サレムの王

 

 

天界の秘義1726

 

「サレムの王」。これは内的なまたは合理的なものの方面の平安の状態を意味していることは『サレム』の意義から明白である。原語では『サレム』は『平安』を、また『完成』を意味しており、かくてそれは平安の状態と完成の状態とを意味している。平安の状態は主の王国の状態であり、その状態の中では主の天的な霊的なものはその朝の中に、その春の中に存在しているように存在している、なぜなら平安は早朝の暁に、春時の春に似ているからである。暁と春とはそのとき感覚にふれる凡ゆるものを喜びと歓喜とに満ち満ちるようにするのであり、各々のものは情愛を暁と春時の全般的なものから汲み出している。主の王国の平安の状態も同様であり、その平安の状態にあっては天的な霊的なものは凡ていわばその朝のまたは春の花と微笑の中にあり、すなわち、その幸福そのものの中にあるのである。そのように平安の状態は凡ゆるものを感動させている、なぜなら主は平安そのものであられるからである。