(JR1ZTI会報掲載記事: 7年前の手記に若干加筆・修正したものです)
「通信系・近代五種競技」への挑戦
JH1TFL 足立征一
ぷろろーぐ
今年5月に発行されたJI1ZMW・NEC我孫子アマチュア無線クラブの会報に「通信系・近代五種競技への挑戦」(by 7L1POV 鈴木OM)というすばらしい記事が載っていました。(SORI!会報は関係者のみの回覧としております。)
つまり、オリンピックの「近代五種競技」@射撃、A水泳、Bフェンシング、C馬術、D陸上の5種目を一人でこなす、いわゆる「鉄人競技」のことで、すでによくご存知のことと思います。
もっとも最近では「鉄人競技」といえば、トライアスロンのことと思う人が多いかもしれません。 いずれにせよ、大変な体力と努力の必要な競技といえます。
このスポーツの「近代五種競技」にひっかけて「通信系・近代五種競技」は郵政省系(郵政大臣が発行してくれる)の上位プロ資格の中から5つをピックアップし、一人で取得しようとする試みです。
我孫子のクラブでは、すでに何人かのOMさん達が目的を達成しておられるようで(さすがです!)、その努力と熱意と成果に心からエールを送ります。
さて、私事で大変恐縮ですが、玉川AMCの活動をサボり、すっかりQRトンカチし、せっかく覚えたホレを忘れかけ、周囲の局長さんに「無線やってますか?」と有線BKをもらったり、「最近会報が出ませんね!」とお声がけ頂いたり(これが一番つらかった、Hi)、とにかくクラブにも日本のアマチュア無線界(なにをオーバーな!)にすっかり迷惑をかけてしまった罪滅ぼしに、ここ2、3年当局のやっていたことをご紹介してみます。
我孫子の事例を見たとき、まったくの偶然ですが同じような事を考えて実行している人達がいるもんだな、とすっかり共感し嬉しくなりました。私の場合は当初5種目ではなく有線系の4種目を目標としていました。そして幸運にも今年の5月期の国試で4つめをクリアし、当初の目標は達成できました。丁度その頃我孫子の記事を読み、またぞろ5つめに挑戦してみようかという気持ちが起きつつありますが、このところ試験関係のテキストや問題集ばっかり見ていましたので、その間に買いためてしまった本が背の丈以上にもなり、しばらくは少しやわらかい本にのめりこんでみたくてたまらなくなりました。そして、このところ西村京太郎のトラベルミステリーだの、村上春樹だの、池波正太郎の梅安シリーズだの、ノンフィクションだのを片っ端から読んでいます、Hi。
5種目めは「第1級陸上無線技術士」ですが、ちょっと気持ちが落ち着いてから挑戦するかどうかを決めたいと考えています。(その意味では本稿は「中間報告」といえるかもしれません。)
受験勉強(のつもり)に明け暮れていた私に向かってXYLは「なにを好んで、今更そんな苦労を!」と半分あきれておりました。私としては勤続30年のリフレッシュ休暇もとっくに取ってしまったほど、永い間この業界に身をおいてきてプロの資格の一つも無いようじゃ本物ではないと、ふとそんな気がして、定年前の「卒論」のつもりで国試にチャレンジしてみたわけです。
クラブ報の記事としては、ちょっと堅いかもしれませんが、今回だけは大目に見て頂いて、ひとつ自分もやってみようかという気が起きたときの参考にして下さい。
勉強方法については、昔の会報でご紹介した「1アマ挑戦記」と同様あくまでも「私の場合」ということで、決してベストではないことを了解して頂き、良いと思うところがあればまねして下さい。(もちろん、我孫子クラブの会報も希望者には回覧致します。)
1.「通信系・近代五種競技」とは?
