1.JDBC/ODBC とは

JDBCもODBCも、データベースにアクセスするためのAPIです。Java からアクセスするには、JDBCを使用します。JDBCをもたないデータベースに対しては、JDBC-ODBC Bridge でアクセスします。

(1) JDBC/ODBC の概要


　JDBC は、Java Database Connectivityの略とされ、Java プログラムから DBMS に SQL 文を発行して、データベースを操作するための仕組みです。つまり Java からデータベースにアクセスするときに使う API -Applidcation Program Interface です。JDBC API を使用すると、プラットフォームの違いに関係なく、どのデータベースともアクセスすることができます。

　ODBC は、Microsoft が提唱する ODBC (Open DataBase Connectivity) で、以前から広く使用されている API です。ただし、C インタフェースを使用しているので、Java から直接使用するには適切ではありません。しかし、JDBC-ODBC ブリッジを使用すれば、データベースにアクセスできます。但し、主要なDBでは、ベンダーがJDBCドライバを用意していますので、ODBCを経由することなくアクセス可能です。

SQL -Structured Query Language は、リレーショナルデータベースにアクセスする言語です。詳細はホームの「DB」を参照してください。

(2) JDBC アプリケーション階層


　Java アプリケーションでは、利用するＤＢＭＳ(データベースシステム)のドライバをロードしてＤＢに接続(JDBC ドライバマネージャ)し、任意のＤＢ及びテーブルに SQL 文を発行し、その結果を取り出す操作が必要です。これらの操作(Java JDBC API ) を実現するプログラム階層は次のようになります。




※Java Application は、Java アプリケーションやアプレットであり、３層モデルでは、アプリケーション・サーバ上の Servlet も該当します。

※JDBC API は、アプリケーション／アプレットによって、 JDBC Driver Mnager へ接続するための API で、抽象レイヤーです。

※JDBC Driver Manager は、DB Driver へ接続するためのインターフェースです。ベンダーが提供するドライバへ接続して管理するもので、Java 標準パッケージ javax.naming, javax.sql を利用します。これは J2SE に含まれています。

※JDBC Driver は現在、いろいろなベンダからリリースされています。その中から接続するＤＢの種類、接続形態により選択します。

JDBCドライバは以下の４つのタイプに分類されます。

TYPEDriver　
 1ODBC Bridge DriverODBC ドライバ経由の JDBC
(アクセスを可能プラットフォームに依存した、ODBCドライバが必要)
 2Native-API Partly-Java Driver一部が Java ドライバであるネイティブ-API:
(プラットフォームに依存した、専用ドライバが必要 )
 3Net Protocol All-Java DriverJDBC-ネット Pure Java ドライバ
(プラットフォーム独立だが、ネットワークプロトコルのコネクタが必要)
 4Native Protocol All-Java Driverネイティブプロトコル Pure Java ドライバ
(プラットフォーム独立なため、サーブレットやアプレットなどで利用)


※DBMS と JDBCドライバの関係

　DBMS（DataBase Management System）は、データベースを管理するソフトウェアのことです。RDBMS はリレーショナルのDBMS であり、MySQL,Sybase, Oracle, IBM DB2 UDB など殆どです。JDBCドライバとの関係は次のとおりです。

DBMSTYPEDriver
Ms ACCESS3　
Oracle2OCI（Oracle Call Interface）ドライバ
4thinドライバ
MySQL4JDBCTM API version3.x
PostgreSQL4JDBCTM API version1.x(ダイレクトドライバ)
SQL Server 7.0 以降4　


※Applet から JDBC を使う場合には、TYPE 3 または TYPE 4 の JDBC ドライバです。


(3) JDBC と Appletの制約


　Applet でJDBC を使う上での制約

　�� JDBC を使った Applet は Download 元サーバとＤＢサーバが同じである場合だけ、そこへ接続しＤＢをアクセスすることができます。故に、Download 元サーバでないＤＢサーバへアクセスすることはできません。

　しかし、Download 元サーバに、ＤＢサーバへの接続・アクセスを行うアプリケーション(ミドルウェア)を用意し、これにAppletとＤＢサーバの中継をさせて、クライアント−アプリケーションサーバ−ＤＢサーバという３階層システムにすると可能になります。

　�� JDBC-ODBC Bridge を使っている場合、Applet はローカル(クライアント)側の資源をアクセスできないのと、全てのJava　VM が同じ native コードインターフェースを使うわけではないという問題があります。

次章で、Java のアプリケーションのAPIの基本を説明します。その後にサーブレット、アプレットについても説明していきます。

次の章(JSP のディレクティブ)