計り知れない恵み

父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた(ヨハネ15・9)

 

1.ヴァッスーラ

2.トマス・ア・ケンピス

3.マリア・ワルトルタ

 

1.ヴァッスーラ

 

ヴァッスーラ/神のうちの真のいのち/10巻P41

‘99・6・21

 

あなたのうちに住まい 私どもの愛を知らせるように 私は聖霊を送った、こうしてあなたの霊魂を変容し 私どもを渇望させ、悦んでこう宣言できるようにさせた、「私は神を所有し、神も私を所有しておられる!」と。 我がヴァッスーラ、この言葉、あなたが自らのうちに住まうのを許した愛の霊につき動かされ、甘美に語られたこの言葉を口にするには、計り知れない恵みを受けなければならない。

 

 

ヴァッスーラ/神のうちの真のいのち/10巻P239

‘02・8・7

 

私の言葉を読んでいるあなたは、こう言えようか、「私は 神をどう所有するかを学びました、そのお方は私の父となられ ご自分の超越性を決して失わずに自らを現して下さいました。 あらゆる存在を包み ご自分の輝かしい光ですべてを満たしながら それらの限界には捕われない神は 私をも所有して 私の中にある一切が 神のご意思にそうように整えられました」と、一切は、そう、私に由来する一切は、神の愛を軸として回る。

 

以前にも言ったが、今の言葉を宣言するには 計り知れない恵みを受ける必要がある。 これらの言葉を宣言できないなら すべてを背後に置き去り 私のもとに今来て 悔い改めなさい! それから 聖霊が降りて来てあなたをその光で侵略し 霊魂をカテドラルに変えるのを許すがよい・・・

 

ああ そうしたなら、どれほど聖霊は、悦びもって、あなたに必要なものを供えて下さるだろう! 私が教えてきた基礎を 聖霊はあなたのうちに据えて下さる、すなわち あなたの神なる私を観想するという 真の神学を。 こうした観想のうちに霊魂は 恍惚として高みへと飛翔しつつ 神なる私を深く観想するだろう。 そのとき我が統治が あなたのうちに始まる。 そのとき、聖霊は 変容もたらすご自分の息を あなたの上に吹きかけ 英知ご自身を通してあなたの霊に 徐々に神の真実を現して下さる。 聖霊は この時代の哲学者や賢者たちが今日に至るまで 愚かしくばかげていると呼ぶすべての事柄を明らかにしよう。あなたは 我が愛の崇高さと、私が霊魂に備えることができる神の豊かさと そこからどんな利益が得られるかを 聖霊の光によって理解し 認識しよう。 私どもがあなたのうちに住まい あなたも私どものうちに住まうなか 私はあなたを聖化する。 聖書でもこう書かれている、「私のうちに住まいを定めなさい、私もあなたのうちに住まいを定める。」あなたは 真のぶどうの木(*)の一部となろう。

 

そう! 私は 霊魂のうちに私自身を 恵みとして授ける。 あなたに、神なる、私は、魅了された。その弱さにもかかわらず あなたのうちに深く住まうほどに、魅了されている。 我が三位一体の聖性を あなたが観想すればするほど、私をいっそう理解しよう。 私をいっそう知れば知るほど さらにいっそう私の似姿をあなたのうちに反映させる。

 

*イエス・キリスト。

 

 

2.トマス・ア・ケンピス

 

トマス・ア・ケンピス/キリストに倣いて/3・5・5

 

愛は用心し、眠っている間でさえ眠らない。

疲れても弱らず、圧迫されてもひるまず、おどされてもうろたえず、烈々炎のように、炎々炬火(たいまつ)のように、天に向って燃え上がり、何事もなく万難を突破して行くのである。

 

愛する者はだれでもこの声の叫びを知る。

その魂の熱烈な愛は、「私の神よ、私の愛よ、主はまったく私のもの、私はまったく主のもの。」という神のおん耳に達する高い叫びなのである。

 

 

3.マリア・ワルトルタ

 

マリア・ヴァルトルタ/「手記」抜粋/天使館/霊のパン/2009.10/5号/P58

 

 魂とイエズスとの間で交わされた対話の中でイエズスは尋ねます。「あなたは私の杯を飲めますか?」そして魂は答えます。「はい、飲めます。私は主のようになりたいのですから。麦の粒は死ななければ、実を結ぶことがないことを理解しましたから。十字架に架けられるときのみ、魂は神に引き付けられることを理解しましたから。そしてとりわけ、あなたの渇きは愛のほかどんな飲み物も潤すことのできない渇きであることを理解しましたから」。

 神に身を捧げるとは、したがって、苦しみに身を捧げるということです。

 しかしキリストのために、キリストと共に耐えるのは苦しみなのでしょうか? いいえ、それは喜び、とても深く、限りのない喜びなのです。とても長い年月、あらゆる苦しみが押し寄せてきましたから、私ははっきりとそう言うことができます!

 

 

マリア・ワルトルタ83・2/天使館2巻

 

「苦しむことは何と難しいことだろう!」と、農夫は、一堂に集まった大人、子供合わせて十人ほどの家族に囲まれて言う。

「人間にはそれが難しいことをわたしは知っています。また、父は、そのようなものと知っていて、苦しみを子らにお与えになったのではないのです。それは罪によってもたらされました。それはそれとして、地球上での苦しみはどれほど続きますか? ある人の人生においては? ほんのちょっとの時間です。全生涯続いたとしても、やはり短い時間です。今、わたしは言います。永遠に苦しむよりも短い間苦しむほうがましではありませんか? 煉獄で苦しむよりもこの世で苦しむほうがましではありませんか? あちらではこの世の一時間はその一千倍にもなることを考えなさい。 おお! まことにあなたたちに言いますが、苦しむことを呪わず、いやむしろ祝福すべきです。更にそれを『恩寵』と呼びなさい。更に『慈悲』と呼びなさい」。