革命

 

 

マリア・ワルトルタ/イエズスに出会った人々1/P261

 

そうです。皆がそう考えれば互いに憎しみはなくなります。さっき、あなたは、あの人たちの“宗教”は何でしょう、と言ったけれど、それに私が答えます。

 第一の掟は、神と隣人への愛を命ずる聖なる宗教です。敵国であっても、法律への従順を教える宗教です。イスラエルの兄弟たちよ、聞きなさい。神のゆるしなしにこの世で起こることは何もない。自国にとって比類もなく不幸な、敵の侵入にしてもそうです。しかし、そこの人々が率直に自分の行動を調べるならば、そのような不幸はほとんどいつも神にそむく己の生き方によるものだと告白すべきです。

預言者たちを思い出しなさい。預言者たちは、これについて何度も話したことがあります。過去、現在、未来のいろいろな例を引いて、それは感謝のない息子に対する神のむちだと教えています。それと同時に、神へ戻ることがその罰を避けるための唯一の方法だとも教えました。いろいろな傷を治し、涙を拭い、鎖を解くのは、戦争や友達や革命ではない。正しい人として生きることです。そうしたら神は手助けしてくださいます。善人たちのために戦っている天使の軍団に比べて、人間の軍隊にどんな力がありますか。私たちは打たれているのですか。そうしたら、神の子らとして生きることで、そんなことが起こらないようにしなさい。新しい罪によって、あなたたちの鎖を太くしてはならない。

 異教徒たちに、あなたたちの生き方を見て、この人々には宗教がないとか、自分たちよりも悪いやつだとか考えさせることがないようにしなさい。あなたたちは神自身から律法をもらった民なのだから、それを守りなさい。あなたたちの征服者も、あなたたちの鎖の前にひれ伏させ、こう言わせなさい。

『この人たちは敗北した人々だが、私たちよりも偉大である』と。

 この偉大さは数や金や武器によるものではなく、神の勢力からくるものです。聖なる完全な力強いまことの神の父性がここに輝き、その子らによって現されます。そうしたら、異教徒たちもまことの神を認め、誤謬を捨てます。神の民の中で、最も貧しく知識のない人でも、聖なる生活をもって異教徒たちにどのように生きるべきかを教えることができます。