「通信系・五種競技」を、我孫子クラブでは次のように決めています。上位クラスの資格であること、仕事への有用性から見て同意できます。
@第1種伝送交換主任技術者 (試験は5月と11月中旬の日曜日)
A線路主任技術者 (試験は5月と11月中旬の日曜日、@と一緒)
Bアナログ第1種工事担任者 (試験は3〜4月と9〜10月の平日)
Cデジタル第1種工事担任者 (試験は3〜4月と9〜10月の平日、Bと一緒)
D第1級陸上無線技術士 (予備試験6月と12月、本試験7月と1月の平日)
Dは、いわゆる「1技」で何十年もの歴史があり、権威の高い資格である事はご存知の通りです。(OM各位が電気通信をめざす紅顔の美少年だったころは、あこがれの的だったのではありませんか? 無線をちょっとでもかじった人間にとって「1通・1技」は永遠に変らないあこがれといえます。)
一方@〜Cは電電公社だったNTTが民営化されてからできた比較的新しい資格です。これらの資格が新しく制定された当時は、経歴証明によって試験が免除される場合もあったようですが、対象者にはすでに資格が与えられており、これから取得する人は何科目かは受験しなければなりません。
電気通信主任技術者(@とAの総称)の資格ができたときから、筆者もいずれは取りたいものと考えていましたが、生まれつきの《のんびり屋》で、すでにあれから何年もたってしまいました。(困ったもんです、Hi)
1技のような長い歴史のある国試では、過去の試験問題から傾向と対策を導き出すテクニックもいろいろと考え出されていますが、最近できた方の資格は、まだまだいくらでも新しい問題を創れるようで、的をしぼったりヤマをかけたりするのがむつかしく、超いやらしい面があります。
(そのあたりのことをあとで簡単にご紹介します。)
最近の新しい通信サービスを支える技術は、無線・有線の壁を突き破っており(さらには情報処理の技術との融合、すなわち〔C&C〕も進んでいます)、光の技術など新しいメディアの応用も驚くべきスピードで発展しています。したがって、無線屋(家?)、有線屋の殻にとじこもってはいられなくなりました。「通信系・近代五種」の目のつけどころに、大いに共感できるポイントです。
本稿では、それぞれの資格と国試についての詳しい説明は省略しますが、興味のある方はご一報ください。知る限り・できる限りのノウハウはすべてお教えします。
2.資格取得への道
私の場合は周囲の人々から得た情報で、@〜Cまでの4つを一気に取ってしまおうと考えていましたので、受験回数・科目免除の観点からあとあと楽になる方法を選びました。計画を立てたときは「1技」をまだ具体的に意識していなかったので、これからの説明の中では「1技」が見えかくれしますが、適当に判読して下さい。(我孫子の鈴木OMの記事でも、この方法が"おすすめ"になっています。)
作戦その1:
何がなんでも、まず「第1種伝送交換」を攻め取ることにしました。各資格の国試と受験科目は下図の通りですが、ちょっと苦しくても「第1種伝送交換」1つを取ってしまえば、科目免除制度の特典で半分以上が一気に片づいてしまいます。(つまり下図の水色の部分が一気に解決します。)
電気通信主任技術者 (第1種伝送交換) |
通信システム 92/01合格 |
法 規 92/01合格 |
専 門 92/01合格 |
設 備 92/01合格 |
電気通信主任技術者 (線路) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
専 門 |
設 備 |
工事担任者 (アナログ第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 |
|
工事担任者 (デジタル第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 |
|
第1級 陸上無線技術士 |
予備試験 92/01免除 |
無線工学A 92/01免除 |
法 規 |
無線工学B |
91年8月作戦開始!第1種伝送交換主任技術者国試の願書を出しました。9月に入ってからテキストにより勉強を開始しました。市販の問題集にないところは図書室の「コンピュータ&ネットワークLAN」という雑誌のバックナンバーからコピーをとりました。(CQ誌の「速報」のように試験の後、実際に出た問題とその模範解答が載っていましたが、この国試の知名度が上がり良いテキストも市販されるようになったということなのか、一昨年暮れ頃《その目的は達成された》として掲載中止のアナウンスがありました。)
国試の対策として既出問題をマークしなければならないことは、ハムの国試と同じで「鉄則」といえます。
「通信システム」は電気通信工学の基礎を問われるもので、いわば永年にわたって蓄積してきたことばかりですが、やはり試験を受けるということになると一通りの復習をして旧い記憶を呼び起こさなければなりません。計算問題も1週間くらいすると解き方のパターンも思い出して、答が合うようになってきました。
