いなご

 

 

 

1.聖書

2.究極的な自然的感覚的真理と善

3.最も外なる部分における誤謬

4.地上の有害な物は人間から発し、引いては地獄から発している

 

 

 

 

1.聖書

 

 

出エジプト記10・4

 

もし、あなたがわたしの民を去らせることを拒み続けるならば、明日、わたしはあなたの領土にいなごを送り込む。

 

 

 

出エジプト記10・12−15

 

 主はモーセに言われた。「手をエジプトの地に差し伸べ、いなごを呼び寄せなさい。いなごはエジプトの国を襲い、地のあらゆる草、雹の害を免れたすべてのものを食い尽くすであろう。」モーセがエジプトの地に杖を差し伸べると、主はまる一昼夜、東風を吹かせられた。朝になると、東風がいなごの大群を運んで来た。いなごは、エジプトの全土を襲い、エジプトの領土全体にとどまった。このようにおびただしいいなごの大群は前にも後にもなかった。いなごが地の面をすべて覆ったので、地は暗くなった。いなごは地のあらゆる草、雹の害を免れた木の実をすべて食い尽くしたので、木であれ、野の草であれ、エジプト全土のどこにも緑のものは何一つ残らなかった。

 

 

 

マラキ3・11

 

また、わたしはあなたたちのために

食い荒らすいなごを滅ぼして

あなたたちの土地の作物が荒らされず

畑のぶどうが不作とならぬようにすると

万軍の主は言われる。

 

 

 

マタイ3・4

 

ヨハネは、らくだの毛衣を着、腰に革の帯びを締め、いなごと野蜜を食べ物としていた。

 

 

 

黙示録9・1−4

 

第五の天使がラッパを吹いた。すると、一つの星が天から地上へ落ちて来るのが見えた。この星に、底なしの淵に通じる穴を開く鍵が与えられ、それが底なしの淵の穴を開くと、大きなかまどから出るような煙が穴から立ち上り、太陽も空も穴からの煙のために暗くなった。そして、煙の中から、いなごの群れが地上へ出て来た。このいなごには、地に住むさそりが持っているような力が与えられた。いなごは、地の草やどんな青物も、またどんな木も損なってはならないが、ただ、額に神の刻印を押されていない人には害を加えてもよい、と言い渡された。

 

 

 

黙示録9・7、10

 

さて、いなごの姿は、出陣の用意を整えた馬に似て、頭には金の冠に似たものを着け、顔は人間の顔のようであった。また、髪は女の髪のようで、歯は獅子の歯のようであった。また、胸には鉄の胸当てのようなものを着け、その羽の音は、多くの馬に引かれて戦場に急ぐ戦車の響きのようであった。更に、さそりのように、尾と針があって、この尾には、五か月の間、人に害を加える力があった。

 

 

 

 

2.究極的な自然的感覚的真理と善

 

 

黙示録講解543(ニ)

 

「いなご」は究極的な自然的感覚的真理と善

 

彼は聖言に究極的な意味を表象した。

 

 

 

 

3.最も外なる部分における誤謬

 

 

啓示による黙示録解説424

 

三節.「煙から地の上へいなごが出てきた」は感覚的なものになって、凡ゆる物を感覚とその迷妄から認め、判断する者らを支配している、最も外なる部分における誤謬と呼ばれて、感覚的なものとも呼ばれ―それについては間もなく述べよう―これらは聖言では『いなご』により意味されている。

 

しかしそれらははねまわって、草地と作物をくい荒らしてしまう畠のいなごのようには現れないで、ピグミーまたは小人のように現れたことを知っておかなくてはならない。そのことはまた、彼らについて、『彼らは頭に冠をつけ、人間のような顔を、女のような髪を、ししのような歯を、鉄の胸当てをもち、また彼らを治める王である深淵の使いをもっていた』と記してあることから明白である。(中略)

 

最も外なる部分における誤謬が、畑の草、薬草をくいつくす『いなご』により意味されているのは、それらが人間の中に迸り出てきて、教会の真理と善とをくいつくしてしまうためである、そのことは以下の記事から明白となるであろう―

(後略)

 

 

 

啓示による黙示録解説425

 

「彼らに地のさそりがもっているような、力が与えられた」は、彼らの誤謬が真理であると説きつける力を意味している。『さそり』により致死的な説得力が意味され、『地のさそり』により、教会に関連した事柄における説得力が意味され、『地』は教会を意味している(285番)。なぜならさそりは、人間を刺すと、肢体に知覚まひを引きおこし、それがいやされないと、死をもたらすが、彼らの説得もそれに相応した結果を理解に生み出すからである。以下の記事ではそれがまた『さそり』の意義である―

 

彼らとその言葉とのために恐れるな。彼らはとげである。あなたはさそりの間に住んでいる、彼らは顔は無情で、心は頑固である(エゼキエル2・4、6)。

 

イエスはそのつかわされた七十人に言われた。見よ、わたしは蛇とさそりを、また敵の凡ゆる力をふみつける力をあなたたちに与える、何ものも決してあなたたちを害いはしない(ルカ10・19)。

 

 

 

啓示による黙示録解説426

 

 4節.「彼らは地の草を害してはならない、いかような緑の物も、いかような木も害してはならない、ただ額に神の封印をもたない人間のみを害さなくてはならないと言われた」は、彼らは仁慈の中におらず、引いては信仰の中にもいない者を除いて何人からも信仰の真理と善のいかようなものもとり去ることはできず、またそれらの[信仰の真理と善の]情愛と認識も取り去ることができない、主の神的摂理を意味している。

 

 

 

黙示録講解543ロ(8)

 

感覚的な人の誤謬

 

 

 

 

4.地上の有害な物は人間から発し、引いては地獄から発している

 

 

神の愛と知恵345

 

地上の有害な物は人間から発し、引いては地獄から発していることは、聖言に記されているように、カナンの地の状態により示すことが出来よう。即ち、イスラエルの子孫が誡命に従って生活した時、地はその作物を増し、羊と牛も同じようにその仔を増したのであるが、彼らが誡命に背いた生活をしたとき、地は不毛となり、記事に従えば、呪われ、作物の代りに、茨とおどろが生え、羊と牛は早産し、野獣に襲われたのである。エジプトのいなご、かえる、しらみからも同じことを推論することが出来よう。」