地獄の労働

 

 

1.怠け者には(食べ物は)少しも与えられはしない

 

 

 

1.怠け者には(食べ物は)少しも与えられはしない

 

 

結婚愛6

 

それで天界では、身体のための食物は各々にその者の遂行する用に従って与えられており、それは卓越した用にいる者には、ぜいを極めており、中庸の度の用にいる者には普通ではありますが、微妙な風味があり、低い用にいる者には単純なものでありますが、しかし怠け者には(食べ物は)少しも与えられはしないのです。

 

 

 

啓示による黙示録解説153・7

 

再三解任されると、或る者は飽き飽きしてしまって、また或る者は世間の評判を悪くしはしないかと恐れて、最早役職を求めようとはしなくなり、それで身を引いて、悲しげに坐り、それから荒地へ連れられて行く。そこには小屋があり、そこへ彼らは入って、何らかの種類の仕事が与えられる、彼らはそれを行うと、食物を受けるが、もし行わないと、飢えて、何一つ食物を受けはしない、それで苦しさのあまりに仕事へ強制される。そこには自然界に似た食物が在るが、しかしそれは霊的な起原から発していて、天界から主により凡ての者へその者たちの行う用に応じて与えられているが、怠け者にはその者らは何らの用も果さないため、何一つ与えられはしない。

 

 

 

啓示による黙示録解説153・8

 

 しばらくすると彼らは仕事を嫌って、その小屋から出て行くが、もし祭司であったなら、建築しようとする。するとすぐに切り石や、煉瓦や垂木や、板の山が現れる、またよしや葦やねば土や、石灰や、ちゃん(瀝青)の山も現れる。これを見ると、建築欲が燃え上って、彼らは或は石を、或は木を、或はよしを、或はねば土を取り、それらを秩序も無しに、しかし彼ら自身の目には秩序整然として、互に積み重ねる。しかし彼らが日中建てるものは夜になると崩れ落ちてしまう。すると翌日彼らはそのがらくたを集め、再び建てそれをずっと続けるが、遂にはそれにも倦いてしまう。こうしたことが行われるのは、彼らは信仰のみによる救いを確認するため、幾多の誤謬を寄せ集めたからであり、こうした誤謬は他のいかような方法によっても教会を建設はしないのである。

 

 

 

啓示による黙示録解説153・9

 

 それから彼らは倦き倦きして去り、一人淋しくすることも無く坐っているが、怠け者は、前に言ったように、天界から食物は与えられないため、彼らは飢え始めて、どうして食物を得て、その飢えを癒そうかということのみしか考えなくなる。彼らがこうした状態にいると、そこへ誰かがやってくる、これに彼らは施しを求める、するとその者らは、なぜあなたらはこんな風に何もしないで坐っているのです。私たちと一緒に私たちの家へ来なさい。私らはあなたらに仕事を与え、あなたらに食べさせてあげようと言う。それで彼らは喜んで立ち上がり、彼らと連れ立ってその家へ行く。すると各々仕事を与えられ、またその仕事に対して食物も与えられる。しかし信仰の誤謬を確認した者らは凡て善いことに役立つ仕事は為すことが出来ないで、ただ悪いことに役立つ仕事しか為すことが出来ないため、またその仕事も忠実には為さないで、ただ名誉や利得のために忠実らしく見えるようにしか為さないため、それでその仕事をやめて、ただ話し合ったり、しゃべりまくったり、歩き回ったり、眠ったりすることしか愛さない。それで、彼らは最早その主人からも仕事をするように仕向けられることが出来ないため、無益な者として追い出されてしまう。

 

 

 

啓示による黙示録解説153・10

 

