まずは JavaBeans からはじめよう。
入門編、中級編とJavaプログラミングの基本をみてきました。ここまでの内容で、Java のプログラムはクラスを作って、その組み合わせでいろいろなことができるということがわかってきました。
入門編の中で、クラスの継承について見てきましたが、クラス階層をうまく作っておくとクラスの再利用性が高まることも、Java のクラスライブラリを見てきた中でわかってきたと思います。
このような再利用可能なソフトウェア部品のことをコンポーネントと呼びます。AWT のときに出てきたコンポーネントと同じような意味です。要は「部品」ということです。ただ、ここでいうコンポーネントはAWTのように目に見える部品だけでなく、目に見えないものも含まれます。
JavaBeans (単に Beans と呼ぶこともあります)とは、再利用可能なコンポーネントを作るための仕様のことをいいます。といっても、新しい文法が出てくるわけではなく、これまで見てきた Java の文法を使い、こういう書き方をしましょうというルールを定めたものです。
Beans の仕様に沿って作ったコンポーネントは Bean と呼ばれ、ビジュアル開発ツールの中で1つの部品として利用することも可能です。
Java の応用技術を見ていく中で Beans の考え方はよくでてきます。ということで、応用編はまず Beans について見ていくことにしましょう。
このサイトでは Beans の最低限必要な内容だけを紹介します。もっと詳しく知りたい方は Sun のホームページや専門書などを参考にしてください。
Beans はソフトウェアコンポーネントを作成するための仕様で、いろいろな機能を持つようにつくることができますが、どんな Beans であっても以下の基本機能を持っています。
- プロパティの操作
Bean の見た目やどんな動作をするのか、プロパティを設定できます。たとえば、丸が書かれたパネルの前景色のプロパティを赤から青に変えるというような操作です。
- カスタマイズ
Bean の見た目や動作をカスタマイズする方法を提供できます。ビルダーツールを使った場合、コンポーネントをカスタマイズするための GUI を提供できたりします。
- イベントによる通信
独自のイベントを作成したり、Bean 同士をイベントを使って通信させることができます。
- イントロスペクション
Bean の中身(メソッドやプロパティ)を自動的に見つける機能です。
- 永続性
オブジェクトシリアライゼーションという方法で Bean の状態を保存、復元できます。
少し難しい内容ですが、順番に見ていくことにしましょう。
JavaBeans は仕様です、といわれても実際にどんなことができるのか見てみないとよくわかりません、という声が聞こえてきそうなので、サンプルを動かしてみましょう。
Beans を試してみるにはビジュアル開発ツール(ビルダーツール)があるといいのですが、ちょっと試してみたいだけなのに、製品を買ったり、何十メガもするプログラムをダウンロードするのはちょっとツライですね。
そこで、今回は BeansDevelopmentKit (BDK) というツールを使っていくことにします。まずはこちらのサイトから BDK1.1 をダウンロードします。は Java2SDK がインストールされていることが前提です。ダウンロードができたらアイコンをダブルクリックするとインストールが始まります。

Next を押すと、

ライセンスに同意して、Next を押す。

インストールするフォルダをたずねられたら、ブランクを含まないフォルダで指定してください。デフォルト表示の \Program Files\BDK1.1 では不具合があります。ディレクトリ名にブランクが入らなければ大丈夫だと思います(たとえば、C:\BDK1.1)。
使用するJVMを決めます。いつも使っている SDK を選択するのが無難でしょう。
あとはインストールが終わるまで待つだけ。
インストールができたら、<BDK_HOME>\beanbox にある run.bat をダブルクリックします( BDK_HOME は BDK をインストールしたフォルダです)。するとフレームがいくつか表示されます。