことばを待っていました。・・・私がおまえのそばに立っているのに気づいたときも、おまえはその一言を言わなかった。

 

(中略)おまえの言った通り、今日多くの病人が来るが、“一番重い病人”は医者の所へ来ないだろう。治りたくないその病人のために、医者自身が苦しんでいる。(中略)

 

「もし私があなたから離れたら、あなたはどうしますか?」

「何もしない、おまえがそうしたいのであれば。おまえのために祈ろう。しかし今、私も、おまえが私を離れるなら、『もう手遅れ』と言いたい」

「先生、なぜですか?」

「おまえは私と同じように知っている・・・。さあ火をつけてくれ。上をだれかが歩いている。今夜の不愉快な出来事は内緒にしておこう。『眠りが浅くて早く目が覚めました。部屋を暖めるためにここに来て一緒になりました』と言っておこう。・・・ああ私の父よ・・・」

 

 ユダは、囲炉裏に置かれていた薪を寄せ、カンナ屑に火がつくように息を吹きかける。イエズスは両手を頭に上げ、そして目を押える。

 

 

2.ヴァッスーラ

 

ヴァッスーラ/神のうちの真のいのち/3巻P148

‘89・3・29

コーテテル(JU)(スイスの北)の集会に際して与えられたメッセージ

 

あなた方に平和 ♡ 私は主、我が現存を感じなさい、今日は我が僕を通して、語っている。 私はいつもともにいる、人生の一瞬一瞬に ♡ 我が聖心は あなた方の愛を感じて歓喜している― 我が仔羊たち、私はいつも皆を 腕の中に集め 悪魔から匿(かくま)いたいと願っていた! 愛している ♡ 永遠の愛をもって愛している、天国に来て 初めて理解するであろう 嫉妬深い愛をもって。 しかし、その途方もない愛にもかかわらず、我が子たちのほとんどは 私に背を向けてしまった・・・我が受難を忘れて。 そして進化という名のもとに 我が名は彼らにとって 無意味となった。 偶像を与えるなら 飛びついて礼拝する、だが聖なるものは 与えても唾するであろう ♡ 私、あなたの聖なる者は、苦しみを負い からだは この暗やみの世の 不従順、不潔と罪によって 引き裂かれている! ああ 被造物よ! 我が苦しみの叫びは、天使たちが打ちふるえて ひれ伏し、天全体を揺れ動かす。 私の声はまだ 届いていないか、我が娘息子たちよ? 天からの我が叫びに対し あなた方の聞こえない耳に 悪魔たちでさえ 唖然としている・・・血の涙に 目は溢れ、夜昼と、何時間も、あなたを待ち続けている、我が霊を 永遠に拒むのか? 憩う牧場が一つもなく、走って行って生き返らせてくれる泉も 一つとない、この荒れ果てた荒野に 我が声はこだまする。 私はいにしえの牧場に 天の玉座から降って来たが そこは粗末にされ 不毛と化していた、愛を込め 手ずから植えた花は、一つまた一つと 枯れていき、花床は荒れ果て 干からびている、泉はもう空の、ほこりっぽい、暗い穴に過ぎず、毒蛇の巣となった ♡