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| ザビエルは宿屋にいるはずのクライブの姿がない事に |
| 気づくと、すぐさま翼を広げてクライブを探し出した。 |
| (全てはエリーナのため!!) |
| ちなみに、エリーナとはアルカヤを守護している天使。 |
| ザビエルの最愛の双子の妹である。 |
| そして、なぜアルカヤとは関係のないザビエルが |
| このアルカヤにいるかというと・・・・。 |
| 最愛の妹・エリーナのためである。 |
| 時をさかのぼる事、1時間前。 |
| エリーナはAP回復の為に天界へと戻ってきていた。 |
| 『エリーナ。お疲れ様』 |
| 『ザビエルお兄様!!』 |
| ぱぁっと表情を輝かせ、エリーナはザビエルの胸の中へと |
| 飛び込んで行った。 |
| そして、ザビエルといえばいつものクールな姿はどこへやら。 |
| 頬の筋肉は緩みっぱなしである。 |
| そして、ふとザビエルはエリーナの小さな変化に気づいた。 |
| 今まで、どんなにいっても年頃の女のこがするような |
| 化粧や香水などをしていなかったエリーナが |
| 微かに香水をつけていたのだ。 |
| 『エリーナ?香水をつけたのか?』 |
| その言葉にエリーナは少し戸惑って一つうなづいた。 |
| そして、ザビエルはその経緯について |
| エリーナを誘導尋問しながら聞いた。 |
| その結果。 |
| エリーナは勇者の一人に恋をしていたのだ。 |
| それも無口で何を考えているのか解らない人NO.1の |
| クライブにだ。 |
| 本当なら、ザビエルがエリーナの恋人になりたい。 |
| しっかし、それはザビエルが許しても神が許さない。 |
| そして、ザビエルは考えに考えた末・・・。 |
| 最愛の妹の恋路を邪魔する事にしたのだ(待っとけ)。 |
| そして、今にいたる。 |
| ザビエルの手には1本の虫取りアミ・・・。 |
| 一体、それになんの意味があるのかはわからないが |
| ザビエルはクライブを捕獲しようとしているのだろう。 |
| 空を飛びまわっていると |
| 夜の風景を遠い目で岩に座り見つめているクライブを発見した。 |
| (ふん。私の方がいい男だ) |
| 何かが違う事に気づこう、という突っ込みすら |
| 今のザビエルには届いていない。 |
| そして、ザビエルは泥棒が空き巣をするかのごとく |
| クライブの背後へとゆっくり近づいた。 |
| しかし、この時点でザビエルは気づくべきだった。 |
| 相手はヴァンパイヤーハンターを職業にする事を。 |
| (あと1歩!!) |
| そして、ザビエルがクライブを捕獲すべく |
| アミを振り上げた瞬間!!!! |
| ものの見事にアミはクライブの持っていた刀によって |
| 真っ二つに折れた。きれいに折れた。さっぱり折れた。 |
| クライブとザビエルの間に、日本海に吹きぬけるが如く |
| 冷たい風が通りぬけた(ひゅるり〜) |
| 「お前は?天使??」 |
| 敵だと思い、刀を向けたさきに立っていたのは |
| 二つに折れたアミを持ってボーゼンと立ち尽くす |
| クライブの愛しい天使と同じ顔の天使。 |
| そして、いまだにフリーズ化しているザビエルの元へ |
| この世で天界で一番美しすぎる(と、思っている)声が聞えた。 |
| 「クライブ〜、事件の依頼で・・・・って・・・ |
| ザビエルお兄様??」 |
| 一人は刀。一人は真っ二つに割れた虫取りアミ。 |
| この状況は、世界が明日破滅するくらいに |
| シュールな状況だった。 |
| 「ど・・・どうした・・・の、です?」 |
| 「こいつが、虫取りアミで俺に攻撃した」 |
| クライブの淡々とした言葉に、エリーナは瞬時に顔色を |
| 変えてクライブへと近寄った。 |
| 「大丈夫でしたか?どこか怪我は??」 |
| 「いや・・・大丈夫だ」 |
| そして、まだボーゼンと立ち尽くしているザビエルに |
| キッとするどい視線を投げてエリーナは声も限りに叫んだ。 |
| 「ザビエルお兄様とは絶好です!!!!!!!!!」 |
| その後、エリーナの機嫌を直すのにザビエルは1ヶ月かかったそうだ。 |
| そして、いまだにクライブとの恋愛バトルは |
| 続いているとか。いないとか。 |
| どちらにしろ、ザビエルに光が見えない事は |
| 神様がよっく知っている。 |
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| fin |
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