血管

 

 

 

神の愛と知恵400[2]

 

「愛または意志は人間の形とその形の凡ての物へ向って絶えず努力している」。これは心臓と意志との相応から明白である。何故なら身体の凡ての物は胎内で形作られており、即ち、頭脳から発する繊維と心臓から発する血管により形作られ、この二つのものから凡ての器官と内臓との組織体が形作られることが知られており、このことから人間の凡ての物は、愛である意志の生命から、その第一原理により、繊維を通して頭脳から存在しており、その身体の凡ての物は心臓から動脈と静脈とを通して存在していることが明白であるから。このことから(愛とそこから発する意志である)生命は人間の形へ向って絶えず努力していることが明白である。そして人間の形は人間の中に在る凡ての物により形作られているため、愛または意志はこの凡ての物を形作るために不断に努力し尽力していることが推論される。神は人間であられ、神的愛と神的知恵とは神の生命であり、神の生命から生命の凡ての物が発しているため、人間の形に向かうこのような努力と力が存在している。何人でも以下のことを認めることが出来よう、即ち、真の人間である生命がそれ自身では生命でないものに働きかけない限り、人間の中に存在する物は一つとして形作られず、人間はその生命の容器と住居となるために、その中には無数の物が存在して、一つのものとなり、またその無数の物を存在させているその生命の映像となろうと努力している。この凡てから、愛とその愛から意志がまたその意志から心臓がその人間の形へ向って絶えず努力していることを認めることが出来よう。