 彼らは追い出されると、その目が開かれて、ある洞穴へ通じる道が見えてくる。そこへ来ると、戸が開かれ、彼らは入って、そこに食物があるか、と尋ねる。あると答えられると、そこに止まる許しを求める。止まってもよろしいと言われ、中へ入れられる、すると戸がその後ろで閉じられる。すると、その洞窟の監督がやって来て、彼らに言う、あなたらは最早ここから出ることは出来ない。あなたらの仲間を見よ、彼らはせっせと働いている、働きに応じて天から彼らに食べ物が与えられる。このことを私は、あなたらに知ってもらうために話しておく、と。すると彼らの仲間もまた言う、私らの監督は私ら各々がどんな仕事に適しているかを知っており、それを日々私ら各々に割り当てる、それを終えた日に、食べ物が与えられるが、終えないなら、食べ物も、着物も与えられはしない。もしたれかが他の者に悪いことをするなら、その者は洞窟の片隅の、ある呪われた塵の寝台の上へ投げつけられて、そこにむごたらしい拷問を受け、それが、その監督がその者の中に悔改めた印を見る時までも続き、その時になると、彼は赦されて、その仕事を行うように言いつけられる、と。たれでもその仕事が終わった後では、歩き回ったり、話し合ったり、その後で眠ったりするのを許されている。そして彼はその洞窟の内部へ導き入れられるが、そこには娼婦らがいて、その者らの間から各々一人を自分の女として取ることを許されてはいるが、たれかれの見境もない淫行は刑罰の下に禁じられている、と。永遠の作業場以外の何ものでもないこうした洞窟から、地獄全体は成っている。私はそれを明らかにするために、中へ入って、その作業場のいくつかを見ることを許されたが、彼らはすべて下劣であることが見られ、また彼らの中でたれ一人自分が世ではたれであったか、またはいかような務めにいたかを知りはしなかったのである。しかし私と共にいた天使は、私に以下のように話した。この者は世では下僕であり、この者は兵隊であり、この者は総督であり、この者は祭司であり、この者は高位にあり、かの者は満ち溢るる富の中にいたものの、その凡ての者らは自分らはいつも下僕であって、同じような仲間を持っているとしか考えていなかったのであるが、それは彼らは世では外的には似てはいなかったものの、凡て内部では似ており、そして内部は霊界では凡て共に交わっているという理由によっているのである、と。これが仁慈の生活を遠ざけて、そこから世でその生活に生きなかった者らの運命である。

 

 

 

啓示による黙示録解説153・11

 

 地獄全般については、それらは単にこうした洞穴と作業場から成っているが、しかし悪鬼の住んでいる地獄は悪魔の住んでいる地獄とは異なっている。悪鬼とは、誤謬の中にいて、そこから悪の中にいる者らであり、悪魔とは悪の中にいて、そこから誤謬の中にいる者らである。悪鬼は天界の光の中で死体のように現れ、その中にはミイラのように、黒く現れる者もあり、悪魔は天界の光の中では薄暗い、火のような色をして現れ、その中にはすすのように黒く現れる者もいるが、その顔と身体は凡て怪物である。それでも炭火の光に似た彼ら自身の光の中では、彼らは怪物としては現れないで、人間として現れている。これが彼らに許されているのは、彼らが共に交わることの出来るためである。

 

 

 

結婚愛80

 

第六の説話―

 

 こうした言葉が言われたので、わたくしは西の端を眺めてみた、と見よ! 火と硫黄との池のようなものが現れた。わたしは天使にたずねた、『そこの地獄はなぜあのように見えるのですか』。

 彼は答えた、『それはその真理の誤謬化のため湖として見えます。それは水は霊的な意義では真理であるからです。またその悪の愛から、その周りに、その中に火のようなものが現れ、その誤ったものを愛する愛から硫黄のようなものが現れます。湖、火、硫黄のこの三つのものは、彼らの抱いている悪い愛に相応したものであるため、その外観でもあります。凡てこれらの者は永遠の作業場に閉じ込められて、そこで自分の糧、着物、寝床のために働いています。そして彼らは悪を行うと、苛烈な、悲惨な刑罰を課せられます』。

 

 

 

 

 

真の基督教567

 

しかし、直ちに近くの場所から一つの声が聞こえてきた。「諸君は罪については些かも知らない。何故なら諸君は自らを一度たりとも点検したことが無いからである。それ故、諸君は如何なる悪をも神に対する罪としてこれを決して避けなかった。しかし罪を避けない者は罪の中に止まり、罪は悪魔である。それ故諸君は主が「その時汝らは我らは御前にて飲み食いし、汝は我らの大路にて教えたまえりと言い出でんに、彼答えて、われ汝らが何処より来たりし者なるかを知らず、我を離れて去れ、汝ら不法を働く凡ての者よ」(ルカ13・26、27、マタイ7・22、23)と語り給うた者である。それ故、諸君は己が場所へ去られよ。諸君には洞窟への入口が見える。入られよ。然すれば仕事が与えられ、後食物が諸君の業に応じて与えらえるであろう。もし入ることを拒絶するならば、飢えの苦痛が速やかに諸君を駆り立てるであろう。」