「法規」は、これまで経験したことのある「電波法」や「道路交通法」とはがらっと趣を変え「電気通信事業法」を中心としたもので、いわば《初体験》でした。そして、こればかりは体系づけて頭につめ込む以外に方法はありません。問題の種類と出題回数のマトリクスを作って頻度をチェックすると、神がかり的にヤマが見えてきます。問題の作り方の変遷を見ると、穴埋め問題で、初めの頃はあらかじめ準備されている語群から選べばよかったものが、最近では候補の語の表がついていないものが多くなってきました。(他の科目も同じです。)すでに記憶力の衰えをひしひしと感じる年代に到達している筆者は、大ヤマをはって、ここぞと思うところを小さいノートに書き移して常に携帯し、場所を問わず読めるようにし、さらに同じ内容を自分の声でテープに吹き込みラッシュの電車の中でも頭にインプットできるようにしました。(記憶促進と、座れたときのいねむり促進に効果的で、さらにヤマは完全にはずれていました、Hi。)
「専門的能力」は、迷うこと無く「伝送」を選びました。問題の範囲は伝統的なアナログシステムから最先端のデジタルや光ファイバの伝送システム全体にまたがっています。赤子の手をひねるようにやさしいものから、最新刊の業界誌の解説記事にでているようなものまでバラエティに富んでいます。したがって、デジタルしか実務経験のない若い人達は、あらためてアナログを勉強しなければならず、ちょっとしんどい面があるかもしれません。私の場合は実際の国試で旧人向けのアナログ(FDM)の問題が出て救われました。新しい技術では、国試を意識して受けたものではない自主研修(通信制)の「光エレクトロニクス入門」と「新・先端技術入門コース」が幸いなことに大いに役立ちました。
「設備管理」は、正直いってまだ出題の範囲とか内容とかが固まっていないように思えます。問題は4問しか出ないのに、市販の参考書のページ数は他の3科目分より多い感じです。模範解答も本によってとらえ方がまるで違っていたりします。何種類か複数の模範解答がある場合は(運悪く発見した場合は)それぞれを比較して自分なりにもっとうまくまとめて自分の答を創るか、いずれかの好きな方を選べばよいでしょう。毎回の国試で新しい問題を創れるようで、過去の問題からは想像できないような意表をついたものが出ます。しかし、安全とか保全とか、非常に常識的な、経験がものすごく役立ち、現場の工事とかシステム設計を経験したことがあれば、「亀の甲より年の功」的にそのノウハウがフルに活用できます。その面ではベテラン(年より)向きで、教科書だけで学習しなければならない若い人達はちょっと苦しいところかもしれません。
91年11月の国試を受け、運良く全科目合格しました。(上図の水色の部分が受かったことになります。)
作戦その2:
次期の国試で「線路」をねらいました。専門的能力の科目は「通信線路」を選びました。
他の選択科目の「線路土木」と「水底線路」にはちょっと手が出ないように思えました。
周囲の人々に「線路」の様子を聞いてみると、かなり多くの人達が挑戦しているが近くではまだ取れた人がいないとか。これはちょっとしんどいチャレンジになりそうだと覚悟しました。私の持論「受かるまで受ける」を自分で再確認し性根を決めました。
「通信線路」の過去の問題をチェックすると、双曲線関数を操る伝送理論や四端子回路網の解析の伝統的な問題が定番のようでした。それに基礎知識とはいえ土木や水底線路にからむ問題もありました。選択科目での出題内容とは自ずとレベルの差はありますが、土木と水底線路の問題の中から、通信線路にも出してみたくなるような問題(とくに穴埋めなどに)を自分なりにマークして覚えるようにしました。
とくに、伝統的な同軸ケーブルと新しい光ケーブルの長所・短所の比較など形を変えて頻繁に出題されていますので(仕事の役に立つことでもあるし)よく覚えておくことが大切です。
光の技術については、光学的な公式などにも十分注意しておく必要があります。
「線路設備および設備管理」は伝送交換の時とほとんど同じような問題が出ますが、線路に関してはよりむつかしいレベルになっているのはもちろんです。過去の問題をおさらいするときは伝送交換に出た共通性のあるものもよく見ておきます。(伝送交換設備に出た問題が時期を変えて線路設備に出題されているケースがあります。)
というようなぐあいに準備をし、92年5月に国試を受けました。結果は「通信線路」のみの科目合格でした。「通信線路」は初めての科目で、しかもこんなむつかしいのは二度と受けたくないという気持ちもあって、入れこんでいましたので一発合格には喜んでしまいましたが、「設備管理」線路特有の部分だけで十分とねらいはよかったものの、まったく新しい問題が出て"エッ"となってしまい、大失敗しました。あとで考えてみると信頼性の計算のMTBF、MTTR、アベイラビリティなどの引っかけにみごとにはまっていたようです。やや不満の残る結果でしたが、後悔先に立たず!
