噛む
啓示による黙示録解説454
ダンは種族の中でも最も端にいて、そこから、内部に従属した感覚的なものである教会の究極的なものを意味したため、それでかれについては以下のように言われている―
ダンは道にうずくまって馬のかかとを噛む蛇であり、騎手は後ろ向きに倒れるであろう(創世記49・17)。
『馬のかかと』により、感覚的なものである理解の究極的なものが意味され、『噛むこと』によりその究極的なものに執着することが意味され、『騎手』により、真理を歪めるところ、その究極的なものから発した知識の欠如が意味され、そうした理由から『その騎手は後ろ向きに倒れるであろう』と言われている。感覚的な人間は狐のように術策に富み、また狡猾でもあるため、それで主は以下のように言われている―
蛇のように細心でありなさい(マタイ10・16)。
なぜなら感覚的な人間は外観と迷妄[妄想]とから話し、論じるからであり、もし彼が論じる才能に巧みであるなら、誤謬をことごとく巧妙に、また信仰のみにかかわる異端をも確認する方法を知っているが、しかも真理を認める力では、彼以上愚鈍な者は殆どありえないほどにも愚鈍なのである。