芳香
1.アグレダのマリア
1.アグレダのマリア
アグレダのマリア/神の都市/P346
聖母の御埋葬は、エルサレム中の全信者に知れ渡り、人々はたくさんのローソクを持って来て棺台に立て、火を灯しました。ローソクの火は三日間続き、どのローソクも少しも減少せず変形もしませんでした。この奇跡以外にも多くの奇跡が起こり、信者だけでなく、大勢のユダヤ人たちを引きつけました。使徒たちは棺台を肩に担ぎ、聖なる御体、神の聖櫃、神の託宣と祝福の仲介者を市の高間からヨザファトの谷まで行列しながらお運びしました。天使たちも人目に触れず行列に参加しました。沿道で種々の病人たち全ては完治し、大勢の悪魔つきも悪魔を追い出してもらいました。ユダヤ人や異邦人たち多数が改宗し、私たちの救い主キリストを真の神として公言し、洗礼の要求を公に叫びました。この日改宗した人たちに聖い教えを教え、洗礼を授けるために、使徒たち、弟子たちは何日も忙しい思いをしました。沿道の人たちは皆、芳香、甘美なる音楽、その他の不思議に感嘆しました。人々はこの被造物なる聖母において力を示された偉大な神を公言し、胸を打ち、悲しみと悔やみの態度を示しました。
アグレダのマリア/神の都市/P346
ヨザファトの谷の聖なる墓に、聖ぺトロと聖ヨハネは天の宝である御体を安置し、リンネルの布をかけました。実際には両使徒よりも天使たちが主になってこの埋葬を遂行したのです。墓の前に大きな岩を置き、入口を封じました。天の宮廷に仕える天使たちは天に戻り、女王のおつきの千位の天使たちは御体を警護し、音楽を奏で続けました。人々は家に帰り、使徒たちは泣き崩れた後、高間に戻りました。芳香はその後一年間、家に存在し、祈祷部屋では何年間も匂いました。この聖所は労働や困難にうちひしがれている人々の避難所になり、病人も奇跡的に助けを頂きました。何年間かこれらの奇跡が続いた後、エルサレムの住民たちの罪が罰を招き、この計り知れない御恵みも途絶えました。