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新米格闘家


□ 2003/11/17(Mon) 00:04:48


玉ねぎの格闘アビリティが45になった。
格闘アビ上げの全行程の約半分に来たということだ。
実際の時間で考えたら、半分だなんてことは絶対ないのだろうけど、
それでも、かなり成長した感じだ。
格闘アビ40から、繰り出すパンチの速度が上がった。
気分はボクサー、たまに足技も使うからキックボクサーかもしれない?
戦いなれてきた玉ねぎは、スタミナもつけてきた。
ちょっとやそっとのモンスターの攻撃にも耐えうる体力を備えた。

まだ、目指すべき道の入り口に過ぎないのかもしれない。
それでもなんだか嬉しかった。

平原を駆け抜けて、木陰にオーガを見つけた。
オーガは木にもたれかかって、昼寝の最中なのかもしれない。
ある意味微笑ましい光景でもある。
でも、僕は躊躇することなく、眠ってるオーガに麻痺の魔法をかける。
オーガは、オークと違って街中まで襲ってくることはない。
しかし、彼らは獰猛な種族で、人間を嫌っている。
それは思考的なものなのか、生理的なものなのか、
僕らにはおよそ判断することはできない。
とはいえ、一瞬の判断ミスが自らを死地に趣かせることになる。
振りかかる火の粉は払いのけなければならない。
そうすることが僕ら冒険者の使命だ。
まだこの世の中は混沌としてる。
それはカオスがもたらした厄災なのかもしれない。
エルとサスラ、相入れぬ概念がこのような世界を形作ったのかもしれない。

僕は眠ったまま動くことのできないオーガに拳を繰り出す。
ヤツの体は大きくて頑丈にできているから、
僕の拳ではなかなかダメージを与えられない。
このまま起きるんじゃないぞ。僕は心の中で念じる。
途中で起きられると、やっかいなヤツの鋭い爪で反撃を食らうはめになるし、
眠ったまま仕留めてやるのが、せめてもの慈悲だと思ったからだ。

こうして一匹、二匹と退治するにつれて、
だんだんと攻撃のコツがつかめてくる。
オーガのなかには、集めた煌びやかな鎧や、
どこからか拾ってきた美しい毛皮の靴を所持しているものもいて、
それが僕らの収入になる。

時には自分の宝物にしたり、ファッションの一部として取っておくこともあるし、
時には新しくこの地に来た冒険者に安価で販売することもある。

しかしオーガのヤツらはどこからともなくまた現われる。
そして道行く人を見かけるなり襲ってくる。
完全にヤツらを排除しようと思えばキリがない。
この戦いに終わりはあるのだろうか?それはわからない。
だがしかし、そうすることが僕らの生きるすべであるし、
そうすることが彼らの目的なのかもしれない。

僕らが「以前いた世界」に比べると、
ここ「エランシア」はまだ文明の発展の最中なのだろう。
とても原始的だけど、それでいて分かりやすい理屈でできている。
エランシアの技術者はやっと、船という水上を走る乗り物を開発できた。
神の用意した道の、まだ半分も進めていない。

流れ行く秋風を肩越しに感じながら、
僕はセルニカの街でオーガからの戦利品を売り歩いた。

<今日の玉ねぎ>
HP 455
格闘 45

<お小遣い帳>
預金 約14万
現金 約2万

モグラの皮がいい値段で売れました。


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