若者よ!コミックばっかり読んでいて
ほんとにいいのか?
先日のテレビで、活字離れの若者に対するアンケートの「教科書より厚い本を読んだことがない」という結果を見て、ほんとうにこの日本は、これからどうなるのだろうと心配になってきた。

若者が好んで読んでいるコミックは教科書より厚いが、あれは”読む”のではなく”見る”方のジャンルに入るらしい。

かくいう自分自身も創刊当時からの「ゴルゴ13」愛読者で、( )月13日の別冊発売日が待ち遠しいのだが、びっしりと小さい活字の長い文章があって”読む”部分が多い。それに、世界のむつかしい問題をかなりのレベルで取り上げているのでいい勉強になる。

また、「あしたのジョー」、「巨人の星」、「子連れ狼」、「影狩り」、「無用の介」、などなど読みあさったこともあるし、平均レベル以上のコミックファンを自認している。
誰にも負けないくらいのコミック理解者だと自負しているくらいだ。

サラリーマンやっていた時、午後一番での大事な客先との重要な会議を控えた若い担当者がコミックを見ながら馬鹿笑いしているのを、上司の部長だか課長だがどやしつけた、というのを人からきいたことがある。
たしかに昼休みの時間は本人が何をしていてもいいはずだし、中にはコミックを見た後の方が仕事に冴えが出る者もいるだろう。しかし、自分の部下がふだんどういうレベルかわかっているからこそ、その上司は「やばい!」と直感し、部下の将来と仕事の結果を憂いて危機感をもったにちがいない。

プロ野球のストッパー投手が自分の出番のくる前にじっくりと体を作って、ほどよい緊張感をもって待っていることぐらい若い連中だってよく知っているはずだ。プロとはそういうものだ。

大事な会議で自分の出番があるときは、プレゼンテーションのリハーサルをやったり、会議資料を熟読・暗誦したり、緊張を高め会議を成功させようと一生懸命になるものだが、こんなことを考えることがもう古いのかな?絶対そんなことはないはずだが、今時の若いもんはそれくらいの緊張もできないくらい脳細胞が弛んじまったということかな?

それに、電車の網棚の上に読み捨ててあるコミックをわざわざ集めて見ているヤツがいるな。資源リサイクルの一助にはなっているかもしれないが、ちょっとみっともないぜ。
(駅のゴミ箱の中や網棚からコミックや週刊誌を回収する立派な生業(なりわい)もあるようだが・・・)

コミックのおかげで日本の若者の漢字理解力が落ちたことは確実だ。
はっきり言って、漢字が読めないことは日本語がわからない「バカ」になっているということだ。
そのくせ、自分でも漢字がろくにわからない若い親が、この子だけにはと幼児教育とか何とかいって、高い金かけて、てめーのガキに英語なんか習わせている。
ネイティブまがいの発音でガキの英会話ができる自分のガキを、自分は日本語も英語もろくにできないので、感心して「うちの子はすごいでしょ!」みたいな顔をして自惚れている親を見ると、ほんと泣けてくるくらい笑っちまうぜ。まったく虫ずが走る!(虫ずなんて単語もしるめー!)日本人ならまずは日本語をしっかり勉強して、教養を身につけてほしいんだがな。(教養という言葉そのものが死語になりつつあるかも。)
母国語が理解できていないのに外国語を習っても、その外国で暮らすのでもない限り思考のレベルは母国語のレベル以上には絶対にならない。外国語の方が母国語よりレベルが上という状態がほんとに嬉しいのかい?おれはいやだな。だいたい、てめーのガキが上品な教養に裏付けされた英語をきちんとジャベクっているとほんとにわかるほど、てめー自身がお利口さんなのかい?日本人離れした発音、イコール、立派な英語、というわけにはいかないぜ。言語というものは奥の深〜いもんだ。

若者に受けようとするのか、最近はむつかしい本も「コミック仕立て」にしたものが出るようになった。活字だけで読んだのと比べてみると、コミック作家の主観が猛烈に注入されていて、やっぱりどっか違う。「そうか、こういうことか」と目からウロコ的な面と何となく自分の理解と違和感を感じる面とあるが、コミック化された画面の範囲に理解を限定してしまうのはまずいなと感じることが多い。
コミックは画面としてはっきりする分範囲も限定してしまうという危険性があるのだ。
この現象は、原作の小説とそれの映画化したものを比較しても納得がいく。

ということは、やっぱりコミックばっかり見ていると、思考の範囲がどんどん狭くなって脳細胞がどんどん退化しているのだ。本人のためにも日本の将来のためにも心配なことだ。
若くて目のいい内は、小さい活字がぎっしり詰まった、なるべくむつかしい漢字がいっぱいの本を多読・熟読してほしい。

年取って目が悪くなり集中力が弱ってきたら、でっかい字がちょっとだけあって一目でわかるコミックを見ればいいのではないかと思う。

日本人の高齢化を見れば、年寄り向けのコミックを作れば、パソコンとインターネットにアレルギーの年寄りがいっぱい買いにくるぞ。どうだいこの提案!
 

お〜い、ボケ防止だ!そこの一番厚い本とってくれー!
 

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(2002AUG)