婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない

ルカ14・8

 

 

 

トマス・ア・ケンピス/キリストに倣いて/2・10・4

 

いつもみずから一番下の席につけ、そうすればあなたは一番上の席に案内されるだろう。一番下がなければ一番上もないからである。

神のおん目から見てもっとも偉大である聖人がたは、かれら自身の目から見ればもっとも小さい者である。その誉れが高くなればなるほど、かれら自身は謙遜になる。

真理と天の栄光とに満たされている人々は、決してむなしい誉れなど望まない。神に根底をおいてしっかりと立っている人々は、決して高慢な心など起すはずがない。

自分の受けるようことをすべて神のおかげと思う人は、人間がおたがいに授けたり受けたりする名誉などは求めないで、ただ神から出る光栄(さかえ)だけを望む。そして自分や諸聖人において神が他のすべての物に超えて賛美せられたもうことをこい願うが、これこそかれらの力を尽くす唯一の目的なのである。