悲哀

 

 

天界の秘義3471

 

最初悲哀が生まれた理由は、真理が自然的な善の中へ挿入されつつあると、それは先ず苦痛を生み出すということである、なぜならそれは良心を抑圧して、不安を生じさせるからであるが、それはいくたの欲念が現存していて、それらにむかって霊的な真理は戦うためであるが、しかしこの最初の悲哀は徐々に減少し、ついには消え去って行くのである。それは苦しい手段により健康体を回復しなくれはならない病身の場合と同じであって、その状態の中では最初それは悲哀を覚えるのである。

 

 

天界の秘義6539

 

「彼らはそこで甚だしく痛ましく嘆き悲しんだ」。これは悲哀を意味していることは『悲しむこと』の意義から明白であり、それは悲哀である。ここに意味されている悲哀は導入される悲哀である(6537番)、なぜなら導き入れるもの[最初のもの]である善と真理とのいくたの知識が善の中に植付けられて、教会の善となる以前には悲哀が起るからである、なぜなら他の一つの状態が自然的なものに招致されて、そこの記憶知が異なった状態に置かれ、かくてその人間が以前愛していた記憶知が破壊されなくてはならず、そのため彼は試練を受けなくてはならないからである。ここから悲哀が生まれ、それが彼らが痛ましく嘆き悲しんだことにより表象されているのである。