悪にいる限り善を見ることは出来ない

 

 

 

神の愛と知恵271

 

自己への愛から支配への愛にいる者はその愛の中に他の凡ゆる種類の楽しさにまさった生命の楽しさを感じ、従ってその愛に属する物を凡て善と呼び、それに反した物を凡て悪であると公言するが、しかし真理はその反対である。それは他の凡ての悪にも言われる。それ故凡ての人間は悪と善とは相反したものであることを承認はしているが、悪にいる者はこうした反対にいて逆の考えを抱いており、ただ善にいる者のみがそれについて正当な考えを持っているのである。何人でも悪にいる限り善を見ることは出来ないが、しかし善にいる者は悪を見ることが出来る。悪は洞窟にあるように下にあり、善は山の上にあるように上にある。