2.Tomcat の導入

Tomcat を使える環境を作り、簡単なサープレットプログラム実行してみます。

(1) まずは Tomcat の入手

 Java サーブレット環境を構築するには、サーブレットエンジンが必要です。ここでは、Free の Tomcat を入手してください(Tomcat はJSP も含めて、unix/Linux,Windows の実行環境を提供するフリーのエンジン)。

 インターネットからダウンロードすることが可能です。 The Jakarta Project から最新版をダウンロードしてください(Tomcat 3.2.3 ドキュメントの日本語訳)。

 今回はソース形式ではなく、バイナリー形式のものをダウンロードします。 (例 .../release/v4.1.12/bin/jakarta-tomcat-4.1.12.exe、サイズは 7.5 Mb、インストール後は 16 Mb)

 ※Java Development Kit (JDK) release (version 1.2 or later) であること。Java2 より前のJDKの方はJDKを最新にしたほうが早いです。

(2) つぎはインストール

 最新版(2002.9 現在 : Tomcat 4.1.12) が手に入ったら、今度はインストールです。ここでは Windows2000 でのインストール方法を紹介します。これ以外のプラットフォームの方は readme などを参考にインストールしてください。( ID/PassWrd は admin/任意 )

 まず入手した Tomcat を確認してください。ファイル名は jakarta-tomcat-4.1.12.exe のはずです。(バージョンによってファイル名が異なります、これ以降は4.1.12を前提に説明します)

 確認ができたらこのファイルをダブルクリックします。すると、ウィザードがでてきますのでこれにしたがってインストールしてください。

 インストールが終了すると、デフォルトでは C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 4.1 の下にファイルが展開されます。これでサーブレットを動かす環境が整いました。

(3) Tomcat の起動

 C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 4.1\bin の下にある「startup.bat」というファイルをダブルクリックすることで Tomcat を起動することができます。デスクトップに 「 start Tomcat 」のアイコンがあれば、それをダブルクリックしても起動できます。「 Apache Service Monitor 」でも、起動&停止ができ、起動中かの確認ができます。

 サーブレットで使用するjarファイル(Javaのアーカイブファイル)は C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 4.1\common\lib の下のservlet.jar というファイルです。このため、パスを通す必要があります。

 Windows2000 では、「コントロールパネル」「システム」「詳細」の環境変数で Path を編集して、次の行を追加します。

C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 4.1\common\lib\servlet.jar

 Tomcat が起動したら、動いているかどうかブラウザで確認してみます。 ブラウザを開いて http://localhost:8080/ のURLを指定してください。 以下のような画面が表示すれば成功です。

 ※localhost Tomcatを導入したサーバーの URL 、私の場合は、Apache win32 で自身をサーバー化にしているので、 http://127.0.0.1:8080/ です。(http://127.0.0.1:8080/index.jsp が実行される)


 Tomcat は起動時に2つのポートを使用します。一つは Tomcat 自身のポート 8080、もう一つは Web サーバに アドオンして利用する場合に Web サーバと Tomcat 2つの プロセスが通信するためのポート 8007 です。これらは server.xml 等で設定します。


(4) サーブレットプログラムの作成

 「 HelloWorldServlet.java 」を作成します。

// HelloWorldServlet.java

import java.io.*;
import javax.servlet.*;
import javax.servlet.http.*;

public class HelloWorldServlet extends HttpServlet {

  public void service(HttpServletRequest request, 
  HttpServletResponse response) throws ServletException, 
  IOException {

    response.setContentType("text/html; charset=Shift_JIS");
    PrintWriter out = response.getWriter();
    out.println("<html>");
    out.println("<head>");
    out.println("<title>Hello World Servlet</title>");
    out.println("</head>"); 
    out.println("<body>");
    out.println("Hello World"); 
    out.println("</body>");
    out.println("</html>");

  }

}

javax.xxxx は、先ほどのパスの設定がないと、コンパイル時、「パッケージ javax.servlet は存在しません。」のメッセージがでてしまいます。尚、パスは classpath で設定してもかまいません。


(5) サーブレットプログラムのコンパイル

 次にコンパイルします。

C:\java_test>javac HelloWorldServlet.java
c:\java_test>

 何もメッセージが表示されなければコンパイル成功です。 生成した、HelloWorldServlet.class を次のフォルダに移動します。

  C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 4.1\webapps\examples\WEB-INF\classes


(6) サーブレットのプログラム 実行

 ブラウザを開いて作成したサブレットのプログラムを、次のようにURLで指定してください。 以下のような画面が表示すれば成功です。

  http://127.0.0.1:8080/examples/servlet/HelloWorldServlet



 ※サーブレットの起動は、html より <a href="URL/servlet/HelloWorldServlet"> や
 SSI で、<servlet code=HelloWorldServlet></servlet> で埋め込め方法があります。

 以上がサープレットエンジンの導入とそのプログラムのコンパイル〜実行の手順です。これを踏まえて、サープレットプログラムについて本格的に説明していきます。

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