強盗

 

 

 

ルカ23・39−43

 

十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。

 

 

 

地獄について

霊界日記4566

 

 

 

 

サンダー・シング/イエス・キリスト封印の聖書/P43

 

ベーレラという名の丘陵地域を通っていたとき、四人の男が道端に座っているのを目にした。中の一人が手に大きなナイフを持って、わたしに飛びかかってきた。逃れる術がないので、わたしは首を差し出した。すると、相手はたじろいで、わたしを倒すのをやめ、肩にかかっていた毛布だけを奪って逃げ去った。200メートルほど歩いただろうか、先の男がわたしを呼び止めてきた。今度こそ終わりかと思ったが、予想とは逆だった。男は『あなたは何者か』ときいてきた。わたしは、自分自身のこと、なぜここを旅しているのかを話し、次に金持ちとラザロの話(ルカ16・19−31)を読んできかせた。この話は彼の心にいたく響き、盗みを働かなかった金持ちが地獄にいるのなら、何百回となく盗みを働いてきた自分はどうなるのかとの思いに、彼はとらわれた。そこで、彼はその場で悔い改め、わたしに赦しを願い、毛布を返してきた。それから、彼は、わたしのために塩で味付けした茶を立て、また乾し果物を差し出した。まるで、主が『食らうものから食べ物が出、強いものから甘い物』を取り出し、『敵の前で食事をととのえ』(士師記14・14、詩篇23・5)てくださったかのようであった。わたしは、彼とともに祈ったが、相手は非常に苦しんでいる様子である。彼は外套を脱ぐと、わたしの足元にそれを広げ、自分は別な側に退いて激しく泣き始めた。

 

翌朝、この男は自分の邪悪な生活のすべてをわたしに告白し、洞窟の中に捨てられた人骨の山を見せ、『これがわたしの罪です』といった。わたしは彼に深く同情したものの、神がともにいてくださったことに感謝した。そうでなければ、自分もまた、これら人骨の一つになっていたかもしれないからである。あとで、わたしは盗賊の話をしてやり、主が彼に対して『あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます』(ルカ23・43)と約束されたことを話した。それから、ふたたび祈った。相手は『神は自分をも救ってくださる』との思いに心を和らげた。彼は、わたしから洗礼を受けることを望んだが、わたしの助言により、山を下りて他の宣教師から洗礼を受けた。