頭が固い
天界と地獄354
私は学者たちの多くの者と彼らが世から去った後話すことを許された、その或る者はすぐれた名声の持主であって、文学界ではその作品のために知れ渡っており、また或る者はそれほど有名ではなかったものの、しかしそれでも非凡な才能を持っていたのである。心で神的なもの[神]を否定した者らは、いかほど口では神を告白しても、非常に愚劣なものとなって、社会的な真理を殆ど何一つ理解出来ず、まして霊的な真理は何一つ理解出来なかったのである。彼らの心の内部は黒く見えるほどにも閉じられ―なぜなら霊界ではこうした物は目に示されるからである―それで彼らは天界の光には全く堪えることは出来ず、また天界からのいかような流入も許容することが出来ないことが認められ、また見られもしたのである。その内部に見られたその黒さは、科学と学問によって神的なものを強固に否認した者のもとでは更に甚だしく、またその範囲も広かった。こうした者は他生では誤ったものを凡て歓喜をもって受け入れ、それをスポンジが水を吸い込むようにも吸い込むが、真理はバネのきいた骨質の物がその上に落ちて来るものを跳ね返すように、跳ね返すのである。神を強く否認して、自然を確認した者の内部は骨のようになり、その頭もまた、鼻までも、象牙のように固く見えるとまた言われているが、それは彼らは最早認識を何ら持っていないことを示しているのである。こうした種類の者は沼のように見える泥の中に浸され、そこでその誤謬から変化してきた妄想のため絶えず不安の状態に置かれている。彼らの奈落の火は栄誉と名声を求める欲念であり、その欲念から彼らは互に罵り合い、奈落の熱意から、そこで自分を神として拝まない者を責め苛み、これを交互に繰返している。神的なものを承認することによって天界から光をそれ自らの中に受け入れなかった世の学問は凡てこのような物に変化する。