マリア・シンマ

(1915〜)

シスター・エマニエル著/

マリア・シンマとのインタビュー

『煉獄に居る霊魂の驚くべき秘訣』

高間友の会発行/

 

 

マリア・シンマはオーストリアの人。ソンタグという美しい村に一人で暮らしています。シスター・エマニエル(ドン・ボスコ社/『メジュゴリエの証言者たち』の著者)がマリアに1999年にインタビューした内容が紹介されています。 当時マリアは84歳とありますから、1915年生れと思われます。1940年、25歳の頃から煉獄の霊魂たちがマリアを訪れます。彼女はたくさんの霊魂を助けます。スウェーデンボルグの言っていることとも共通のことがたくさんあります。

 

先日、この本を敬愛する姉妹が送って下さいました。以前一度読んだことがあるのですが、今回探したら手元に見当たらなくなっていました。久しぶりに再読させていただきました。コンパクト(全77頁)ですが、貴重な内容に溢れ、とてもよい本です。改めて認識しました。

 

 

高間友の会/シスター・エマニエル/マリア・シンマとのインタビュー 煉獄に居る霊魂の驚くべき秘訣/

 

P14

 

マリア、煉獄に霊魂を送るのは神ですか。それとも自分でそこへ行くことを決断するのですか。今話してくださいますか。

 

 霊魂自身が地獄に行きたいのです。それは天国へ行く前に清い者になるためです。

 

 

P14

 

マリア、死の瞬間に人には神がはっきりと見えますか。それともぼんやり見えますか。

 

 ぼんやりと見えるのですが、やはりそれは霊魂の中に神に近づきたいという強烈な熱望を起すほどの明るさです。

 

 

P15

 

マリア、煉獄の霊魂に対する聖母の役割は何でしょうか。話していただけますか。

 

聖母は度々彼らを慰めに来られ、彼らが多くの善行をしたとおっしゃって彼らを勇気づけられるのです。

 

 

P15

 

マリア、なぜ人は煉獄へ行くのですか。煉獄へ行く最大の原因となるのはどんな罪ですか。

 

愛に反する罪です。自分の隣人への愛に反する罪、心のかたくなさ、敵意、悪口、中傷 ― そのようなものすべて。・・・人について悪いことや本当でないことを言うのは自分を最も汚す罪の中の一つであり、長期間の清めを必要とします。

 

 

P17

 

マリア、どうか教えてください。まっすぐに天国へ行く最大の可能性のある人はどういう人ですか。

 

すべての人に対して良い心のある人です。愛は多くの罪を覆います。

 

 

P18

 

煉獄に行くのを避けて天国へ直接行くためには地上の生活においてどうしたら良いでしょうか。

 

煉獄にいる霊魂を助けるために大いに働かなければなりません。その代わりに彼らは私たちを助けてくれます。ずいぶん謙遜でへりくだっていなければなりません。これが悪に対する、また悪しき者に対する最大の武器なのです。謙遜は悪魔を退散させます。

 

 

P31

 

マリア、地上で功績を得ることが出来るのに、煉獄ではどうして功績を得ることが出来ないのですか。

 

 死の瞬間に功績を得る時が過ぎてしまうからです。地上に生きている間は私たちが犯した罪を是正することが出来ます。煉獄にいる霊魂は私たちに与えられているこの可能性をうらやむのです。天使たちさえ私たちを羨みます。なぜなら、私たちは地上で生きている間は、成長することができるからです。

 

でも地上では人生で直面する苦しみが度々反逆を起し、その苦しみを受け入れ、それを生きるのは難しいです。苦しみが良い実を結ぶにはどのようにすればよいでしょうか。

 

 苦しみは神の愛の最大のしるしです。その苦しみを捧げるならば多くの霊魂を得ることが出来ます。

 

しかしどのようにして苦しみを(度々しているように)罰や懲らしめとしてではなく、恵みとして受けることが出来ますか。

 

