―+― 米菓子と車 ―+―

にょん、2歳2ヶ月。この日、車内は結構暑かった。

 いたずらもかなりお盛んになってきた今日この頃、車に搭乗したらびっくりする出来事が起こったのである。
 車の運転席に座ったりハンドルを握ったりするのが好きなので、この日も車に乗せて遊ばせていたのだが
ふと買い物を思い出した私はカバンをとりに、玄関へ行った。
この取りに行った45秒の間に、にょんはとんでもないことをやらかしたのだ。

米菓子である。

 前日少し遠くへ用事があったので、おやつに米菓子を持ってお出かけをした。
その残りを私は車から降ろすのを忘れたのだが、私がいなくなるのを見計らったかのようににょんは行動に移ったのである。

まずそれをダッシュボードの上部にぶちまけ、ガラスが曇らないように風が出てくるエアコンの長穴に一生懸命入れたのだ。
半分位の量しか入っていなかったとはいえ、私が戻ってきたときにはその殆どをすでに投入し終わっていた。
なんてすばやい動き・・・。
 「なんて事を!!」
とは思ったが、車に米菓子を置きっ放しにしたのもにょんから目を放したのも自分である。
・・・自業自得。
「ここはねお菓子を入れるところでもないし、米菓子はお口に入れて食べるものだぞ。」
と、言葉は優しく注意してみたがきっと顔は引き攣っていたと思われる。
まだ言葉の理解の少ないにょんは「?」と言う顔をしてその後
「へへへーーー」 と満面な笑みをうかべたのだった。
きっと彼にしてみれば
「へへへー。全部上手にがんばって入れたぞ!」といった具合だろうか。(←親ばか、ばか、ばか)
私は力なく笑いながら
「うん、がんばって入れたね。でも車さんはね、お菓子は食べないしお腹痛くなっちゃうからやめようね。」
と忍耐力で乗り切った。(怒らないようにするのは本当に忍耐が要る・・・。)

だが、まだまだ続きがあったのだ。

にょんをジュニアシートに括り付け
「よし、行くぞ!」
と気合を入れ、エンジンをかけ、エアコンを入れた瞬間
「カラカラカラ・・・」
・・・音がした。
もしかしてと思い、エアコンを最強にすると送風口から自分たちに向かって「ブワッ」とさっきの米菓子が大量に吹き出してきたのである。
「うわっぷ!?」
車内も自分たちも頭から白っぽくなり、すごいことになった。
びっくりした。いや、本とに。
窓を開けて換気しながら、全部出終わるのを待つ。
「やれやれ」
溜息をつきながらエアコンの送風場所のレバーを右から左へ移動させたらまだ残っていたのか、またしても吹き出してきた。
「ぶはっ!」
またしても米菓子まみれ・・・。
どうやらレバーを動かすたびに出てくるようになってしまったらしい。
しばらくの間、米菓子を排出すべくガチャガチャと左右に動かす私の隣で、にょんが楽しそうに声をあげて笑いだした。
この楽しさを共感すべく自分に笑いかけたにょんに、今度こそ本当に力なく私は笑い返したのだった。

あれからだいぶ月日はたったが、エアコンをかける度に未だに「カラカラ」と音がする。注: 文字用の領域がありません!
トップ