電気通信主任技術者 (第1種伝送交換) |
通信システム 92/01合格 |
法 規 92/01合格 |
専 門 92/01合格 |
設 備 92/01合格 |
電気通信主任技術者 (線路) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
専 門 92/07科目合格 |
設 備 |
工事担任者 (アナログ第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 |
|
工事担任者 (デジタル第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 |
|
第1級 陸上無線技術士 |
予備試験 92/01免除 |
無線工学A 92/01免除 |
法 規 |
無線工学B |
作戦その3:
次の「線路」の国試は11月。それに先だって工事担任者の国試があります。「ちょっと無理じゃない?」という周囲の心配をよそに、強引に「アナログ第1種」と「デジタル第1種」をいっぺんに受けることにしました。アナログを9月の初めの方で受け、デジタルを9月の終わりの方で受けるように願書を出しました。受験票をもらってみるとちょうど2週間あいていました。
2科目が免除になりますので、それぞれ「技術」のみの受験となります。アナログの試験日の2週間前までは両方を同時進行で準備しました。最後の2週間は迫っている方のみにしぼって集中的に問題集をおさらいしました。
トラヒックの問題などデジアナの両方に必ず出ますが、問題の内容はそれぞれ若干違っています。システムの性質が違うのでやむを得ないことでしょう。
電気通信主任技術者より実務的な技能を要求される資格のため、やはりそれなりのむつかしさはありますが、マークシート形式のため少し手軽な感じがしました。これに受かればパソコン通信のために電話線をパソコンのそばまで自分で配線工事できるぞ!などと思いながら答案を書きました。
マークシートのせいか試験結果の通知は1カ月後にきますのであまりイライラせずにすみます。また、試験問題の持ち帰りも許されませんので、あとでチョンボに気がついて"畜生!"などとくやしがる必要もありません。(電気通信主任技術者の場合は問題を持ち帰えることができる。あとの参考になるが、二度と見たくないこともたしか。)
結果は両方とも合格でした。したがってマップは次のようになりました。
電気通信主任技術者 (第1種伝送交換) |
通信システム 92/01合格 |
法 規 92/01合格 |
専 門 92/01合格 |
設 備 92/01合格 |
電気通信主任技術者 (線路) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
専 門 92/07科目合格 |
設 備 |
工事担任者 (アナログ第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 92/10合格 |
|
工事担任者 (デジタル第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 92/10合格 |
|
第1級 陸上無線技術士 |
予備試験 92/01免除 |
無線工学A 92/01免除 |
法 規 |
無線工学B |
後日談: その後の「工事担任者」の制度改正で「アナログ第1種」と「デジタル第1種」を統合した「アナログ・デジタル総合種」という資格が新設されました。 すでに両方の第1種を持っていたので全科目受験免除となり、申請のみで「アナログ・デジタル総合種」の免許証を取得しました。 (これを入れれば「近代五種」をクリアしたといえなくもありません。Hi)
作戦その4:
いよいよ「線路」リターンマッチです。「通信系・近代五種競技」を目指してから丁度1年になりました。
線路の「設備管理」一本ということで、明けても暮れてもこのテキストと問題集をくり返しくり返しやる以外に方法はありません。で、92年11月の国試に臨みました。
「やったぞ!」と内心は手ごたえを感じていましたし、もうこれで高田馬場の早大のキャンパスを訪れることもないかな、などと感慨にふけってみたりしましたが、年が明けて新年早々「****」のハガキが届きました。(「****」は「不合格」と表面にハッキリ書かない郵政大臣の心遣い。合格の場合は資格証申請用紙などの入った封書がくる。)
