フルトヴェングラー指揮

シューベルト・交響曲第九番 ザ・グレート(CD)

1942年12月8日録音 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 

 

 

ジャック・ネランク/あなたは預言を無視しますか・現代の預言者ヴァッスーラに聞く/天使館/P17

 

「現在は、クラシック音楽にしか興味がありません。回心するまでは、クラシック音楽なんて大嫌いでした。どう説明すればいいのでしょう。何が起こったのかをありのままに、お話ししましょう。私はデンマーク発タイ行きの飛行機の機内にいました。十一年前にはバングラデシュに住んでいたからです。守護の天使とはコミュニケーションがあって、私自身の心の中で天使の話しかける声が聞こえ守護の天使の姿が見えました。天使は音楽のことでも私を教育したがり、ポップスやロックをいっさい忘れさせて、むしろクラシック系の音楽を聞かせようとしました。天使は私と話をしているとき、「ヘッドホーンをつけて、これから始まる音楽を聞きなさい。私からの贈り物です」と言いました。それはシューベルトの交響曲第九番でしたが、すぐにひらめくものがありました。たちまちのうちに好きになり、同じ番組で流れる曲目もすべて好きになりました。すると突然、誰かがポップスをかけたりすると、気分が悪くなり、聞くのが耐えられなくなったのです。シューベルトなどクラシック音楽の作曲家のカセットをどっさり買い込みました。聞くことに飢えていたみたいに、何でもすべて買ったんです。そしてポップス系の音楽は全部捨てました。」

 

 

 

1999年、ヴァッスーラのこの言葉を読んで私はシューベルト交響曲第九番の存在を知りました。「ザ・グレート」という呼称の曲です。

何年か後、恐らく2007年〜8年頃、とりあえずカラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー演奏のCDを買い求めてみました。

最初少し泥臭いと思いましたが、その素朴、単純、純真無垢で明るく力強いところが気に入りました。しかし、その後はあまり聞きませんでした。

 

2011年、最後の転勤先でフルトヴェングラー・ファンの方に出遇い、フルトヴェングラー指揮のものを買い求めました。それはウィーン・フィルハーモニー演奏1943年5月12日ストックホルム・コンサートホール(ライブ録音)というCDでした。

 

その人に報告すると、違います、それではなく、この室内録音版ですと仰って、下さったのが表記のCDでした。

 

確かにものすごい迫力でした。特に第一楽章、第四楽章が。ティムパニーの音が大音響で轟き渡ります。同じフルトヴェングラー指揮でも全然違います。これを聞いてしまうと、カラヤンのものなどは美しくスムーズなのですが、ティムパニーが鳴っているかどうかも分からないくらいの印象になってしまいます。

 

 

私はこの「ザ・グレート」を聞くと黙示録を連想します。大水のとどろきのような声(黙1・14)、天から響く大水のとどろくような音、激しい雷のような音(黙14・2)やミカエルたちと竜との戦い(黙12・7)、白馬に乗った天の軍勢が主に従って進撃する場面(黙19・14)などを。ある個所は天使の軍団が主に従い、粛々と進軍するような美しいイメージです。

そしてとにかくこれを聞くと心が高揚され、勇気が出てきます。まさに「ザ・グレート」の名にふさわしい壮大な曲だと思います。天使がヴァッスーラに薦めたという理由が分かります。

 

ヴァッスーラにも、勤務先の先輩にも感謝です。主はこうして私に勇気の出る名曲、名録音をプレゼントしてくださったのでしょう。

 

2016年6月10日