功徳

1.ルイザ・ピッカレータ

2.ヴァッスーラ

3.トマス・ア・ケンピス

 

1.ルイザ・ピッカレータ

 

ルイザ・ピッカレータ/被造界の中の神の王国/1巻P10

 

主はまた私に、主から決して離れることなく被造物を愛する方法も教えて下さいました。つまり、被造物を神の似姿として眺めるのです。もし人が私に何かよいことをしてくれた時は、まさにそれは主から来たものとして感謝すべきで、主こそが私にたいしてなされたそのよい行いの最初の動機、主人公であり、彼らを通して主が私にそれをして下さったのです。反対に、もし私にたいして何か嫌なことをされた時は、それが霊的なものであれ身体的なものであれ、ただ私のよりよい善のために、神様がそれを行うことをお許しになったと考えなければなりなません。それで私の心はますます神に引きつけられ、結ばれるのを感じるのでした。それゆえに、全ての人を神のうちに見、また彼らの一人ひとりのうちに神のお姿を見ることによって、もう彼らにたいする尊敬を失うことがなくなりました。もし人が私を冷やかしたりしても、反対に私の霊魂にとって新しい功徳を獲得させてくれたのだと考えて、その人を神様のうちに愛さねばならないという義務をもっと感じるのでした。その反対に、もし人がほめ言葉や拍手をもって私に近づいてくるような時、私は心の中で、今日はこんなふうだけれども人間の気まぐれから明日は私を憎むこともできるのだと思いながら、それら全てを私への軽蔑のように受け取っていました。とにかく私の心はあの頃から、言いようのないほどの自由を獲得いたしました。

 

 

ルイザ・ピッカレータ/被造界の中の神の王国/1巻P18

 

全ての人間は消え失せるように。そうすれば、彼らから何か命令された時、あなたはそれをあたかも直接わたしがあなたに命じたかのように行うことでしょう。わたしにしっかりと眼差しをすえているなら誰をも裁くことはなく、そのことが辛いか、味気ないことか、易しいか、難しいかを眺めることもないでしょう。人からあなたに命じられたこと全てに目を閉じ、わたしにのみその目を開けていなさい。そしてたびたび“主よ、あなたのためにのみ行いつづけ、そして終わりたいので、この仕事がよくできますように必要なお恵みを下さい。私はもう人間の奴隷となりたくありません。”と言いなさい。ですから歩く時も、話す時も、働くに際しても、ただわたしのより大きい喜びと満足のためという唯一の目的のためにして下さい。

 卑しめ、侮辱、反対などに遭う時、あなたの眼差しはわたしに集中するように。人びとではなく、わたしの口からあなたに、“娘よ、あなたを少し苦しめたいのです。これらの苦しみを通してあなたを美しくし、新しい功徳によってあなたを富ませ、あなたの霊魂をわたしのそれと同じようにするために働きたいのです。”と言っているのだと考えて下さい。あなたはこれら全てをわたしへの愛のために苦しみながら、功徳のためにあなたを働かせたことへの感謝の捧げものとしてそれをわたしに捧げたうえに、またあなたを間違って苦しめる機会を与える人びとにとっても、何らかの利益となるように、それによって報いることになるでしょう。このようにするならば、まっすぐに前進するでしょう。そして全ての事柄はもはやあなたに不安を与えることはなく、あなたは完全な平和を楽しむことができるでしょう。

 

 

2.ヴァッスーラ

ヴァッスーラ/神のうちの真のいのち/10巻P130

‘00・10・16

 

書きなさい、我が言葉に心開くどの心にも、言ってきたように、私は 我が王国を打ち立てる。 死すべき人間が あなたを攻撃するのに用いる暴言を 恐れないように、迫害者たちの激怒を恐れないように。 我が言葉であなたの心を封印し 唇からはミルラの雫を滴らせている 優美に開いて平和を予告し 我が息子娘たちの心に 一致をもたらすように、と。 私ゆえに迫害される者たちに 私の霊が与える、その不屈の精神に 傲慢な者たちを驚嘆させなさい、そして今 そうしているように(*7)、あなたの会うのを避けさせるがよい。 私の日には、今度は、私が彼らを避ける。 彼らがひそかにあなたを窺い あなたを厳しく扱おうと、その厳しさを 謙虚に威厳をもって耐えなさい、こうした尊大な人たちを通し 天国で報われよう・・・・あなたはその苦しみを通し 霊魂たちを眠りから覚まし あるいはこの世に心奪われた霊魂たちを引き上げている。

 

 *7ある司教さま方は、私との面会を求められると、名前を聞くだけで すっかり逆上してしまわれます。

 

 

3.トマス・ア・ケンピス

 

トマス・ア・ケンピス/キリストに倣いて/1・22・5

 

災難や苦しみに出会ったならば、その時こそあなたの勲功(てがら)の立て時である。

すがすがしい気持ちよい所へ行く前には、まず、火や水の中を通らなければならぬ(詩篇65・12)。