神に近づく

 

 

天界の秘義6843

 

「かれは言われた、ここに近寄ってはならない」。これは彼は依然感覚的な物から神的なものを考えてはならないということを意味していることは、『エホバに近づくこと』の意義から明白であり、それは神的なものを考えることである。『近づくこと』は、それが人間が主に近づくことについて言われている時は、神的なものについて考えることを意味していることは、人間は、人間が人間に近づくように、身体をもって神的なものに近づくことは出来ないのであり、心をもって、かくて思考と意志とをもって近づくことが出来るためである。それ以外の方法で神的なものに近づくことは出来ないのである、なぜなら神的なものは場所と時間とに属した物の上方に存在され、人間における『状態』と呼ばれるものの中に、即ち、愛の状態と信仰の状態の中に存在され、かくて心の両方の能力の状態の中に、即ち、意志と思考の状態の中に存在され、これらのものによって人間は神的なものに近づくことが出来るからである。ここからここでは『ここへ近づいてはならない』により、彼は神的なものを考えてはならない、即ち、『彼が先ず脱がねばならなかった靴』により意味されている外なる感覚的なものから神的なものを考えてはならないことが意味されているのである。「依然」と言われているのは、自然的なものの外なる感覚的なものは最後に再生するものであり、かくて最後に神的なものから流入を受けるからであり、ここで取扱われている状態は未だ感覚的な物がその流入を受けることの出来る底のものではなかったのである。