密通

 

 

サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書/P60

 

不義密通せる者の霊

 

わたしは、霊の世界にきて間もない一人の密通者の霊をみた。舌は渇き、疲れた者のごとく垂れ下がり、鼻の穴は膨れ上がり、辺りに拳を打ちつけ、まるで何かの火が内側から彼の身を焦がしているかのようである。その姿はあまりに邪悪で忌まわしく、わたしは思わずめを背けたほどであった。贅沢と快楽のための品々をすべて現世に残し、今、彼は狂犬のごとく辺りを駆け回り、叫び声をあげていた。

「ちくしょう! ここには苦しみを終わらせる死がない。ここじゃ、霊は死なないのだ! そうでなければ、苦しみから逃れようと現世でピストル自殺したように、また自殺してやるのに。だが、ここの苦しみは現世の苦しみよりずっと大きいのだ。どうしたらいいのだ」。彼はこういいながら、似た心の霊たちがいる闇の中へと走り、姿を消してしまった。

聖徒の一人がいった。「汚れた行為ばかりが罪なのではない。汚れた想念、汚れた視線も罪なのだ。この罪は見知らぬ女との姦通にのみいえることではない。妻との間に過ぎた獣的関係をもつこともまた罪である。夫婦は快楽のためではなく、支えあい助けあうため、本当の意味で一緒になるのだ。子供とともに、人類への奉仕と神の栄光に生きるようにするためである。この生の目的から外れる者は姦淫の罪を負うことになる」と。