マタイ

 

 

 

 

 

 

マリア・ワルトルタ/イエズスに出会った人々1/P316

 

「アルフェォの子、マテオ。時が来ました。いらっしゃい。私について来なさい」こう威厳をこめて、イエズスは命令する。

「私?先生、主よ!私がだれだかご存じですか。これを私のためでなく、あなたのために言うが・・・」

「おいで、私について来なさい。アルフェオの子マテオ」と、もっと優しく繰り返す。

「私が神のみもとに嘉されるだなんて、どうしたことか。私・・・私」

「アルフェオの子マテオ。あなたの心を読みました。いらっしゃい、私について来なさい」

三度目の招きは、いつくしむようである。

「おお、すぐに。私の主よ!」

マテオは泣きながら、机の上に散らばっている貨幣を集め、金庫を閉めるのもそこそこに席を立って出てくる。

 

 

マリア・ワルトルタ/マグダラのマリア/P44

 

良いことを行うには清くあれ。施しをする時でも。一人の税吏は回心する前にすでにそうしていた。そして、おまえたちにはできないのか。そうだマテオ、私とおん父だけが知っていた毎週のその清い寄付のためにおまえをほめる。そして、おまえの模範を皆に知らせること。これも一つの清さである。自分の心の良さをむき出しに衆目の前にさらさずにおきなさい、処女の娘を裸に・・・群集の目の前にさらしたくないと同じく。