 すべてを聖母マリアに捧げなければなりません。聖母マリアは、救われるために誰がどんな苦しみをお捧げする必要があるかを一番よくご存知であるお方です。

 

 

P33

 

マリア、煉獄にいる霊魂は苦しみを受けていることに反抗しますか。

 

 いいえ。彼らは自らを清めたいのです。苦しみが必要であることを悟っています。

 

 

P33

 

死の時点で痛悔または回心の役割は何ですか。

 

 痛悔は非常に大事です。痛悔によって罪は必ず赦されますが、罪の結果は残ります。死ぬ時に全免償を受けたいならば ― それはまっすぐ天国へ行けるという意味です ― 心はあらゆる執着から解放されていなければなりません。

 

 

P34

 

マリア、死の時点で人が永遠の世界に入る前に、まだ神に立ち戻る機会が与えられますか。 ― 死んだと思える時と実際に死んだ時との間の一瞬 ― たとえその人が罪の人生を送ったとしても。

 

 はい、はい。主は一人一人に数分間を与えます。霊魂たちはそれを証しします。それは罪を後悔するためと、主と顔を合わせたいか否かを決断するためです。その時、自分の生涯が映画のように目に映ります。

 教会の教えを信じていたのに永遠の命を信じなかった人を知っていました。ある日彼はひどい病気になって昏睡状態に陥りました。彼は黒板のある部屋に自分がいるのに気づきました。その黒板には良いことと悪いこと、つまり彼が行ったことすべてが書かれていました。それから部屋の壁も黒板も消えてしまって、果てしなく美しかったのです。そのとき彼は昏睡から目覚めて、自分の生活を変える決心をしたのです。

 

 

P35

 

マリア、死の時に神は同じような明確さですべての霊魂にご自分を現しますか。

 

 一人一人は自分の生涯のことを示され、また今から受けるべき苦しみも示されます。しかし皆が同じではありません。神が見える明るさは各自の人生によります。

 

 

P35

 

マリア、死の時に悪魔は私たちを攻撃することを許されていますか。

 

 はい。しかし人間には彼に抵抗し彼を退ける助けが与えられています。だから人が悪魔と何の関わりも持ちたくないなら悪魔は何も出来ません。

 

 

P38

 

イエス様ご自身は煉獄へ来られるのですか。

 

そんなことを話した霊魂は一人もいません。来られるのは神の御母です。一度私はある哀れな霊魂に、私が調べるように頼まれた別の霊魂をご自分で探しに行くことが出来るかを尋ねました。その霊魂は答えました。「いいえ。そのことについて私たちに教えてくださるのは慈母マリア様です。」と。

 また、天国の霊魂たちは煉獄へは来ません。その代わりに天使たちがそこに居るのです。聖ミカエルとか・・・それぞれの霊魂には守護の天使がついています。

 

 

P39

 

今日では多くの人が生まれ変わることを信じていますが、霊魂たちはそれについてどういうことを話しますか。

 

 霊魂たちは神は一つの生命だけを与えるのだと言っています。

 

しかし、一つの生命では神を知るためにも、本当に回心する時を持つためにも足りないので不公平だと言う人もいます。あなただったらどう返答なさいますか。

 

 すべての人は内面的な信仰(良心)を持っています。たとえ彼らが心がけなくても彼らはそれとなく絶対的な神を認識しているのです。信じない人、そんな人はいないのですよ! 各々の霊魂は善悪を見分ける良心を持っています。神から与えられた良心、つまり内面的な知識というものをね。もちろん、程度の違いはあっても、めいめい善悪を見分ける方法を知っているのです。この良心によって一人一人が幸せを得ることが出来るのです。

 

 

P40

 

自殺した人にはどういうことが起りますか。こういう人たちの訪問を受けたことがありますか。

 