ガクッときましたが、結果は結果。悔やんでみてもしかたがありません。やれやれ、また半年受験生生活か、とあきらめました、Hi。
作戦その5:
同じ資格に三度目の挑戦というのは初めてですが、これも人生経験の一つか、と気を取り直して、再度「線路」のリターンマッチに取り組みました。科目合格は2年間有効ですから合計4回チャンスがあるわけで別に深刻になる必要はないのですが、角番・小錦の気持ちが妙によくわかるような気がしました。
気を取り直して前回の問題を見直すと、問題は覚えているのですが答を書いた記憶のまったくないのがあることに気づきました。これは一つの問題がなかで(1)と(2)に分かれており、(1)が大きなスペースを占める穴埋め問題、(2)は穴埋め用の語群の枠の下に、付け足しみたいに「・・・について述べよ」出ていたものでした。答がわかっていたので書くのを後回しにしていたのですが、計算でパニックしている内に時間切れになりうっかりなにも書かずに出してしまったようです。また、信頼性の比較の問題で、試験中は式の展開がメチャクチャ複雑になり時間がなくなり、強引に答を書いたのが、視点を変えればどおということのない簡単な問題で、答もスッキリしていました。あとで考えれば「****」になるのが当然な成り行きでした、Hi。
ちょっとふんぱつし、小遣いをはたいて街で売っている一番高いテキストも買い、初心に返って問題集のおさらいに入りました。じっくりみると、市販の問題集の模範解答にもけっこう間違いのあることを発見しました。いつか発行元へレポートしたいと考えています。
1975年頃買った「電気通信工学」という(高かった)本が、伝送理論や線路土木の基礎知識の勉強に役立ちました。どうしてもわからないところは、職場のNTTのOB諸兄にいろいろと教えて頂きました。感謝!感謝!です。
そして、93年5月期の国試を受験。7月15日、五十ン回目の誕生日にビッグなプレゼント、封書の「合格通知」を受け取りました。
電気通信主任技術者 (第1種伝送交換) |
通信システム 92/01合格 |
法 規 92/01合格 |
専 門 92/01合格 |
設 備 92/01合格 |
電気通信主任技術者 (線路) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
専 門 92/07科目合格 |
設 備 93/07科目合格 |
工事担任者 (アナログ第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 92/10合格 |
|
工事担任者 (デジタル第1種) |
通信システム 92/01免除 |
法 規 92/01免除 |
技 術 92/10合格 |
|
第1級 陸上無線技術士 |
予備試験 92/01免除 |
無線工学A 92/01免除 |
法 規 |
無線工学B |
<------------------------->
(改めて挑戦を計画?)
上図の通り、これで当初の目標を達成したことになります。
「線路主任技術者」の資格取得者は、「伝送交換主任技術者」に比べて非常に少なく、事業部の公式記録では最初の取得者として「有資格者一覧表」に載りました。私のようなオジンでも何とかなったのですから、脳ミソのやわらかい若い人達もがんばって、どんどん受かってほしいところです。この記事が少しでもその励みになればFBと思います。
作戦その6:
「通信系・近代五種競技」の5種目目をクリアするためには、Dの「無線1技」が残っていますが、少しじっくり攻めてみようと思います。ハムは無線家(筆者は無銭家、Hi)であり、「1技」に対する憧れには熱いものがあります。いずれ「熟年1技挑戦記」とでも題した記事を書くかもしれませんが、いつになるかもわかりません。(この記事で、二度とこんな記事を書くなとシグナルレポートをもらうかもしれませんし、Hi。)
有線システムの代名詞であった電話も移動電話やコードレスの出現で無線とは無縁というわけにいかなくなりました。@Aの電気通信主任技術者の法規には「電波法」や「国際通信条約」からも問題が出ます。(テキストや問題集でここにくると、読みなれたニュアンスの条文が出てきて何となく嬉しくなってしまいましたが・・・)
このような世の中の動きを見れば、Dの取得の重要性が実感できます。我孫子の鈴木OMのご指摘の通りです。
3.戦い終わって!
