天使ノ涙ガ降ル場所デ side rapisu 


手を伸ばせば すぐ 届きそうな場所に居るのに

私の声は あなたに届かない

こんなに 近くに居るのに…

  「あ、雪…」

  その声に、その場にいた全員が天(そら)を見上げる。

  「わぁっ、綺麗ですね。」

  そう言って、2人の少女が雪の中で無邪気に笑う。
  白い、羽のように白い雪が静かに静かに舞い落ちる。

  『天使の涙ですね…。』

  聞こえないハズの声がする。二度と聞くことの出来ない声が。

  『死者の魂が、安らかに眠れるようにって、私達天使がこの時期に降らせる雪の事な
  んですよ。』

  “どういう意味か”と、訊ねた自分に、微笑みながら答えを返した事を昨日のことの
  ように思い出す。

  「天使の…涙…か。」

  「へぇ、お前の口から、そんな言葉が聞けるなんてな。」

  ポツリと漏らした言葉に帰ってきたのは、からかうようかの声。

  「…聞いたんだ…ルリに。」

  最後に出した懐かしい名前に、全員の動きが止まる。銀の翼に薄い水色の髪。名前と 
  同じ色の瞳をした、アルカヤの守護天使だった少女の名前に…。

  「天使の涙…ねぇ…なら、ルリが泣いてるのかもしれないわね。」

  「確かに。彼女、しょっちゅう泣いてたものね。」

  数年しか経っていないハズなのに、遠い昔を思い出すかのように語られる思い出。

  『あれぇ?どうしたんですか?皆さん、お揃いで…』

  今にも、そんな声が聞こえてきそうなほど鮮明に思い出される天使の姿。

  『いつか…いつか又、お会いしましょうね…』

  そう言い、泣き笑いの顔をして、彼女は天界へと帰っていった。一生忘れることのな
  いで有ろう記憶を残して…

  「きっと又、会えるよね。」

  天(そら)に向かって呟かれた言葉は、果たして、かの天使に聞こえただろうか…


延ばした指先は 虚しく 宙(そら)を掴む

だから

雪に載せて この思いを伝えよう

決して届くことのない声の代わりに

切なる 私のこの思いを…

“愛シテル…” と。

あなたの生まれた この 大切な日に


-END-




  (NO.58 神無 聖 様からのコメント)

 良いのか?こんなんで…クライヴが全然幸せじゃないし。背後から刺されそうだ… 
  ちなみにこれ、時期的には、全部が終わってから、2年程経った頃です。
  で、何故か、メンバー全員が集まっている…と。(苦笑)
  サブタイトルは、“FFECTION”(想い)です。名前しか出てこない天使・ルリは、
  うちの天使の中で、一番、まともな天使だったりします。(爆)
 


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