金星の霊たち

 

 

天界の秘義7246

 

 金星には反対の性質を持った二種類の人間がおり、一つの種類は野蛮で、殆ど野獣のようなものであるが、他は優しく、慈悲深い。野蛮で殆ど野獣のようなものである者らはその遊星の、私たちの方に面した側に現れているが、しかし優しくて慈悲深い者たちはその反対側に現れている。しかしながら、彼らはその生命の状態に従ってそのように現れていることを知られたい、なぜなら生命の状態が場所と空間との外観を凡て作っているからである。

 

 

 

天界の秘義7248

 

この点では彼ら(金星に住んでいる者たちの霊)はユダヤ人とは異なっているのである、なぜならユダヤ人はその殺した者を投げ出し、野ざらしにして森の獣や鳥に食い尽くさせ、時には野蛮な残酷な方法で彼らを殺すことを歓んだからである(サムエル記後12・31)。ユダヤ人はこうしたことをいかほど歓んだかもまた、その中の多くの者のスフィアが私に伝えられたため、私は認めることが出来たのである、彼らはすばやく近づいて来て、それから逃げ去ったのである。

 

 

天界の秘義7249

 

 私はまた、その地球に住んでいる者の大半は巨人であって、私たちの地球に住んでいる者はそのへその辺りにしか届かない、またその地球のこちら側に現れる者らは愚鈍で、天界も、永遠の生命も何ら問題としないで、ただその土地と家畜とに関係したことのみしか心にかけてはいないと話されたのである。

 

 

天界の秘義7250

 

 彼らはこうした性格を持っているため、他生へ入ってくると誤謬と悪とに非常に取りつかれて悩まされるのである。彼らの地獄はその地球の周囲に現れていて、私たちの地球の悪の地獄とは交流してはいない、なぜなら彼らは全然異なった資質と気質とを持っていて、そこからまた彼らの悪と誤謬も全く別種のものとなっているからである。しかし救われることの出来る底の者たちは剥奪の場所に置かれて、そこに絶望の極にも達する、なぜならそうした種類の悪と誤謬とは他のいかような方法によっても除かれることは出来ないからである。彼らは絶望状態に陥ると、自分は獣であり、畜生であり、忌まわしいものであり、憎むべきものであり、それで地獄に堕ちるものであると叫び出す。彼らの中にはこうした状態に陥ると天界にも向って罵声を吐きかける者もいるが、しかしそれは絶望から発しているため、彼らは免されている。主は、彼らに或る定まった限度を越えて罵らせないために、それを和らげられている。彼らは極度に苦しむと、その時その身体の物は謂わば死んだようになるため、遂には救われる。

 

 

天界の秘義7251

 

 私はまた彼らについては、彼らはその地球に生きていた時、仲保者のいない至高の創造者を信じていたことを話された。これらの者は、主がただ一人の神、救い主、仲保者であられることを先ず教えられて、そのことを受け入れると、甚だしく剥奪はされるものの、最後には救われる者たちである。私は彼らが仲保者がおられないなら、自分らは汚れた、無価値なものであるため、救われることは出来はしない、と告白するのを聞いたのである。私はまた彼らの中で極限までも苦しんだ後で天界へ挙げられる者たちを見たが、彼らはそこへ着くと、私に涙を覚えさせるほどの可憐な喜びを覚えるのを認めたのである。

 

 

天界の秘義7252

 

 金星に住む者たちと霊たちの中でその地球の向う側に現れている者たちは、殆ど反対の性質を持っていて、優しく、慈悲深い。主に許されてその霊たちの中でそこから私の許へ来た者がいたが、その時彼らは頭の上の近くに現れたのである。彼らは私と話しているうち、自分たちは世にいた時は私たちの主を自分たちのただ一人の神として承認したが、今はそのことを更に充分に承認していると言った。彼らは、自分たちはその地球で主が自分たちの間を歩まれるのを見もしたと言い、どのようにして主を見たかも表したのである。

 

 

天界の秘義7253

 

 これらの霊は、巨大人の中で、水星の霊たちが構成している非物質的な物の記憶に相応している物質的な物の記憶に相応しているのである(水星の霊たちについて記述したことを参照されたい、7170番)。