 今までのところ、自殺した人で永遠に滅びた人の例に遭ったことは一度もありません。それは勿論、そういうケースが存在しないという意味ではありません。が、度々、怠慢であったり中傷を広げる周りの人々の罪の方が大きい、と霊魂たちは私に言うのです。

 

この人たちは自殺したことを後悔していますか。

 

 はい。しばしば自殺は病気の結果です。この霊魂たちは自分たちの行為を後悔するのです。彼らは神の光の中で物事が見えるのですから。彼らは、彼らがまだずーっと生きるために残してあった時間に彼らのために用意してあったすべての恵みを即座に理解するのです。 ― 彼らのために残してあったこの時間を、時には何ヶ月もあるいは何年も、しかと見るのです ― また彼らには、神に命の残りを捧げることによって助けて上げることが出来た霊魂たちすべてが見えるのです。ついに彼らの心に最も堪えるものは、彼らが自分の命を短くしたために、出来たはずだったのにしなかった善業を見ることです。

 しかしその原因が病気の時は、主は当然これを考慮に入れてくださいます。

 

マリア、薬物とその使いすぎによる「自己破壊者」の霊魂の訪問を受けた事がありますか。

 

 はい。彼らは永遠に滅んでいません。すべて薬物を使うようになった原因によるのですが、彼らは煉獄で苦しまなければなりません。

 

 

P41

 

たとえば、私が肉体的にあるいは精神的にあまりにも苦しみ、その苦しみがあまりにもきつくて死にたいと言えば、私は何をすることが出来ますか。

 

 はい。これは非常によくあることです。私だったらこう言います。「私の神よ、私はこの苦しみを霊魂を救うために捧げます。」と。そうすれば、主は私に新しい信仰と勇気を与えてくださいます。しかし最近はもうこのように誓う人は一人もいません。これを行うことによって魂は大きな至福、すなわち天国での大きな幸福を得るのだと、言うことも出来ます。天国には何千種という異なったタイプの幸せがありますが、各自が完全に幸福なのです。望みはすべてかなえられていますから。もうこれ以上何も報いられないことを皆は知っています。

 

 

P42

 

マリア、お尋ねしたいのです。他宗教の方 ― たとえばユダヤ教徒 ― があなたを訪ねて来たことがありますか。

 

 はい。彼らは幸せです。信仰をよく生きる人は誰でも幸せです。でも神のもとへ行くために最も多く獲得するのはカトリックの信仰を通してです。

 

霊魂にとって悪い宗教がありますか。

 

 いいえ。しかし地上には非常に多くの宗教がありますからね! いちばん近いのはギリシャ正教とプロテスタントです。ロザリオを唱える多くのプロテスタントがいます。が、宗教的なセクトはとても有害です。宗教的なセクトから人々を引き出すためにあらゆる方法を使うべきです。

 

 

P43

 

マリア、煉獄に子供はいますか。

 

はい。しかし彼らのための煉獄はあまり長くないし、そんなに苦しくありません。彼らは識別がほとんどないからです。

 

ある子供たちはあなたを訪ねて来たと思います。四歳の女の子、あなたが見た最年少のこの幼い子供の話をしてくださいましたね。話して下さい。彼女はなぜ煉獄にいたのですか。

 

彼女はクリスマスプレゼントとして両親から人形をもらいました。彼女は双子の姉妹の一人で、もう一人の子も人形をもらったのです。この小さな四歳の女の子は自分の人形をこわしてしまいました。彼女は誰も見ていないと分かったので、ひそかに姉妹の人形の置いてあった所に壊れた人形を置きに行って、人形を交換したのです。姉妹の気が動転するだろうということが彼女の小さな心で充分よく分かっていながら ― 彼女にはそれがウソであり不正行為であることも大変よく分かっていたのです。このためにかわいそうにこの女の子は煉獄で苦しまなければならなかったのです。

 実際に、子供たちはしばしば大人たちより敏感な良心を持っています。彼らの場合は、偽りと闘うことは何よりも必要なことです。彼らは偽りにとても敏感です。

 