2年がかりのチャレンジも、(自分なりに)どうやら一段落しました。これでクラブの活動にも少しアクティブに顔を出せますし、会報のまとめにも馬力をかけることができるようになりました。自宅のシャックからQRVすることも少しは多くなるかもしれません。
国試が近づくと、手帳のカレンダーに試験日を0(ゼロ)にして、45日前くらいからカウントダウンを始めてプレッシャーをかけ、酒断ちもしました。しかし、初めの1年に比べ2年目は、根気というか集中力というか、とにかく老化の進んでいることを実感しました。とにかく、すぐに睡魔に襲われ、眼が痛くなるのです。体力と気力の衰えは覆いかくしようもありません。
しかし、今は他の人にはわからないだろうなというような達成感を味わっています。(ちょっとルンルン、Hi)今年の暮れは久しぶりに時間切れになる前に年賀状が出せそうです、Hi。
えぴろーぐ
資格がないと仕事ができない職種はともかくとして、ここで述べた資格は日常の仕事に必要なわけではありません。また、資格を持っているからといって給料が上がるわけでもないし、資格がないからといってクビになるわけでもありません。はやい話資格を持っていても別にどうということはないのです。
「卒論」のつもりといっても、どこかに何かを出せるものでもないし、しょせんは自己満足以外のなにものでもありません。しかし、自分自身では少しでも頭を使っていればボケ防止になるかなと、(まさにボケが始まった人が心配するような、Hi)軽い気持ちで始めました。
早稲田大学の試験場に通った4回の国試で毎回顔を会わせたOM(ハムではないかもしれない)がおりました。最初の「伝送交換」の時はまったく別の教室でしたが、「線路」の3回では、最初が同じ建物の違うフロア、2回目が同じ教室の違う列、3回目が同じ教室の同じ列の前の方と後ろの方でした。もしも、もう1回受けることになっていたら、案外隣どうしに座っていたかもしれません、Hi。ぜんぜん知らなかった人と試験場だけで知り合いになることもあり、友達の輪も広がります。
「つん読」も趣味の一つで、XYLから「床が抜ける、部屋が片づかない」とヒンシュクを買っていますが、この2年間に買いためた本があちこちに積み上がってしまいました。目下その山を崩しにかかっています。しかし、遠近バイフォーカスレンズのお世話にならないと電車の中で読書できなくなりました。まったくうっとうしいかぎりです、Hi。
いろいろと勝手なことばかり書きましたが、ハムの資格の次には、ぜひこの「通信系・近代五種競技」に挑戦してみて下さい。みなさんのご健闘を祈ります。 88 ES 73
後日談(2000年ミレニアム)
@ この記事を書いてからかなりたった頃、ある日曜日の早朝(私の方が朝寝坊をしていただけですが)とつぜんモーニングコールのような電話で飛び起きました。 NEC横浜のハム仲間のOMからの「第1級陸上無線技術士合格!」の第1報でした。 話によると。そのOMは専門の無線屋として「1技」を取る決心をして、挑戦しているとき私の記事に出合い「これはいいかも!」ということで、一つの選択肢としてチャレンジしたところ大成功だったのだそうです。 それを私に報告したくて早朝電話になったのでした。
以前から仕事で横浜事業場に出かけたときや、ハム仲間の集まりでしょっちゅう顔を合わせたり、話をしたりしていた間柄でしたが、その一件のあとはさらに親密度が高まり、頻繁にEメールでの近況報告など、おつき合いが続いております。 1技をクリアしたあと、さらにちょっとジャンルの違った資格にチャレンジされているようです。 ご成功を祈ります!
A 「線路」の資格はNECテレネットワークス社内で第1号になることができました。 その後、幸運にもこの資格を活用するチャンスに恵まれました。 現職場の「ケーブルテレビ品川」からインターネットサービス開業のために招かれ、NEC定年後も引き続きお世話になっています。 ケーブルテレビ品川社からの“猟頭”の要請に対して、快く応じてくださったNEC海外伝送事業部長、NECテレネットワークス社長に感謝すると共に、「That's
the life!」 人生にはいろいろなことが起きるもなだなと実感しております。(合掌)
<2000年11月10日記>