18. Writerクラス

文字をあつかう出力ストリームです。文字コード変換を自動で行います。

(1) ファイルに文字を書き込む

次の例題を実行してみます。

　　CharWriteTest.java 

import java.io.*;

class CharWriteTest {
    public static void main(String args[]) {
        try {
            FileOutputStream fos = new FileOutputStream("chartest");
            DataOutputStream dos = new DataOutputStream(fos);
            dos.writeUTF("ABCDE");
            dos.writeUTF("あいうえお");
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}


　実行方法 

C:\java_test>java CharWriteTest

C:\java_test>type chartest
 ABCDE 縺ゅ＞縺�紂蒹�

　例題を実行すると chartest という名前のファイルができます。このファイルの中身を見てみると、おかしな表示になってしまいます。

　ファイルに結果を出力するときにテキストファイルとして結果を見たいとき、これではさっぱり意味がわかりません。

　Java では文字の入出力のためストリームとして Writer / Reader という２つのクラスが用意されています。これらのクラスは実行中のＯＳが使っている文字コードとJavaが文字を扱うときに使っている Unicode の変換も行います。


(2) テキストファイルで読めるようにしてみる

　では Writer クラスを使ってみます。Writer クラスは文字出力のためのストリームとして使うクラスの最上位のクラスで、これだけでも使うことができますが、Writer クラスのサブクラスの方が使い勝手が良いものがあります。

　ここではまず、ファイルに書き込むためのクラスを紹介します。java.io.FileWriter というクラスです。このクラスは FileOutputStream というほとんど同じ使い方ができます。FileWriter のコンストラクタは、
FileWriter(File file) throws IOException
FileWriter(String fileName) throws IOException

　のようなものがあります。書き込みたいファイルを引数に指定します。あとは、write( ) メソッドを使うと書き込みができます。

void write(String str) throws IOException

　　WriterTest.java 

import java.io.*;

class WriterTest {
    public static void main(String args[]) {
        try {
            FileWriter fw = new FileWriter("writertest");
            fw.write("ABCDE");
            fw.write("あいうえお");
            fw.flush() // 書き込まれない場合はflushします。 
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}


　実行方法 

C:\java_test>java WriterTest

C:\java_test>type writertest
ABCDEあいうえお


(2) いつもの感覚で使えるようにする PrintWriter

　Writer 系のクラスでもフィルタのように使うクラスが存在します。フィルタは既存のストリームに接続して機能拡張やコード変換をするものでした。ここでは java.io.PrintWriter を紹介します。PrintWriter を使うと System.out.println( ) で表示を行っていたのと近い感覚で出力プログラムが書けます。

　PrintWriter のコンストラクタは
PrintWriter(Writer out)
PrintWriter(OutputStream out)

　のようなものがあります。そして書き込みようのメソッドは print( ) と println( ) があります。この２つのメソッドは System.out.print( ) や System.out.println( ) と全く同じ使い方です。

　この PrintWriter を使って先ほどの例題を書き換えてみると次のようになります。

　　PrintTest.java 

import java.io.*;

class PrintTest {
    public static void main(String args[]) {
        try {
            FileWriter fw = new FileWriter("printtest");
            PrintWriter out = new PrintWriter(fw);
            out.print("ABCDE");
            out.print("あいうえお");
            out.flush();
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}

標準出力に文字を表示する System.out.println( ) の System.out は System クラスの out という変数で、これは PrintStream クラスのオブジェクトです。

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