子供の良心を鍛えるために親はどのように助けることが出来ますか。

 

まず、良い模範を通してです。― それが一番大事なことです。次に、祈りを通してです。親は子供の上に神の祝福を祈り、神のことをよく教えなければなりません。

 

 

P44

 

あなたは地上で性的倒錯行為を行った霊魂の訪問を受けたことがありますか。

 

 はい。彼らは永遠に滅んでいません。清められるために大いに苦しまなければなりません。例えば同性愛、これは本当に悪魔から来るのです。

 

では、同性愛で苦しんでいるすべての人々にあなたはどういう助言をなさいますか。

 

 それを捨てるための力強さを得るために大いに祈りなさい。特に大天使ミカエルに祈るべきです。彼は悪魔に対して並外れて優れた偉大な戦士です。

 

 

P45

 

魂を最終的に失うようにと私たちを導く心の持ち方、つまり地獄へ行く原因となることは何ですか。

 

 それは魂が神の方へ行きたくないと思う時で、その霊魂が実際に「私は行きたくない」と言う時です。

 

マリア、このことを明確にしてくださってありがとう。

 

これについてメジュゴルイエで出現を見ている内の一人であるヴィッカに質問したことがあります。彼女は地獄を見たのですが、次のように話してくれました。地獄に行く人たちは、「地獄に行く」と単独で決心した人たちだけなのです。誰かを地獄に入れるのは神ではないのです。 ― それどころか、神は救い主ですから霊魂たちにご自分の慈しみを喜んで受けるようにと懇願なさるのです。イエス様が話されている赦されない罪、すなわち聖霊に対する罪は、慈悲に対する絶対的な拒否です。それも、完全に知りながら、完全に認識しながら。ヨハネ・パウロ2世は慈悲に関する回勅の中でこれを非常に上手に説明しています。ここでも私たちは、永遠に滅びる危険にある霊魂のために祈りで大いに助けることが出来るのです。

 

 

P48

 

死んだ人々の霊を呼び起こすことや霊応盤等の交霊術の行為をどう思いますか。

 

 それはよくありません。それはいつも邪悪です。テーブルを動かすのはいつも悪魔です。

 

 

あなたが故人の霊魂と関わっていることと、交霊術の行為との違いは何ですか。

 

 霊魂たちを呼び出してはいけません。私は霊魂たちに来て欲しいと呼びかけていません。交霊術では人は彼らを呼び起こすようにするのです。

 この区別は全くはっきりしています。私たちはそれを非常に重大なことと考えなければなりません。もし人々が私が言ったことを一つだけでも信じるならば、それは次のことであってもらいたいのです。すなわち、交霊術(テーブルを動かすこととそういう種類のほかの行為)をする人たちは、自分たちが死者を呼び出していると思っているのですが、実際にもし彼らの呼びかけに応答するものがあれば、それはいつでもそして例外なくサタンとその天使たちです。彼らが返事しているのです。交霊術師(占い師、魔法使い、霊媒師など)は、彼ら自身にとっても助言を求めて彼らのもとへ来る人々にとっても、非常に危険なことをしているのです。彼らはウソにすっかりはまり込んでいるのです。死者を呼び起すことは禁じられています。厳しく禁じられているのです。私に関する限り、私はそんなことは一度もしたことがありません。今でもしていません。これからも絶対にしません。何かが私に現れる時には神だけがそれを許してくださいます。

 当然のことながらサタンは神から出るあらゆることを真似ることが出来るので、実際にそうするのです。彼は死者の声や風采を真似ることが出来ますが、どんな種類の表現もすべていつも悪魔から来るのです。サタンが病気を癒しているように見えることさえありますが、そのような癒しは決して続きません。度々あるように、サタン自身が起している病気なので、何かの理由で彼が去って行けば病気も消えるのです。実際に、体の創造主である神のみが癒すことがお出来になります。

 

 

 

 

 

 

 

以上

2011年2月12日